2020.4.8水
新型コロナウイルスについてはもう色々仕方ないのでワクチンが開発されるまで待つしかないという結論は変わらないと思うのだが、むしろこのことによって露呈した日本という国の貧しさが辛いというかなんというか。
良い意味で驚いたのが緊急事態宣言をしても外出制限は法律的にできず医療機関を除いて自粛要請しかできないということだ。二次大戦の経験から私権の制限にかなり慎重になっているからとのことでこれは素晴らしいことだと思う。
だが一方で自分も思ってしまったことだが、新型コロナウイルスを封じ込めるという目的達成のためには「自粛要請」では甘すぎる。早く緊急事態宣言をして外出制限をしてしまえ、という空気感ができていたことが気懸りで……というのも、言葉の使い方やらメディアの使い方までマイルドなナチス政権のようなことをやっている安倍政権に対して、もし現状の緊急事態宣言では足りないから罰則付きの外出制限をしろ、という世論が出来上がる可能性があるということだ。私権の制限をどさくさ紛れに許してしまうような形で、ナアナアに、なんとなく、空気の流れるままにそうなってしまう可能性はまあまあ高いのではないかと思ってしまう。
店を運営しているから分かるけども補償も給付もない状況で閉めるという判断は難しい。うちの場合はサブスクリプションモデルなので三密を確実に避けられるという理由もあり開ける判断をするが、通常の小売ビジネスのモデルでは補償と給付がなければかなり厳しいはずだ。
政府に対して権限を市民が持たせているのはこのような緊急時を含めて全体としての判断を求められるときに個人よりも適切な判断をしやすいから、というのが僕が政府に求める機能だけれども、その観点からすると、現状では補償も給付もせず自粛を要請する(この言葉もおかしいけども)というのは明らかに責任を放棄しているように思ってしまう(政治については不勉強なのでそういう印象を抱いているという程度だけども)。
そんな立場の僕としては、次の一手は建て付けはとにかくとして補償的な給付的なものを行う以外にはないように思えるしそれが自明だとすら思うのだけれど、「新型コロナウイルスを抑え込むこと」の一点を目的とした場合、私権の制限に踏み込む可能性は大いにあり得ると思うんだ。
今日、「世論には原理原則がない」と書かれた記事を読んだけれども僕にとってはそれは納得感のあるものでTwitterを見たり実家の家族と話していると本当にそう思う。
そして、政治は市民の延長線上にしかないと僕は思うので、現政権に原理原則がなく、知性も感じられないということは、イコール全体としての選挙権を持っている人間もそういう性質を持っているというだと思っている。
とはいえ、いまの政権を生んだのは何年か前に投票した人たちなわけで、僕でもなければ友人でもない。時間的にも空間的にも隔たっていて。それは間接民主主義だから当たり前だけれども、ということはこれからいまの日本社会を変えるためには安倍政権が10年弱政権にいたことを考えると同じくらいの時間が必要になってくるだろうと予測できる。
気の遠くなるような話だけれども、そういえば現実はいつだって過酷で残酷なのだから、どうにかやっていくしかないのである。
"現状は依然として最悪だがまあこんなものだ。あきらめずに受け入れるその匙加減が難題。"
敬愛する吟遊詩人・小林大吾氏の曲『手漕ぎボート』のこの一節は常に僕の心の指針である。
2020.4.9 木
朝9時起床。ヨーグルトとメカブとコーヒー。散歩しつつ近所のパン屋兼喫茶店でモーニングをとる。
緊急事態宣言について。倫理的には外に出ないことは正しい。しかし経済的には外に出たり店を開けないと生きられない。これを解決する手立ては休業補償をすることに尽きる。ところが現政権はそもそも人権を軽視した憲法改正を行おうとしている。今後起きそうなのは私権の制限が合理的であることを声高に言うことだろう。そのあとは実際に私権の制限を成立させ、憲法改正……いま外出している人のことを「信じられない」と考えている人ほど「いまは仕方ない」とそのことに賛成する可能性が高く思える。
なぜならそれが倫理的には正しいからである。ウイルスの封じ込めが早いほど経済が回復しやすいとなれば尚更だ。
危機には体制の刷新が起こりやすいと聞く。もしそうやって刷新された後の体制が安倍的な日本会議的なものになるとしたら……身の振り方について本当に考えないといけないなあ嫌だなあ。
全然関係ないけど、僕がアニメを好きな理由は声と絵面の部分が大きいんだなあなんて思った。脚本に破綻がない方がもちろんよいけどそれよりは絵の気持ちよさ音の気持ち良さを求めているんだなあと思った。
昼に接骨院に行く。ゴリッゴリにやられて揉み返しが痛い。足の筋肉の硬さがこんなに悪くなるとは思わなかった。
そのあと確定申告に行く。チャチャッと終わった。こんな状況下で申告事務をしている署員の人たちには感謝だなあ。
妻と合流して池袋の街の様子をざっと見て回ったあと、若貴で回ってる寿司を食べ帰る。揉み返しのせいでえらく身体がだるい。帰って横になりつつ『オーバーロード3』を見直す。こういう気分の時は見たことのあるアニメを見てしまう。癒しなんだろうなあ。読書できるようにしていきたい。
夕飯は家。ポトフなど。『戦争は女の顔をしていない』のコミック版を妻に勧められて読む。抑制が効いた語り口に好感が持てた。
0時半過ぎに寝た。
2020.4.10金
9時半起床。寝坊した。謝って10時からの電話取材を1時間ずらしてもらう。TKG、ヨーグルトなど食べ店へ。快晴である。
(と書いて、ここで書くのをやめてしまったらしい)