東京バンドワゴンシリーズの2作目。これを読んだのはここ1ヶ月ほどなので記憶が新しい。定期的なアウトプットは重要だよなあ。
さて、1作目を読んでからはずいぶん間が空いてしまったがようやく読んだ本作。前作でも感じたが良くも悪くも「古き良き日本社会」的倫理観が通底している。それは「結婚する=幸せになる」という図式を誰も疑わないあたりなどで正直な気になる部分ではあるけれども、前職にいた周囲や学生時代の同期からして案外そういうところは変わっていないのかもしれない。ぼくはそういう考え方には馴染めないけれども。
前作同様、そういう世界観の中で、古本屋「東京バンドワゴン」の生活を描き出している本作であるが、長々と書いておいてなんだが、まあそういうのも含めて読んでいて暖かい気持ちになるのだから不思議だ。それは著者の筆力なのか子ども時代に観ていた時代劇を思い出すからなのかは分からない。確かなのはどこか癒されるこの読書体験で、本屋好きとしてもこれは好ましい感覚だったりする。
細かいことはいい。どうせ虚構だ。だが、だからこそ気持ちよくさせてくれる東京バンドワゴンシリーズをぼくはこの先も読み続けるだろう。とりあえず3作目を早く読みたいのである。
あ、また、ストーリーについてまったく触れていないや。まあここに書いているのは書評という名前のエッセイだと思っているのでこれで良い。良いったら良いのだ。