なにかとお世話になっている下北沢の古本屋クラリスブックスさんがリトルプレスを出すとなれば仕入れざるを得ない! そして読まざるを得ない! ということでようやく読めたvol.1である。
開店当初に取材して映画が好きなことは知っていたけども(店に映画本コーナーもある)、本誌を読んで本当に好きなのだなあとあらためて思ったりした。
店主の高松徳雄さんのほかに同店の店員や音楽、哲学、アートに造詣のある人が執筆者に名を連ねている。
読んでいて僕は映画については知らないことばかりで何をとっかかりにして興味を持てば良いのかも分からない程度なので、読んでいて気持ちが良くはなるけれども映画についての文章という点での感想は持ち得ないのが勿体無いのだった。
そんなわけでコラムの方が読み応えがあるように感じられ、特に高松さんの「出張買取でのこと」という稿が素晴らしかった。まあこれは僕が本屋好きだというのが多分にあるとは思うけれども。
ほかの浜崎史菜さんの「「生産性」に抗うフェミニストアートを読む」も、谷口岳さんの「路上に見る不気味さと希望と」も面白く読ませてもらった。コラムの興味の方向性が今の僕の興味に合っているってことなんだと思う。