広島に本屋を開く男の開業記第5弾です。ついに、場所選びをし始めます。ワクワクしてきましたー。
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場所選びの難しさ
とある会議でのこと。「家賃の安さが最優先」と一点張りのリアリストS。それに対し「中心地から遠くなく、そこそこ広くて、できれば路面店」とロマンチストM。議長の自分は「まだ粘ってみよう」と答えを出しません。もうお分かりかと思いますがこれは店舗物件を決めるための脳内会議。ネット上の物件情報をチェックしながら繰り広げられてきました。しかしなかなか決まらず焦りを感じていた2013年の暮れ、気になる情報を発見。それは半年前に一度内見しつつもビルの二階ということで保留にしていた物件でした。なんとそこの家賃が9000円も下がっていました。そのエリアは個人で始めたおもしろいお店や昔ながらの喫茶店があり、街の雰囲気は以前から気に入っていました。「やっぱりここしかない」と心を決めるためにも広島に向かいました。
最大の決め手は…
2014年二月中旬。改めて物件を見に行きました。味のある古いビルです。場所も市内の中心地から遠くないし、今まで見た物件のなかでも家賃は安い。そういえばB&BもON READINGもユトレヒトも二階。家主さんもいい人そうだし。と、脳内会議でほぼ決定しかけたとき「さらに家賃交渉できそうですよ」と不動産会社の方からトドメの一言。あのロマンチストMからも即決GOサイン。ということで当初より14000円も家賃が安くなり、これが決め手となりました。
高まる開業への現実感
物件の仮契約を済ませると今度はアンティーク家具のお店へ。そのお店が内装を手がけたカフェの雰囲気が好きで自分も内装をお願いしたいと事前に連絡していました。コンセプトをひと通り話すと「それならもっといい人がいるよ」と知り合いのデザイナーさんを紹介してもらうことに。後日、その方に仕上がりのイメージをCGで作成してもらったところ想像以上の出来映えです。内装の方向性が決まり物件の本契約も済ませると、開業に対する現実感が一気に高まっていきました。
「うつわ」も取り扱いたい!
場所も決まりひと安心…というわけにはいきません。「本」については二年間修行することができましたが、「うつわ」に関しては経験値ゼロ。以前からお店や陶器市で買い集めたりネットで展示会情報をチェックしていたのですが仕入れや販売については素人です。「ダメで元々!」と生意気にも自分の好きなうつわ作家さんに店舗資料をメールしてお願いしたり、個展やアトリエに伺って直接想いを伝えました。断られることもありましたが本とうつわの組み合わせや内装後のイメージに興味を持ってくれた作家さんから快諾してもらうことができました。
オープンまであと少し
そして2014年四月。広島に帰ってきました。現在は集めた古書に値札をつけたり、発注した書籍や雑貨を受け取ったり、お取り引きメールをしたりしています。店舗は先々週より内装工事が始まり六月初旬には仕上がる予定です。オープンまであと少し。次回は「本屋はじめるつもりです」と話すと同じような質問をされるので
Q&A形式でまとめてみます。(つづく)