ぼくのタナカホンヤ(3)

縮小タナカホンヤ アイキャッチ
はい、どうも。
タナカホンヤのタナカです。

今回は、タナカホンヤの人生は旅のような。話。

タナカホンヤと旅

お店をはじめるまえは、海外国内問わず気の向くままに旅をしていた。

ひとり旅をしていると、その土地で出会うひとの印象がその旅の思い出のすべてと言ってよいかもしれない。旅先では観光というより、その街で少しだけ暮らしてみるという感覚で過ごすことが多いので、ふらふら路上に出る。

観光の街はすぐに飽きるので、少し離れた街でしばらく滞在する。そこでお気に入りのお店をみつけて、とりあえず毎日通う。2、3日通えば言葉がわからなくても顔は覚えてくれるのでなんとなく仲良くなれたりする。

なにもせず、ぼーとして本をよんで日記をかいて気が向いたら近所を散歩する。そんな旅だと、インドやスリランカ、トルコなんかの路上での出会いは、食事や映画につれていってくれたり、家に泊まりにいったりとおもしろかった。

何もしなくても歩いていれば、なにかが起こる。よくもわるくもほっといてくれない街の喧噪は嫌いじゃない。

2回目の旅がインドだった。このときのことはインドだからなのかもしれないけど、印象深い。

その便は深夜のデリー着だった。
着陸少しまえの機窓にまだ知らぬ街の灯が流れ映ったとき、真っ暗闇のあいだを外灯がどこまでも続くラインとなってポツリと蠢く車がみえた。
いまどれだけの人がこの暗闇のなかで眠っているのだろうか。
見えないからこそ、この町の日常生活を想像にかきたてられた。
全身がゾクッとするような色気のある興奮だった。
はじめてのインドに対する漠然とした不安がどこかにいってしまった。
深夜着というのもそう悪いことばかりではないように思える。
まだ静かに眠るその街で、はじめての空気を吸い外を眺めじっくり朝を待つ気持ちの余裕というのは、あっていいものだと思った。
なんとなく良い旅になりそうな予感がする。

結局このときのインド旅がよいものだったかよくわからないけど、
もう一度行ってみたいと思う。
あの光景はいまでもはっきりと、映画のワンシーンのように忘れられない。

旅にでる楽しみはいくつかある。

明日から旅に出るときには、本棚を整えたり旅に持っていく本を選ぶ。机の上をすこし片付ける。あまりきちんと整頓してしまうと、もう再び戻らないような気がしてなんだか落ち着かない。別に危険なことをする旅ではないのだけど。

Airport Turkish
海外に出るときはお金をあまり持たないので貧乏旅行をすることになる。
安い航空会社のエコノミーに乗り、おいしくない機内食を食べるのだが、いつのころからか、これが楽しみのひとつになっている。

CAが慌ただしく動きだし食べ物の匂いがしてくると、乗客たちがそわそわしはじめる、のを眺めるのが好きだ。食事を楽しみにしていたり、することがないから暇つぶしに食べたり、まったく食べなかったり、強制的な食事の時間を様々な国のひとたちの食べ方をみながら一緒に給食を食べている感覚は楽しい。
だから機内食がおいしくなくても、食べたいから飛行機に海外に行きたくなるのだ。

ちなみに翔泳社から『みんなの機内食』という本が出たときは嬉しかった。
いろんな機内食を写真付きで紹介していておもしろいけど、ぼくにとって機内食の見た目や味はどうでもいいことがわかったし、飛行機はあまり好きじゃないのを思い出した。

つづく