久しぶりの本屋探訪記第32弾は「天牛書店 天神橋店」(以下は2011年10月11日の記録である)。
まとめ
まず、時間の無い方のために手短にまとめたものを書いておく。
- 品揃え:大判本が充実。アート系、社会・思想系も強い。100円均一コーナーに良書が多い。
- 雰囲気:老舗とは思えないキレイでお洒落な店内。BGMのジャズもsり、落着いて本を選べる。
- 立地:天神橋筋商店街の中。最寄り駅から5分くらい。立地は良いだろう。
いつだったか『二匹のゾウ』の店主から教えてもらった古書店。安くて良いのがあるらしい。『これは行かないと!』って思って1ヶ月後に行った。天神橋筋って大阪からだと行きにくいのね。中崎町から徒歩で20分以上かかったよ。今度から電車で行こう。
大阪府大阪市北区天神橋3-7-28tel : 06-6242-0155
■営業時間
11時~20時(年中無休)
(日、祝は19時まで)
URL:http://www.tengyu-syoten.co.jp/
Blog:http://d.hatena.ne.jp/tengyu-tenjin/
Facebook:https://www.facebook.com/pages/%E5%8F%A4%E6%9B%B8%E5%8F%A4%E6%9C%AC-%E5%A4%A9%E7%89%9B%E6%9B%B8%E5%BA%97-Tengyu-Bookstore/201144393228992?sk=app_4949752878
店舗外観と店内の雰囲気
それでは店の様子を外見から。まず、表に100円均一のワゴンが2つ。このワゴンは手前が文庫、奥がハードカバー。ワゴンは二段になっていて、下段には雑誌や箱本など大きめの本が置いてあった。
店に入ると老舗なのに意外とキレイで、まるで新刊書店のようですらあることに驚かされる。お客さんもたくさんいたようだし、改装に回すお金があったのだろう。流れているBGMはジャズで、普通の古本屋のようにラジオや無音ということはない。本格的な古本もあるのに入りやすい雰囲気なのだ。何十年も続いていることに納得できる店づくりである。
レイアウト
8畳ほどの店内は、壁沿いの本棚、中央の1列の本棚、手前のワゴン、そして入り口すぐ右手のガラスケース、レジカウンターといったレイアウトだ。
棚を見ていこう。すぐ右手にあるガラスケースの中には『大人の絵本 千夜一夜物語』や『ヴィラ・マイレア』『美しき学校』『アップルパイの午後』など、高めのアート本が並べられていた。その隣にはスチールラックが置かれ、こちらは『つげ義春集』や『黄金バット』『白土三平論』、手塚治虫の本など、マンガ関係の本が並べられている。その隣には鉄のラックが垂直に置かれておりマンガ関係の本が並べられている。『つげ義春集』や『黄金バット』、『白土三平論』、手塚治虫の本などだ。
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この隣がレジとなっており、中では店員が何やら作業をしている。全員で3人。若い男女と妙齢の女性が棚整理をまめにしていた。もちろんレジの奥にも本が面見せと棚刺しでいっぱいである。上述したように内装はキレイだが空いているところに本が積まれているところなど古本屋っぽい。だが、もちろん通路にははみ出ていないのがさすがである。
老舗と言っても良いくらいのお店なのにキレイなのは改装したこともあるのだろうが、整理整頓にも気を遣っているのかもしれない。そして、店員のお姉さんがキレイだった……。
入って左手の壁棚と突き当り
入ってすぐ左手には、新刊書店であれば雑誌が並んでいるような棚に、これまた新刊書店で並んでいそうな最近の雑誌ばかりが面陳で並んでいる。その隣は主に思想書や社会系の本が多い棚が2列分。『日本文化の記号学』や『アジアンジャパニーズ』『メンズリブ批評』『シンセミア』などが置かれ、洋書も少し。また、足元の平積み台には大判本が並ぶ。
その隣の棚はまたガラスケース。中には『大阪物語』や『傑作探偵小説集』『美しき氷河』など高い本が展示されている(もちろんすべて古書だ)。値段帯は5000円から5万円ほどだったと思う。
ここから奥はすべてハードカバーの棚。緩やかにジャンル分けされており、手前から次のような棚となっている。
- 海外文学が一列(『グノーシスの薔薇』『星の王子さま』など)
- 本の本と最近の日本文学で一列(『海辺のカフカ』、『偽書百選』など)
- 近代文学日本で一列(『芥川龍之介の夢』や『翻訳百年』、『昭和文学史』、三島由紀夫の本など
- 詩(海外含む)で一列(萩原朔太郎や『古今和歌集』、『カフカ序説』、ラフカディオ・ハーン、『ユリシーズ』など
- 海外の歴史で一列(知の再発見双書6冊や『緑の世界史』、『アーサー王伝説』など)
- 日本史で一列(『宮本武蔵のすべて』、『高杉晋作の生涯』、忍者についての本、江戸幕府についての本など)
- 民俗学で一列(芸能史、地域史、宗教(海外含む)、『ベッドの文化史』、『傘の文化史』など)
- 思想(海外含む)で一列(『聖賤記』や心理学の本、フーコーの本、科学読み物など)
- 辞書と語学本、思想、科学が最後の一列(『未来のアトム』や『四次元の冒険』など)
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突き当りには腰のあたりまでの棚が二列あって洋書の大判本があった。
通路真ん中の棚とワゴン
次は来た道を戻って中央の2段ワゴンと本棚を見ていこう。ここには大判の洋書と日本の本が置いてある。『日本の祭り辞典』や『ビジュアル日本江戸時代』『聖書画集』などで、足元の下段には全集モノの箱本が置いてある。
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奥の本棚、向かって左側の通路(今までいた道だ)は6列。手前から「実用書(社会・経済)」「実用書(趣味・生活)」「旅、紀行」「戦記、スポーツ」の棚となっており、残りの2列が新書となっている。『成功の方程式』や『天皇の戦争責任』『オバマ自伝』『日韓インテリジェンス戦争』『社会派くんがゆく!』『パリ感覚』『晴れた日は巨大仏を見に』『ランスアームストロング』『人間 山本五十六』などが並ぶ。
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これでまた突き当たりに至る。今度はワゴンの向こう側、中央本棚の向かって右側の通路から見た面を見ていこう。
こちらの面は6列すべてが文庫。手前4列が講談社学術文庫、岩波現代文庫、ちくま文庫、そのほか、日本の小説と雑学など。奥2列は岩波文庫と海外の小説と歴史の本が少々。
店内右手の壁棚
振り返って右側の壁棚を見てみよう。この棚も大まかにラベルで「食・料理」や「児童書」「歴史」などにジャンル分けされている。大判本や絵本は下段に置かれ、上段は下段とは別の流れで構成されている。手前から個条書きで見ていこう。
- 文化と歴史の本で2列(『古代の発明』『出雲の歴史』『スパイの歴史』『土の文明史』『間違いだらけの少年H』など、下段は絵本や食の大判本)
- 趣味・生活の本で1列(下段は上に同じ)
- 映画と音楽、古典芸能が2列(『立川談志独り会』や『ゴダールの全映画』『ビリーホリデイ物語』『ジャズ入門』『能狂言の文化史』など、下段は関連の大判本)
- 美術・芸術、建築で1列(『ピカソを読む』『ナガオカケンメイのやり方』『この先の建築』など、下段は洋雑誌)
- 途中の棚が雑誌・大判本の面陳用什器となっていて、ジャンルは美術と音楽(『江戸切絵図』や『ガラスの楽しみ』、雑誌『ユーラク』など)
- その奥は普通の本棚に戻ってジャンルは書道陶芸・日本美術で1列(『陶芸入門』『北斎万華鏡』、岡本太郎展のパンフレットなど)
- 最後2列が美術やアート系の大判本(『現代パリの幻想画家たち』や美術展覧会のパンフレットなど)
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オシャレヘビーな古書店
これですべて見て回ったことになる。最後に、長居したお礼に(と美人の店員さんだったのでw)と表のワゴンから5冊ほど本を購入して帰路についた。
最後に、天牛書店 天神橋店の印象を挙げていく。
- 全体的に状態がよく、しかも面白そうな本が多かった
- 店内がしっかり整理整頓されており、通路の邪魔になるような本の置き方がされていない
- 古書店なのにジャンル分けをして分かりやすい棚にしようとしている
- お客さんに優しい古書店であると感じた