本屋探訪第30弾・渋谷のフリーペーパー専門店「Only Free Paper」(2012年7月現在でこの店舗は閉鎖。渋谷パルコに移転しています。以下の地図は移転後の場所。2013年8月11日にそこも閉店。)。
まとめ
まず、時間の無い方のために手短にまとめたものを書いておく。
- 品揃え:全国津々浦々のフリーペーパー・フリーマガジン。但し、最新号のみ。スペースに限りがあるので多分入れ替わりが激しいはず。
- 雰囲気:リラックスできる。
- 立地:原宿キャットストリートなので問題はなし。
URL:http://onlyfreepaper.com/
Facebook:https://www.facebook.com/onlyfreepaper?sk=wall
Twitter:https://twitter.com/OnlyFreePaper
オンリー・フリーペーパーとは
渋谷から原宿に向かうキャットストリートの渋谷側の隅に、ショップでも飲食店でもない一見何を売っているのか分からないガラス張りの店舗が見える。これが「Only Free Paper」だ。
2010年にオープンしたこの店。何と全国のフリーペーパー・フリーマガジンしか置いていない店なのだ(昨年、話題になっていたので知っている人は知っているとは思いますが…知らない人もいると思うのではじめから紹介します)。
以前紹介した大阪・中崎町のジン専門店「Books DANTALION」さんのお金を取らない版とでも言えばよいのか。いやまあ、つまりは小部数雑誌の専門店ってことだけれども…。
この「Only Free Paper」。「フリー」なので置いてあるものはもちろんタダ、無料!「全国津々浦々(海外含む)のフリーペーパー・フリーマガジンが渋谷にいながらにして読める!」「そもそもフリーペーパーだけでどうやって採算とっているんだ!?」ってなわけで開店当初から話題が絶えなかった店なわけだが、もちろんいくつかルールがある。
まず客側としては「持ち帰れるのは一種類につき一冊まで」という条件。発行側としては以下だ。
- 「アダルト、求人誌、通信販売の取り扱いは不可」
- 「フリーペーパーを送るときは送料負担してね」
- 「扱うのは最新号のみ」
- 「展示方法は店が決める」
今までで初めての業態なのでルールを決めることは非常に大事で、機能しているように見えた
(詳しくは後述する備考リンクのホームページを参照してください)。
様々なフリーペーパー 「フリースタイルな僧侶たちのフリーマガジン」って!?
さて、ここからは、店舗について紹介していこう。まず、前面ガラス張りの左側のガラス戸を開けると、店内は6畳くらいのスペース。木製の床とアンティークな雰囲気の棚に囲まれて何となく懐かしい気分になる。きっと木の匂いがそうさせるのだろう。
レイアウトは入り口から入って正面に大きな平台。ここに平積みで30種ほどのフリーペーパーがある。「碁的」や「マイキョート」など趣味性の強い雑誌を集めていることが分かるのだが、その中でも『フリースタイルな僧侶たちのフリーマガジン』が印象的だった。…僧侶がフリースタイルとか…気になりすぎるだろ!! 当然のように持ち帰る。一通り読んで友人にあげた。寺社コンは熱かったなあ。
フリペ図書館 風とロックがあったよ!
平台の奥には金属で円形の什器がある。『タイムマーケット』や『岡山カフェアートブック案内』、『JIMORE』などここは地方紙がメイン。この什器の奥にはイスがあって、その正面突き当りの壁に棚が三つと右の壁にも棚一つがある。ここの雑誌は「フリペ図書館」となっていて閲覧のみらしい。
気になったのは以下。
- 『鉄道のフリペ083』
- 『ロスのライフスタイルフリペ38jimes』
- 『マンスリーどうぶつえん』
- 『フランスのマンガ文化雑誌MOET』
- 『東京シェア生活』
- 『週刊 風とロック』
特に『週刊 風とロック』ではBRAHMANとEGO-WRAPPIN’の回があって非常に良かった。椅子に座って熟読しちゃったし。
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女性向けのフリーペーパーなんてあるのか
それはとにかくレイアウトの紹介に戻ると、入り口から入って左側の辺には棚が3つに店番の店員さん用の机、その隣にハンガーがあって見本用のフリーペーパー。ここで気になったのは『ブルーノート東京』など音楽系と『ビーナス』など女性向け雑誌。特に女性向けは驚いたな。今まで勝手に女性向けフリーペーパーは無くてもっとニッチな領域だけなのかと思ったけれども思い込みだったみたい。
入り口の右側、通りに面したガラスに沿って棚が一つあるのだが、この棚は面白くて10cm四方くらいのスペースにガラス戸が付いていて外から見れるというコレクション棚みたいな作りになっている。中身は『奈落レアリスム』など一見何が書いてあるか分からないようなものばかり。こういうのを店頭にもってくるとか…攻めるなあ。
小学4年生の新聞 金岡新聞の展覧会
で、その奥の角に小さな平台が一つある。ここは『すろーらいふ』や『わんにゃんウォーカー』など割とポップな感じ。その隣、入り口から奥に向かって店舗の右辺には掲示板がある。
貼り付けられているのは「みんなの笑顔 金岡新聞展覧会 金岡陸くん小学四年生の新聞 一年半の歴史」。
何と小学4年生が発行している新聞を貼り付けているらしい。小学4年生出ってのもすごいが、それで特集を組むというのも凄い内容は、竹とんぼの作り方やその日のニュース、天気、近所の人の自己紹介などなど僕らがネット上で行っているブログを新聞でやっている感じだ。小学4年生だなあ、と思わせる字がなんだか微笑ましかった。
フリーペーパーが気軽に見れる居心地の良い空間
これで、「Only Free Paper」は全て見て回った。
売り物じゃないからなのか、店員さんもゆるーい感じで、椅子もあるし、非常にリラックスできる良い空間だったと思う。とりあえず今回の収穫は間違いなく『フリースタイルな僧侶たちのフリーマガジン』だ。『BRUTUS』の仕事術特集でも見たけど、最近僧侶さんは凄いのね。
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