『ワセダ三畳青春記』でハマった高野秀行さん作品。3冊目は2003年に出版された本書である。冒険ものの作家なのに冒険ものを読んだのは実はこれが初めて。や、ワセダ〜も日常の中の冒険と言われたら珍獣?もたくさん出てくるしその通りなんだけど。
で、ムベンベである。コンゴ奥地に棲息するという謎の怪獣・モゲーレ・ムベンベを見つけに著者率いる早稲田大学探検部の面々プラスαが赴く。果たして本当に見つかるのか!?
といった話なのだけれど、探検に行く前の話と後の話がちゃんと描かれているのが面白くて、特に後日譚で探検に参加したメンバーの探検直後だけでなくその何年も後の話も載っているのが良い。マラリアに罹ってしまった田村の話が最後にあることで、著者からの目線でしかなかった探検に立体感が出てくる。後日談を読んでからまた読み直すと急に群像劇感が出てくるかも、なんて思えてくる。
探検本番も面白くて、部族とコンゴ政府と探検部のやりとりや、環境の悪さ、1ヶ月以上の長期でどうやってモチベーションを保ったかなど、こうやって挙げていくと真面目に見えるけれど「そんなことあるの?」とか「そんなやり方でいいの?」とか「ありえない!」みたいなことのオンパレードでニヤニヤしながら読み進んだのだった。
うん、どれ読もうかな。ブータンのかな。