7/20(水)に開催した読書会の課題図書。
そもそもなぜ本書を選んだかというと、本が好き!で読んだ書評が面白かったからだ。
まず、驚いたのが著者が日本人だったこと。タイトルや装丁を考えても翻訳小説かと思ったら違うという。しかも、なんとこれが初めての長編小説(1作目に短編集で本書は2作目)だという。さらにさらに、書評によるとかなり面白いらしい。これは読まないとでしょう! ということで本書を課題図書候補に選んだら見事レビュアーによる投票を勝ち抜き本書が課題図書となった(ほかの候補作は湊かなえ『ユートピア』と柚月裕子『孤狼の血』(こちらは書評なし))。
さて簡単にあらすじを紹介しよう。
舞台は第二次大戦中のアメリカ軍。ノルマンディー作戦からである。主人公は「キッド」と呼ばれる兵士で、コックである。後方部隊であるが戦闘になれば当然自らも戦う。物語は戦場という悲惨な舞台の上で「エド」と呼ばれる探偵役が部隊で起こるちょっとした謎を解いていく、といったものだ。戦争の悲惨さと部隊の仲間たちとのやり取りで主人公が成長していく青春ものと言い換えることもできる。
状況や小道具、背景の説明がしっかりしていて、それが物語にリアリティを与えているのだが、逆に長ったらしいと感じる部分もあり、そこは人によって感じ方は変わるだろうが、少なくともぼくは三章までは読んでいて少し肩が凝った。
でも、四章からはそれまでの説明や伏線が次々と明らかになりスカッとさせてくれる。
この読後感。素晴らしいので前作の『オーブランの少女』も読んでみたいな。