グンマスターに連れられて群馬の素敵本屋を巡る連載「グンマーは秘境じゃない」。4箇所も訪れたので少し疲れてきた。そろそろ休みたいと勝手なことを言うと「じゃあここなら落ち着くよ」と教えてくれた。グンマスター氏は本当に良いヤツである。
- グンマーは秘境じゃない(1) 大人も子供も楽しめるブックフェス「たかさき絵本フェスティバル」
- グンマーは秘境じゃない(2) とにかく落ち着く家のような本屋「ふやふや堂 早政の土間店』
- グンマーは秘境じゃない(3) まだまだ攻める老舗絵本屋「フリッツ・アートセンター」
- グンマーは秘境じゃない(4) 縁が縁を呼ぶ。出店マスターsuiranの旗艦店「book stand レンズ」
第5弾は「珈琲と古本 THE GINGHAM」(以下、ギンガム)だ。
まとめ
時間のない方のためにまとめです。
- 品揃え:文庫が多め。店主の趣味のようだが他にはない品揃えのように見えた。
- 雰囲気:書斎カフェ。
- 立地:最寄り駅は北高崎。だが、駅からかなり遠いので車で行くことをオススメする。
営業日:土曜、日曜(月曜~金曜は不定営業) 12時ごろ~19時くらいまで
駐車場:1~2台
メール:gingham2014@excite.co.jp
URL:http://ging14.exblog.jp/
本と珈琲を静かに楽しむ
ギンガムは住宅街の中にある。基本的には車で来るような場所なのだが高崎駅からレンタサイクルで来る方法もあるそうだ。そんな立地だからか店内には静かなときが流れる。
店内に入ると正面と右手が古本のコーナーた。本が整然と本棚の中に収められている。
品揃えはというと、文庫が多めで主に人文系だ。ほかにも音楽や映画などカルチャー系の本もある。ここは具体名を挙げていった方が伝わるかと思うので多めに書こう。
『薔薇族編集長』、早川SF、小林信彦、坂口安吾、小田実、講談社学術文庫、カラーブックス、福武文庫、講談社文芸文庫、河出文庫、ちくま文庫、角川文庫、片岡義男多い、ビートルズ本、山口瞳、広告批評、金井美恵子、吉田健一、植草甚一、中島らも、森茉莉、寺山修司、から十郎、野坂昭如、中井英夫、澁澤龍彦、種村季弘、写真集も若干、大判マンガも、安藤忠雄、第三書館といったラインナップである。これにCDが加わる。
吉祥寺のバサラブックスをもっと上品にしたような品揃えと言えば分かりやすいだろうか。
本好きのための気楽なサードプレイス
それにしても、なぜ住宅街の真ん中にこんなイケてるブックストアがあるのかと店番をしていた方に聞いてみると、「店主が、本がある空間とコーヒーが好きで自分の趣味の空間として始めたそうだ。整然とした本棚も「本棚を綺麗に見せたいから」という想いからだそうだ。そんなものだから営業日も疎らで、土日と本業が大丈夫なときに開けているそう。
だが、ギンガムは趣味の空間だからと言って好みが合う人以外は受け付けないような間口の狭い店ではない。コダワリはそこそこなので敷居が低いのだ。曰く、「コーヒーは眉間にシワを寄せて飲むものじゃない」とのこと。
近所にあれば通いつめたい。そして、誰にも教えないでおきたい。そんな自分にとっての秘密基地みたいにできそうな、居心地の良いブックカフェだった。
つづく