グンマーは秘境じゃない(10) 受け継がれる物語「本の家」

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グンマスター氏と群馬の素敵本屋をめぐる連載「グンマーは秘境じゃない」。

「敷島。本の森」の自由さは本当に気持ちの良いものだった(詳しくは前回の記事を参考にしてもらいたい)。夜はゲストハウス「灯り屋」に泊まり、2日目はここ「絵本と童話 本の家」である(2016.5.15の記録)。

まとめ

時間のない方のためにまとめです。
  • 品揃え:絵本と児童書、おもちゃ
  • 雰囲気:喧親子で訪れたい本の家。
  • 立地:住宅街の中(こちらも来るまで行くことをおすすめする。もしくは近所に住めたら一番良い)
群馬県高崎市中居町4-31-17
営業時間 10:00~19:00 水曜定休日
TEL 027-352-0006
FAX 027-352-4613
URL:http://honnoie.sakura.ne.jp/

本の家を継ぐ

本の家の経営もしており「時をつむぐ会」の代表でもある続木さんが本の家を始めたのは33年前。元々はお客だったのだそうだ。それが会社を辞めたタイミングで本の家に携わることになったという。当初は絵本が特別好きというわけではなかったというのがおもしろい。それでも「絵本とはじめて出会ったこの本の家を続けるため」に関わることに決めたという。確かにはじめて本と出会った場所というのは大切なものだ。自分の場合は小学校の図書館だったろうか。いまでも本棚の前でワクワクしたことを覚えている。
ところで、一回目の群馬ツアーの際にたかさき絵本フェスティバルを訪ねた。はじめて絵本の原画に出会って感動したのだが、なんとこの原画展を1995年から22年間(たかさき絵本フェスティバルは2015年から)開催しているのが、続木さんが代表の時をつむぐ会だという。

嬉しくなってさらに話を聞いていくと、原画展をはじめた当時はほかに絵本の原画展をやっているような場所もなく繁盛していた。エリック・カールを呼んだときなどは18000人もの来場者がいたそうだ。

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これが2014年頃から出版社なども原画展をやるようになり行き詰まりを感じる。そんなときにブックディレクターの幅允孝氏と出会い、いまの「たかさき絵本フェスティバル」という、間口を広げ若者も来やすい形に変えたとのこと。まさにその戦略にハマったのが前回の自分だということである。こういう楽しい仕掛けにハマるのであれば何度でもハマりたい。ちなみにフェスティバルのロゴはスロバキア在住の降矢ななさんに書いていただいたそうだ。エリック・カールといい絵本がつなぐ縁を感じる。

情熱で生まれたケルナー広場

さらに話は止まらない。もう何年前だろうか。カッパピアという施設が話題になったがそこがいまはケルナー広場という公園になっている(2016年5月時点で一部開園)。ここにある遊具はあのケルナースティックのケルナーさんが作ったというのだが、なんと続木さんがドイツまで乗り込んで製作依頼をしに行ったのだという。なんという情熱。フリッツアート・センターの小見さんもすごいと思ったがここにもすごい人がいた。これだから群馬は侮れない。

本棚紹介

続木さんのお話をもっと聞いていたいが、そろそろ本棚も気になってきたので見て行こう。

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空間は左右に広い長方形で、やや左手に壁がある。左奥にレジと事務スペースへの通路。事務スペースは壁の向こう側の位置にあたる。本棚は壁沿いのすべてと中央に2列。子供に威圧感を与えないためだろう。そんなに背が高くないのはさすが絵本店だ。

品揃えの紹介に移る。入ってすぐ左辺には『世界の夢の本屋さん』が1,2,3巻あったりなど、親御さん向けの本もしっかりある。そのほか子どものことを考えた健康グッズもあり、おもちゃも売っている。

右辺はすべて子ども向け。奥に行けば行くほど歳上の子供向けになっている。手前から何歳向けか分かりやすいサインがあるのも嬉しい。参考までに書名をいくつか挙げておこう。『わらべうたの絵本』、『くつくつあるけのほん』、『おひさまあはは』、『わにわにのおふろ』、『もりのおふろ』、『ねないこだれだ』、『999ひきのきょうだいのおひっこし』、『日本の昔話』、科学漫画サバイバルシリーズ、『羊と鋼の森』、荻原規子、『せかいいちの名探偵』、『バッテリー』、岩波少年文庫、ピーターラビットの絵本、『真夜中のパン屋さん』、『聞く力』、『食堂かたつむり』、『坊っちゃん』

思ったより多くなってしまった。こんな風に2歳くらいから小学6年生くらいまでなら楽しめる棚となっているのだ。

唐突だが、看板犬のキリコちゃん14歳。出迎えてくれる。

唐突だが、看板犬のキリコちゃん14歳。出迎えてくれる。


親子のための本の家

前橋で絵本を選ぶのがフリッツアート・センターだとしたら、高崎で絵本や児童書を選ぶならここ本の家である。歴史も想いもちゃんとある。「子供」を軸に世界に開かれたこの本の家は子供のための物語を次世代に受け渡す場所なのだ。

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