絲山秋子さんが群馬の絵本屋・フリッツアート・センターで定期的に仕事をするらしい。その名も絲山房。ぜひ取材したいと思い手に取ったのが本作『沖で待つ』。作品の中でどれを読もうかと思って探したところ芥川賞受賞作が収録とのことで決めた。
そういえばSFでない小説を読むのは久しぶりである。絲山秋子さんの小説は初読ということもあり期待して読んだらこれがまた期待を超える面白さであった。
いや「面白い」というのとはちょぅと違うかもしれない。本書『沖で待つ』は表題作であり芥川賞受賞作でもある同作と、「勤労感謝の日」、「みなみのしまのぶんたろう」を収録した短編集。
基本的には「はたらく人」が主人公で「沖で待つ」と「勤労感謝の日」は女性、「みなみのしまのぶんたろう」は男性が主人公だ。
細かいところは省くとして、全体を通して思ったのは「小説を読む時間というのはこうもゆっくりした時間が流れるのだな」ということ。なんだろうか。ここのところ無くしている心の余裕が少しだけれど補給できるような。
豊かな読書体験だった。
関連タグ
「小説」の記事一覧
-
【息抜き読書】読書メモ 2022.8.11
2022-08-13(Sat)
-
【息抜き読書】『マカロンはマカロン』(近藤史恵、東京創元社)
2022-04-19(Tue)
-
【息抜き読書】『異邦人』(原田マハ、PHP研究所)
2022-03-18(Fri)
-
【息抜き読書】『注文の多い注文書』(小川洋子・クラスト・エヴィング商會、筑摩書房)
2021-08-30(Mon)
-
【息抜き読書】食堂かたつむり(小川糸、ポプラ社)
2021-07-26(Mon)
-
【息抜き読書】『ヴァン・ショーをあなたに』(近藤史恵、東京創元社)
2021-06-22(Tue)
関連記事
-
【書評】唐沢なをき『怪奇版画男』
2017-08-20(Sun)
-
【書評】大竹啓裕『ストックビジネスの教科書』
2016-06-16(Thu)
-
【書評】『マガジン青春譜』
2015-02-14(Sat)
-
【本屋好きの読む本屋本】SUNNY BOY BOOKS 1周年&2周年記念小冊子
2016-03-20(Sun)
-
【書評】『続・現代日本の書票』
2016-10-14(Fri)
-
息抜き読書:『長くつ下のピッピ』
2021-03-08(Mon)