本屋探訪記第4弾は京大前の新刊書店「レブン書房」だ(2011.4.の記録。2012.6.30閉店)。
まとめ
まず、時間の無い方のためにまとめを書くことにする。
- 品揃え:教養系や科学など学生向けの本が多い
- しかし、就活用の本が少なく、岩波文庫や新書が多いところなど、ポップや面陳を含めて大型書店やアマゾンと差別化している
- 雰囲気:建物が古いため「明るい」という感じではないが 、「昔ながらの町の本屋さん」って雰囲気が出ていて安心する
- 値段:新刊書店のため割愛
- 立地:京大生や京大周辺の住人は行きやすいが、駅も遠いしその他の人には行きにくい
- 良くも悪くも地元向けの書店だと言える
- 備考:
京都府書店商業組合
京都の本屋さん
e-hon加盟店でもある
TEL:075-781-4323
FAX:075-721-4133
出町柳駅から京大前まで
京大前の書店に行ってみようと思ったので、河原町から京阪線に乗り出町柳駅に(特に下調べも無く行ったので、今回はバスは利用しなかった)。京大までは歩いて10分ほどかかるようなのでてくてくと歩いていく。駅の近くにファミリマートがあったが、その他にはポツポツとカフェやラーメン屋があるだけで特に何もない通りだった。
しばらく歩くと百万遍知恩寺の境内を左手に見ることができる。今回は目的ではなかったので寄らなかったが緑もたくさんあったし知恩寺の中は気持ち良さそうだった。知恩寺を過ぎると大きな交差点があり、京大の丁度対角線上にあるのが「レブン書房」だ。
店舗外観
大きな通りの交差点のためなのか、歩道も大きく、許可を貰っているのかどうかは分からないが、歩道の上にも雑誌が並べられていた。きっと新入生を狙っているのだろう京都特集が一番目立つ場所にあり、その他、マンガ雑誌や女性誌などが置かれていた。名探偵コナンのポスターがでかでかと貼られているドアを開けると中は結構混んでいた。
長方形の店舗 エロDVDとコミックコーナー
外から見るとパッと見いわゆる町の本屋さんと感じるし中もそんなに新しい綺麗な作りでもないので未だに続いていることに驚く。これも学生街だからだろうか。
中は奥行きがある長方形のようなつくりになっており入って正面に平積みでコミックの最新巻が置かれている(どさくさに紛れて中古のエロDVDが裸で並べられていた。しかもなぜか熟女ものばかり、店主の趣味か?笑)。
右手はコミックコーナーとなっていて珍しく全て立読み防止のカバーが掛かっていないので学生と思しき若者たちが大勢立ち読みしていた。しかし、コミックコーナーはスペースが広いので、邪魔にならないようになっていることを考えると一定の集客効果はあるのかもしれない。
コミックコーナーを右手に店の奥に行くと旅行雑誌や将棋囲碁などのコーナーがある。狭く目立ちにくい場所であることを考えると、この店では旅行や将棋・以後は売れ筋ではないのだろう。
入口目の前の雑誌コーナー
振り返ると男性誌が並べられた棚があり、その裏には主に科学関連の雑誌が並べれていた。この棚が店から入って正面にある雑誌棚の右のもので、左の棚はというと、最新刊のハードカバーやもしドラ特集『これからの正義の話をしよう』のサンデル特集などで占められていた。
そして、その棚の裏にはアニメやゲームなどの雑誌が置かれてありさらに振り返ると、新潮選書、祥伝社新書、哲学・思想、若者について、斎藤孝など自己啓発、科学、ニーチェ、アインシュタインなどが置かれている。
店舗左辺・奥の壁棚
そのまま店の奥に壁伝いに入ってくと、思想系の棚や就活関係・仕事についての棚、山や花など自然についての棚、養老孟子司についての棚、そして突き当りには京都観光のためのらくたび文庫の棚があった。
突き当りをそのまま壁伝いに回っていくと「大学」についての本を集めた棚があり、その次に現れるのが新書コーナーだ。講談社+α新書、文芸春秋新書面陳、新潮新書、中公新書、光文社新書、朝日新書、講談社ブルーバックス、ちくま新書などなど一通りの新書は揃っている。
雑誌コーナー奥の棚2列
そのまま壁伝いに行くと囲碁・将棋の棚に行ってしまうので、振り返ってみるとそこには岩波文庫や講談社学術文庫などの教養系文庫が並べられた棚がある。
棚を裏側に回りこむと、海外文学、そして明治などクラシカルな文学の文庫が置いてあり(この時点で店に入って正面にある雑誌と最新刊置いてある二つの棚の奥にある、二つの棚の右手の棚を見ている)、振り返って正面から見て奥の左手の棚を見てみると、そこには伊坂幸太郎など現代文学の文庫が並べられていた。
こうして、店の棚を一通り見たところでコミックコーナーでもやしもん10巻を購入し店主がいるカウンターを右手に見ながら店を後にした。
学生街の書店 店主の心意気
「レブン書房」は、学生街という立地のせいだろうが、通常の個人経営の書店のような品揃えではなく、科学関連の雑誌が多かったり、岩波文庫の量が多かったり、大学についての本で一つの棚を占領していたりする。しかも、一つの棚に一つ以上はポップが添えてあり、平積みや面陳を駆使して商品の絶対量の少なさをうまくカバーしていた。
店主の心意気を感じることができる良い書店だと思う。雰囲気は建物の古さもあって、明るいとは言えないが、「面白い品揃え」だと思わせる書店だった。