B&Bでこれを聴きに。
下北沢のイメージと実態
藤谷治さんの話し方が独特で聴いていて飽きなかったのだけれども、面白くて書きたいとおもったのがあ下北沢のイメージと実態について。
A.若者が小さいながらも面白いことをやっている店が多い→B.若者客が集まる街
という図式が成り立っているイメージが下北沢にはあるので地主や不動産屋側からすると家賃を上げたい。人が集まるということはお客が多いというわけでその分、収益が出る可能性が高いわけです。
ところがですね。家賃を上げると当然Aが成り立ちにくくなるわけで資金のない若者が情熱と思い込みで始めることができなくなるわけですよ。すると、どうなるかというと、そもそもの因果関係としてBという結果はAがあったからこそだったわけで、Aが無くなれば当然Bも無くなるわけですな。これは困ったと。盛り上がったが故に盛り下がるとはこれいかに?というお話だったわけですよ。
で、話によると実際問題、家賃がかなーり上がっているらしくてですね。
ちょっと前(これは具体的にどれくらいかはわからないけど)までは「小さい店が潰れたらまた次の小さい店が入る」という循環だったのが「小さい店が潰れた後に大きいチェーン店が入る」ことになってきているらしいのですよ。確かにソフトバンクショップとかコンビニとかまだ少ないけれど増えてきているように思うんですね。ぼくの観測ですらそうなんだから16年間も本屋をやってきた藤谷治さんからすれば推して知るべし。
本来、面白い街だから人が集まってきて、だからこそ家賃を上げれるような経済的価値が生まれてるとも言える訳ですが、経済的価値が生まれたことで逆に街が面白くなくなってしまうという。なんともまあ分かりやすい消費社会的趣きの強いお話となりつつあるそうで。
ポートランドという街
下北沢という街が好きなぼくからしてもこの流れは止まって欲しいと思うのですが、そこで思い当たるのがアメリカはポートランドの話でですね。行政と街が一体となって作られたポートランドはその初めから家賃をセーブすることが条件として入っていたわけです。必ず低い家賃で住めるように建物の価格をセーブするような決まりがあるようなのです。
もちろん他にもポートランドが成立する理由は多々あるわけですがここでは割愛して、今回の話で出てきた下北沢に足りないものは「価格のセーブ」という一点に尽きるわけです。
とはいえ家賃を上げる方にも理由はあるわけでそりゃまあ儲かりたいでしょうからね。そこはそれ。それを否定したら経済活動なんてできません。さらに言えば、ポートランドと下北沢は当たり前ですが違うわけでまったく同じやり方をしても意味が無いわけですよ。
下北沢再開発の話とその反対運動で負けた話とか、でも結局関係なく自分たちは自分たちでやっていくのが一番良い戦略じゃないのかという話もあったわけですが。結局のところ、地主と不動産屋と行政の話でありまして我々は意思を示していくくらいしかないのではないのかもと考えると、そういう戦略が一番良い、というかベターなのはそうなんだろうなと思うわけです。
で、結論はなにかっていうとこれはもう下北沢でがんばる人々の話なのであってぼくが言えることは非常に少ないのですが、とりあえず言いたいのは
「家賃高いのかー。下北沢でお店出すのは厳しいかもなー。てかフィクショネスの跡地って家賃どれくらいなんだろー。出したいなー」
ということでありました。やっぱり本屋は集まっていたほうが楽しいですからね。