本書にも出てくるサジョクイン書店のジョン・ジヘさんと初めて会ったのはいつだったろうか。
いつものようにBOOKSHOP LOVERの更新を続けていたあるとき、ひとつのメールが舞い込んだ。
本屋を開きたい。参考として日本の本屋をまわっていて、日本の本屋を韓国に紹介するような仕事もしていて、BOOKSHOP LOVERが個人的にとても役に立った。そこで、来日の際に会えないだろうか?
たしかそんなような内容だった。Gmailを検索してみると2016年1月とある。そんな前だったのか。神保町のブックカフェ二十世紀で有意義な時間を過ごした。
それから韓国の本屋事情についてとても気になっていた。台湾についてはこのサイトでも書いたように一度行っているが、韓国は一度もない。しかも、台湾は漢字表記(繁体字)だから読めばなんとなく意味が分かるがハングルはまったく分からない。
本の取材・執筆などもあって未だ行けていないのが悔しい限りだ。そんなことを思っていたら本書が出たというわけである。勝手に先を越された気分である(内沼晋太郎さんたちは、ぼくがジョン・ジヘさんと出会う前に『本の逆襲』の韓国語版出版記念で韓国に行っているので、まったく完全に勝手に僕が悔しく思っているだけだけど)。
本書は内沼晋太郎さんと編集の綾女欣伸さんがソウルの本屋や出版社の人に会って感じた様々なことを、少しの興奮と共に伝える一冊である。
ひと言で言ってとても参考になる本だった。本書にも何度も出てくるように、韓国の市場規模からなのか人の気性からなのか彼らの「とりあえずやってみる」という姿勢から生まれる、試みはどれも刺激的で、今日からでも真似したいと思わせるものばかりである。
双子のライオン堂と一緒に企画運営した「本屋入門」でも、「日本の本屋は実験が足りない」という話をよくする。本書を読むと、そう言っている自分さえもまだまだ頭が硬く行動が遅いことを思い知らされた。
かなりの数の付箋を貼ったので紹介しきれないが、「これはやりたい!」「気になる!」と思ったものを一部紹介する。
「本屋散歩・ソウル」
ソウル市とTHANKS BOOKSとの共同プロジェクト。新旧の道を見て回れる「本屋の道」市内にを11か所考案し、市民に提案。散歩ツアーも開催して書籍化。サイトと連動して本屋ブームのアーカイブ化の街の本屋の活性化、市民との情報共有を兼ねる。
⇨BSLでこれからやりたいことのひとつを、そのままやっている! こういうことを各地でやりたい!!
『Magazine B』の日本語版
⇨どこか出版社さん、早く出してください!!!
アラジンの「ブックカレンダー」「本年表」
作家や著名人の誕生日と彼らの情報・関連書籍をサイト上で一覧・検索できるようにした「ブックカレンダー」
紀元前9999年から現在までの年表上に韓国・世界の重要な事件・人物のすべてをキーワードとして並べ、事件や人物の紹介と関連書籍を一覧・検索できるようにした「本年表」
⇨これは本が好き!というかフライングラインとしてやれないかなー。
『Street H』
年代別に街の姿をサイトの地図上に表示する
⇨本屋版をやりたい!
ブックノマドの学校×出版
⇨活かせることないかなあ。(そういえば「本屋入門」の第2期は冊子にできていないんだよな)
「BOOKTIQUE」=ブッククラブ(読書会みたいなの)中心の本屋
⇨ある意味、双子のライオン堂みたい(笑) 規模もコンセプトも違うけど。
「wit n cynical」の項より
韓国ではInstagramに気に入った詩をその詩集と一緒にアップするのが20-30代の女性に流行っているとのこと
⇨とりあえずやってみるかな。どうかな。
『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』という本を出します!
出版記念イベントも行います!