独立書店をはじめ、本に関わる様々な人たちに小泉今日子さんが話を聞くPodcast番組「ホントのコイズミさん」。
僕も出演させていただいた番組でめちゃくちゃ面白いのだが、その1回目でゲストのカウブックス、オーナーの松浦弥太郎さんがこんなことを話していた。少し長いが書き起こしてみる。
松浦弥太郎さん 僕29くらいで古本で本屋を始めたんですよ。でもその頃っていうのはみんながやりたい職業じゃなかったんですよ古本って。
で当時はね。80年代の終りだから結構レコード屋とか古着屋とか。若い人たちは。古本屋はかび臭くて全然モテナイ職業だったんだけど、たまたま僕はアメリカに行って、自分の中には完成形が見えていて、日本でこういう本屋があったら絶対いいなと思っていたんで、自分ひとりでもやろうと思って、そのときなかったから。
だからキッカケにはなりましたよね。それで僕らのやっている本屋に刺激を受けて、本屋を始める人が増えて、(いまでは)カウブックスよりクオリティ高い本屋がいっぱいあって、でもそれは嬉しくて、若い人が選択肢として本屋になろうって、みんなが選択肢に入れてくれたっていうのはすごい嬉しい。
ホントのコイズミさん #1 本にわくわくした⻘春時代、時を経て今思うこと。 23分ごろから
『本の雑誌 2021年5月号』に書いた「独立書店年表」では、年表の始まりを1986年ヴィレッジ・ヴァンガードの開店にしたが、本屋が「なりたいもの」のひとつとして若者の意識に上ってきたのはもしかしたら、カウブックスのオープンからなのかもしれない、と思った。