マルジナリア書店 by よはく舎を取材したときに、本誌の登壇者のひとりでもある小林えみさんにいただく。まあ店に置いてあったのだけれども。
これがフリーペーパーか? というくらい豪華な内容で、慶應義塾大学アート・センターが発行だからなのかなぁなど邪推するがまあそれは置く。
本誌は2021年1月に開催されたトークイベントを文字起こししてまとめたものだ。セッション1と2に分けられ、それぞれ「コロナ禍におけるライフワークーー生活だけでも、仕事だけでもなく」と「リモート・アーバン・リサーチーー今、リアルの空気を捉えるには」と題されている。
コロナ禍の中、フィジカルな場で集まることが難しい状況下で、どうやってカルチャーを紡いでいくのか? いけるのか? いくとしたらどうやって? そもそもみんな今どうしてる? といった疑問をそれぞれの立場から話している感じの内容。
内容が充実しているのでまとめだすと長くなる。ということで、気になったところだけ引用する。
"日本ではコミュニティを立ち上げた人がそのままその場の盛り上げ役を担うことが多いですよね。海外のDiscordでは、そういった仕事をする人たちは「モデレーター」として、設立者とは分離しています。…略…日本においても、人を集めることと、人をモデレートすることとは別の能力だと考えることはできないでしょうか。"19p-20p
→棚貸しで店をやっている身としても実感できること。モデレーター的な人(もしかしたらむしろ書店員側かな)、うちにもいた方が良い気がする。リソース足りなさすぎ。
福井一喜『自由の地域差:ネット社会の自由と束縛の地理学』
「消極的自由」から「広域な空間スケールにおける束縛」、そして「積極的自由」に至る話と、その難しさについての話。積極的自由に至るには身体性をともなった現場の交流が不可欠だがコロナ禍の中、それが難しくなっているという話。 39p-40p
→場のデザイン、ルールのデザイン、コミュニケーションのデザインみたいな話なんだろうけどもどこにボトルネックがあるか考える上でもこの本、読んだ方が良いかも。
上記以外にも気になる点はたくさんあって、いやー勉強になった!