先日、『本屋探訪記vol.105:雑誌のように生まれ変わる。「niko and … TOKYO」』という記事を書いたところ、本棚の作者からなんと連絡がありました!
ぼくはこの記事の中でぼくはこのように書きました。
作者がここで多様性を表現していると感じた。
作者の方からするとそれがまさに的を得ていたらしく。それで連絡をとっていただいたようです。こういうのがあるとほんとうに嬉しいですね。基本的に当サイトはぼくの個人運営ですので反応があるとほんとうに嬉しく。これからの活動にも精が出るというものです。
さて、リーディングスタイルの方(ということは取次の大阪屋の方)である作者さん。一ヶ月かけて企画・選書をされたとのことで、その力の入れようがうかがい知れます。いやー素敵でしたもの。めっちゃ受け取ってますよ! その情熱!
メールをいただいた際に本棚の説明もありましたので、せっかくなので許可の上、公開しようと思います!!
Nobody I Know Own style
まず、本棚が置かれる環境の説明から。
今回のひと文字本棚は「niko and …」の旗艦店である「niko and … TOKYO」にあります。
本屋探訪記でも書きましたが、このブランド。好きなのでよく覗くのですが、いつもなんで中途半端なところで名前を止めるのか気になっておりました。というか、なんだよ? 「…」って余韻とか残されても分かんねえよ。でも、ちゃんとした理由があったんですね。いやー荒ぶってしまってすいませんでした。
本棚作者さんによると「niko and …」は「Nobody I Know Own style」の頭文字を取ったものらしいんですね。で、つまり、どういうことかというと「人は、生まれてきたままでは何か足りない」から不完全な「私」を何か(and…)で補おう、という意味があるようなんです。
ふむふむ。だから、古びたような質感のヴィンテージ風雑貨(=不完全?)が多いのでしょうか。
「不完全な私」を取り巻く世界を「本」で表現
これを自分なりに解釈した上で、「不完全な私」を取り巻く世界を「本」で再現しようとした試みが、このひと文字本棚のようなのです。
つまり、「niko and … bookshelf」ということですね。
以下、メールから引用します。
棚の中心に「私」という一文字を配置し、それを取り囲むように他の漢字を配置しています。
無・夜・風・海・木・土 から成る棚は「自然」
色・言・愛・私・心・体 から成る棚は「人間」
本・音・窓・食・場・装 から成る棚は「創造」
を意味しています。つまり、「自然」、自然から生まれた「人間」、人間から創り出された「モノ」を左から順に配置しています。
実は、ぼく。この中心の「私」に気づかず、ただただ「ひと文字で本を切り取る本棚」というアイデアに感銘を受けておりました。いやーお恥ずかしい限りです。
niko and bookshelf
これを知ったとき、正直、脱帽しました。文脈棚という言葉がありますが、ここまでしっかりした文脈、いえ、ストーリーを構築していたとは。
これはもうアートだと思います。ビジネスアートですがしっかりしたコンセプトを元に本棚でメッセージを表現する。ファッションシーンの写真に芸術性が認められるように本棚にも芸術性が認められていいのではないでしょうか?
そんなわけで、感動しましたし、アーカイブとしての意味も込めて書かせていただきました。
やーそれにしてもすごいです! こういう本棚がつくれるようになりたいですね!
週末は「niko and … TOKYO」に行きたくなりました。