本屋探訪記第12段は、京都寺町通り奥の古書店「竹苞書楼」だ(2011.4の記録)。
まとめ
まず、時間の無い方のために手短にまとめたものを書いておく。
- 品揃え:能や狂言、華や茶、浮世絵など古典芸能に関わるもの。いかにもこれが古書、古典籍だ!といったようなものばかり。
- 雰囲気:古書を売ってますよ!って雰囲気。好きな人は好きだけど人は選ぶ。僕は好きだった。
- 値段:高い。モノがモノだけに買うつもりなら万単位を基準に安くても五千円は出す覚悟を決めて行った方が良い。
- 立地:あまり良くはない。アクセスは悪くないのだが、人通りもそんなに多くはない。きっと常連さんが多いのでは。
- 備考:
TEL:075-231-2977
FAX:075-231-2977
営業時間:AM10:00~PM7:00
定休日:木曜日
凄まじき古風な建築
先日の「其中堂」よりさらに奥(京都市役所側)に進んでいくと時代物の町屋が見える。それが「竹苞書楼」だ。
「其中堂」も結構な時代物だったが、この「竹苞書楼」に関してはもうとてつもない。見た瞬間から歴史を感じ思いを馳せてしまうようなそんな建物となっている。店構えは横長で入り口は中央から少し右よりの引き戸だ。
店の前には平積みで画集や雑誌、ハードカバー、和本。内容は日本の文化。華とか能とか浮世絵について染物、蒔絵、水墨画などが置かれている。
どれも京都らしさが出ており以前の大書堂に近い客層を狙っているのではないか。ただ、竹苞書楼は大書堂よりもより古書好きが訪れそうな品ぞろえではある。
店員が若いよ!
中に入ってみよう。
引き戸を開けると古書の匂いとどこか懐かしい。昔おばあちゃん家で嗅いだような匂いがする。中は狭く横長で四畳半。入って目の前にカウンターがあり茶髪のお兄さんが出迎えてくれる。なんとなく頑固そうなオヤジさんがやっていそうなイメージがあったので意外な気分だ。特にBGMとなるようなものはなく狭さも相まってなんとなく宙ぶらりんな気持ちになってしまった。
これぞ古書!
気を取り直してレイアウトを見て行く。
入って右側には大判(A1くらいの大きさがあるのもあった!)の書籍が並べられており左側には大判ではないがとにかくこれぞ古書、古典籍といったような書籍が平積みされている。どれも高価で1000円を切るものは一つもなく最低でも5千円くらいの書籍ばかりが並んでいる。
内容は画集や仏教書、古い和本の絵本 美術館にあるような本などで能や狂言、華や茶など日本の古典芸能に関する本が多かったように思う。特に目を引いたのが入って左側に平積みされた和本の絵本だ。
手にとって見れる和本の絵本
少し力を入れれば破れそうな古い和紙に絵と僕には解読できない筆記体で何やら書いてある。こんな本がこんな形で売られているのは初めて見た。しかもそれがガラスケースではなく実際に手に取ってみることができるだなんて。
値段は約5千円。これを安く見るか高く見るかは相場を知らないので何とも言えないが少なくとも僕には高くはないように思えた。
古書好きには溜まらないはず
同じ寺町通りの他の古書店と比べて一番人が立ち止まっていたと思う。それはそうだ。こんな見るからに古い建物が本を売っているとなれば本好きならば何を売っているか気になってしまうのが人情というものだろう。ただし、やはり僕の好きな分野の本ではなかったので、それが残念だった。