本屋探訪記第8弾は、京大前の古書店「井上書店」だ(2011.4の記録)。
まとめ
まず、時間の無い方のために手短にまとめたものを書いておく。
- 品揃え:割と僕好み。
- 文庫が豊富なこととサブカル、幻想文学があり知の再発見双書、出版関連の本があったことが嬉しかった。
- 雰囲気:ヤニ臭さが気になったが、他については、内装は新しいし古書店にしては整理されているしで悪くない。
- 値段:どれも普通。大体、定価の半額から6割くらい。
- 立地:近隣住民と学生には行きやすいがそれ以外の人にとっては遠い。他の京大前の古書店と同じ。
- 備考:同名のお店が多いようだけど、京都の井上書店はあまり知られていないみたい。なので、ヤフー地域情報だけ。
TEL:075-781-3352
アクセスとレイアウト
先日のガリア書房を左手に見ながら、5分歩ほど歩くと左手に入口が前面ガラス張りのテンポが見える。それが「井上書店」だ。
店舗の真ん中から店に入ると店主が煙草を吸うのだろうか、ヤニ臭さが目立つ。内装は結構綺麗で片付けられている。店の形は横長の長方形で真正面にカウンターがあり中では店主と思われるおじいさんが作業。棚は店に入って左右に2本、外側を向いた棚が一本、壁は全て棚でカウンターの左横に狭い空間。そこには雑然とした形で本が置かれている。
品揃え
入ってすぐ左手の本棚と店舗左辺の壁棚
さて、品揃えを見て行くと店に入って左手の棚には文庫が棚3つ分並べられてあり床にも文庫が平積みされている。ジャンル分けは特にされていないようだ。
カウンターを横切って左手の棚の裏側に回っていくと岩波文庫と新書がある。岩波文庫は古いのが多めで棚1つ分、棚2つ分が新書となっていて古い講談社現代新書が多い。突き当たりから右手の店の壁に当たる壁にはハードカバーが並べられており、歴史や経済、理工書があった。
カウンターの左横から奥に入れそうだったので行ってみると、壁の棚と正面には箱詰めにされたり、平積みにされた形で、理工書と京都の歴史、洋書、古い地図、講談社ブルーバックスがあった。
店に入って右手の本棚と店舗右辺の壁棚
次に店に入って右手の棚を見て行くと小栗虫太郎や江戸川乱歩『幻影城』のハードカバーなど日本 文学、『チャタレイ夫人の恋人』の箱本など古めの海外文学、サブカル、音楽があり、こちらは床にハードカバーが平積みされていた。
また、カウンターを横切って入って右手の棚の裏側を見ると辞典と美術系、美術系雑誌、映画があり、突き当たりには世界史関連が。店の右手の壁に当たる棚にはキリスト教、思想、そのままカウンターの右横まで棚が続いておりここには心理学が。足元には雑誌「現代思想」が500円均一で売られている。
入口そばのギリギリスペース
これで全ての棚を見たと思い店を出ようとすると店と入口のガラスの間にやっと人一人が入れるくらいのスペースを発見。そこにも本が置かれていた(先ほどの右手の突き当たり、世界史関連が置かれていた棚の裏側にあたる)。都市伝説などサブカル本、映画、音楽(レコードコレクターズあり)、宗教、篆刻など渋めの趣味の本だ。
収穫 SFとサブカルの本棚
さて、これで一通り観終わったわけだが今回は収穫がいくつかあった。まず、先日の吉岡書店の本店にもあった知の再発見双書(「暦の歴史」が面白そうだった)があったこと。さらに、鈴木一誌という人による『ページと力』という面白そうな本が。また、漫画文学全集のセットがあり結構僕好みの品揃えだった。
結局、財布と積読本と相談して既に「2061年宇宙の旅」まで読んでいるという理由から『3001年終局への旅』を300円で購入。名残惜しい気持ちを残しながら店を出ることにした。
ここも先日の吉岡書店の本店と同じで、品揃えが僕好みであり、近くにさえあれば通いつめたいと思わせる古書店だった。京大前の古書店は良いな。店主が「不況で少なくなったのよ」って言っていたけど、昔はもっと多かったのだろうか、無くなってしまったことが惜しまれる。
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