本屋探訪記vol.106:雑誌のように生まれ変わる。「niko and … TOKYO」

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アンティークな雰囲気の雑貨や家具、服を扱うライフスタイルショップ「niko and … TOKYO」。割と好きなので何を買うともなく立ち寄る店なのだが、原宿に旗艦店をオープンするという。しかもテーマは昨今話題のポートランド。ぼくも大好きポートランドである。その上、本棚まであると聞けば行かざるをえないでしょう。本屋探訪記第106店目は「niko and … TOKYO」である(以下は2014年11月15日の記録)。

まとめ

時間の無い方のためにまとめを。
  • 品揃え:BACHの幅允孝氏リーディングスタイルによる選書。一文字選書やBIRTHDAY BUNKOなど切り口が見ていても面白い。服飾も求めやすいものからそれなりのものまで幅広いセレクト。
  • 雰囲気:「開放的」「質が良い」といた雰囲気。総じて居心地が良い。
  • 立地:原宿から渋谷に向かって明治通りを歩く途中の道。若干、歩くが、むしろ喧騒からは遠のいているので嬉しい。
東京都渋谷区神宮前6-12-20 1F, 2F
TEL:03-5778-3304(お問い合わせ:0120-601-050)
営業時間: 11:00~22:00
URL:http://magazine.nikoand.jp/tokyo/
Instagram:http://instagram.com/nikoandtokyo

ポートランドのイメージ

ポートランドを示すキーワードはいくつかあるがその中に地産地消が入ると思う。ポートランドでは安くて均一的な製品よりも高くても地元の良質な製品をあえて選ぶお客さんが多いイメージがある。だから、地元のコミュニティがしっかりあるし居心地も良さそうなのだ。
(詳しくは『ヒップな生活革命』や『グリーンネイバーフッド』を参考にして欲しい。)

一階はカフェ・本棚・雑貨・インテリア・レディス

さて、そこで本店舗であるが、まず広い。原宿にこれだけの店舗を用意するのは大変だったのではないだろうか。
その中に「niko and …」主力の雑貨を中心にインテリア、レディス服を配置。一番手前にはカフェと本棚だ。

二階も充実 レストラン・多肉植物・メンズ・海外書店トートバッグ

一階の中央に位置する階段を昇ると目の前にレストランである。どうやら日本初上陸のポートランド発レストランらしい。ぜひ食べたかったが時間がなく断念した。残念。
レストランの真向かいにメンズ服。そして、面白かったのがレストラン横にあった多肉植物エリアである。この中に海外書店のトートバッグがあるのだ。もうウキウキのワクワクである。

本はライフスタイルショップ的品揃え

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さて、ようやくの本棚紹介である。店舗入ってすぐ左手の目立つ場所にあるのがまず嬉しい。ポートランドには「パウエルズブックス」という伝説的本屋があるのだがそれを意識…さすがにしていないか。
一番手前に平台がひとつで、ほかは柱一周分と壁に8段×5列の本棚である。スペースがしっかりあり隣はカフェなのでゆっくり見れる。
平台にはライフスタイルショップかつポートランド特集だからだろう。『NORAH』や『大坊珈琲店』、『spectator』、『アリス・ウォータースの世界』、『アート・オブ・シンプルフード』などの消費社会とは一線を置くような本が多い。

柱本棚には『TRANSIT』、『BIRD』、『KINFOLK』、『種をまく人』、『ユーズド・ミックスのすすめ』などの品揃え。面白いのは併置されていたCDとレコードである。試聴機もあり音楽も楽しむことができる。
(2015.1.9に確認したところこの平台と柱にはキャンドルなど雑貨が並べられていた。)

あたらしい切り口「ひと文字本棚」

面白かったのが壁棚である。
一段ごとにひと文字でテーマ分けされているのだ。転載記事と違いこちらでは長文にできるのでひと文字につき一冊ずつ紹介したい。
「独」『夜と霧』
「伊」『ピノキオの冒険』
「仏」レーモン・クノー『あなたまかせのお話』
「英」『ビートルズに恋して』
「米」『大きな魚つかまえよう』
「日」『東京ポートレイト』
「無」『シンメトリーの地図帳』
「夜」『一千一秒物語』
「風」『風にのってきたメアリー・ポピンズ』
「海」『社員をサーフィンに行かせよう』
「木」『ソロー博物誌』
「土」『種をまく人』
「色」『赤の書』
「言」『ポオ 詩と詩論』
「愛」『スーパーサッドトゥルーラブストーリー』
「私」『ぼくの哲学』
「心」『心をもつロボット』
「体」『呼吸の本』
「本」『世界は一冊の本』
「音」『カメレオンのための音楽』
「飾り窓から」『戸惑う窓』
「窓」『イギリスの窓文化』
「場」『都市は人類最高の発明である』
「装」『デヴィッド・ボウイ コンプリート・ワークス』
いかがだろうか。これだけの切り口がわずかな本棚にあるのだ。ぼくは作者がここで多様性を表現していると感じた。
よくよく考えてみればポートランドほど多様性という言葉が似合う場所はない。なかなかにニクい演出である。

大阪屋発BIRTHDAY BUNKO

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この壁棚の一番端一列はBIRTHDAY BUNKOとなっている。本サイトの読者ならご存知の方も多いかと思うが「マルノウチリーディングスタイル」でも展開されたあの特集である。
ということはこの本棚はマルノウチリーディングスタイルと同じ大阪屋がつくったということだ。
大阪屋は業界三位の取次会社である。本棚をつくる職業はnuma booksの内沼晋太郎氏やBACHの幅 允孝が有名で他にも本屋が請け負うことはあるがまさか取次がそれをやるとは。
出版業界のブラックボックスと呼ばれ悪役とされることも多い取次だが、一概にそんなことはない。しっかり仕事しているのである。
ちなみにこの本棚。先ほどのひと文字本棚も含め相当におもしろいので本好きは必ず見ておくように(ここテストに出ますw)

“雑誌のように編集し、特集と連載を持つ店”

あとで調べてみたところ「niko and … TOKYO」は”雑誌のように編集し、特集と連載を持つ店”だそうだ。
ということはこれをアップした現在ではポートランドではなくなっているかもしれない(サイトを見るとまだポートランド特集のようだ)。
ぼくが行ったときはオープンして日が経っていないのでどこが特集でどこが連載か分からなかったがそのうち定番とそれ以外が自然と分かれるだろう。だが、本棚とカフェには残って欲しい。ライフスタイルを語るなら本とコーヒーは必須だと思うからだ。
いずれにせよこれからどのように変わっていくのかが楽しみである。

原宿でたのしめる本のある暮らし

原宿にはゆっくり読書できるスペースがない。そこにできたのがniko and …TOKYOである。ここに行けば新歓書店のない原宿でも本をゆっくり読める。しかも、選りすぐりの本棚だ。もしかしたら大型書店よりもたのしい読書が期待できるかもしれない。
自分の誕生日に生まれた作家の本をその場で読んでも良し。32文字で表現された本の宇宙を楽しむも良し。
いや良いところに良い本棚ができて嬉しい限りである。

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