本屋探訪記第9弾は、京大近くの古書店「富山房書店」だ(他の京大前の本屋探訪記は以下)(2011.4の記録)。
まとめ
まず、時間の無い方のために手短にまとめたものを書いておく。
- 品揃え:割と僕好み。「吉岡書店の本店」と「井上書店」には負けるがそれでも悪くなかった
- 雰囲気:内装は新しくフローリング張りのせいなのか何なのか分からないが雰囲気はかなり良い
- 値段:どれも普通。大体、定価の半額から6割くらい
- 立地:近隣住民と学生には行きやすいがそれ以外の人にとっては遠い
- 他の京大前の古書店と同じ
- 備考:
静かな店内
先日までは京大前の古書店を紹介したが今日はそこより少し遠い。レブン書房の歩道から見て東側の歩道に思文閣美術館がありその思文閣美術館の脇道に「富山房書店」はある。
店舗の歩道側が全面ガラス張りになっており同じくガラス張りの引き戸を開けて中に入ると床はフローリングで結構綺麗な店内になっている。店舗の形は奥に長くて右前の角が欠けている長方形で右手に棚が一本、左斜め前に棚が2本、1列に並んでいる。
店内は無音だ。店主の作業音と自分の足音だけが聞こえる。
品揃え
店舗入ってすぐのスペース 本棚一つと取り囲むような壁棚たち
店に入って右回りに回っていこう。
右手の壁の棚には、落語、シェイクスピア、映画、古典芸能、京都関連、日本史、民俗、古代史、仏教、キリスト教があり、振り返った場所にある1本の棚には文庫が特にジャンル分けされていない状態で並べられている。足元にあるのは箱詰めされた新書と新しめハードカバー、雑誌だ。
同じ棚の裏側に回ってみるとこれまた文庫が岩波文庫や講談社学術文庫を含め特にジャンル分けされていない状態で並べられていた。
振り返るとカウンターがあり、中では年配の女性が作業をしている。
奥のスペース 右側の通路
さて、カウンターと手前の1本の棚に挟まれた通路を奥に進んでいくと先ほど説明した2本の棚(左斜め前にある棚だ)と右手の壁に挟まれた通路になる。
右手の壁の棚には手前から新しめのハードカバー、文学、キリスト教、知の再発見双書、本についての本、民俗、思想、法律、科学、科学の箱本、歴史、徒然草などの古典文学が並べられており足元には平積みにされたハードカバーと雑誌、絵本が置かれている。
振り返って左奥の2本の棚を見て行くと海外文学や歴史など海外系、辞典があり、店舗ン左奥の突き当たりには洋書や洋雑誌が並べられていた。
奥のスペース 左側の通路
左奥の2本の棚の裏側を見て行こう。
店の奥から順番に見ると美術、釣り、文学関連、童謡、戦争関連、科学があり、振り返って左の壁の棚を見ると、入口から見て、手前から工芸や茶、美術、歴史などの大判とハードカバー、中国系とアジア系が一番奥にあった。
そして、足元には箱本の全集や文庫のセットがある。
古典芸能に強い店
これで店を一回りしたことになりカウンターを横切って店主に会釈をしてから店を出た。
今回の「富山房書店」、先日の「吉岡書店の本店」や「井上書店」には劣るが、それでも「知の再発見双書」や本についての本(林望の『書誌学の回廊』など)があり、品揃えは嫌いじゃなかった。ただ、全体としては、能や狂言など古典芸能の品揃えが豊富で、「やはり京都だな」と思わせてくれた。
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