本屋探訪記vol.109:「EXLIBRIS(エクスリブリス)」でモノとしての本の良さを感じる

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清澄白河は本の街である。そう思ってまとめた清澄白河本屋地図。本屋探訪記では今までしまぶっくとsmoke books 清澄白河店を紹介してきた。三店目がここ、EXLIBRIS(以下、エクスリブリス)である。

まとめ

時間の無い方のためにまとめを。
  • 品揃え:旅を中心に読みやすい本が多い印象
  • 雰囲気:趣味の良いアンティーク店
  • 立地:清澄白河駅を降りて、深川資料館通りを現代美術館方面に真っ直ぐ10分ほど。smoke books 清澄白河店のすぐ近く
東京都江東区三好3-10-5 1F
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜日
TEL/FAX:03-5875-9740
Email:info@page-exlibris.jp
URL:http://www.page-exlibris.jp/

店名の意味は?

エクスリブリス。かっこいい響きだ。こうRPGで秘密のダンジョンの鍵になるアイテムのような……。話が逸れた。本サイトの読者ならもうお気づきかもしれないがエクスリブリスは蔵書票という意味である。
愛書家が自分の本であることを示すために貼る小さな芸術品。その価値の高さから紙の宝石とも呼ばれるものだ。そんなものを店名に掲げるだなんて。まさに本好きのための店ではないかと入る前から期待で胸が高鳴ってしまう。

古本はアンティークでもある

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店舗の佇まいは悪くない。暮れなずむ街に中から漏れ出る光がその雰囲気を醸し出す。
中に入ると、驚いた。
本だけかと思ったらアンティークも多い。しかもどれも欲しくなるような素敵なものばかり。カウンター横の謎の彫り物など衝動買いしたくなってしまうほどだ(もちろん留まった。奥さんに殺されてしまう)。
そうエクスリブリスはアンティークの中に本が並んでいるのだ。いやむしろ本もアンティークのひとつと考えているのかもしれない。根津のツバメブックスを思いますが、あそことは違ってゆったりとした店内だ。古本もアンティークも好きな叔父の家に遊びに来たかのようである。

店舗詳細 右辺

さて、ここからはザッと書名について見ていこう。
店舗入って右辺から回っていく。

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まず、はじめに見えるのは古い脚立。ここには『家畜人ヤプー』や平山夢明『DINER』などコミックである。ガラス棚の中に『ロンググットバイ』と『旅する力』。横にティーカップ。古いトランクの中には岩波文庫。『書物の旅』、『私の岩波物語』。
壁には打ち付けの棚が交互にあり視線にリズムをもたらしている。さらに足元にも棚がいくらか。山口瞳や金井美恵子、池田満寿夫など日本文学に『ナルニア国物語』、『オズの魔法使い』など児童文学が打ち付け棚。足元には『別冊太陽』や『イラストレーション』など大判雑誌とジョン・アーヴィングなど海外文学である。
奥には腰くらいの高さのタンスだろうか。これの上に食器と海外の絵本だ。
突き当りがレジである。

店舗詳細 左辺

入り口まで戻って今度は店舗の左辺を見てみよう。
用途のわからない謎の雑貨と本が同時に置かれている。あったのは『日本百名山』、『極限の民族など山や自然の本。ということはこの雑貨もアウトドアやサバイバルに関するものなのだろうか。
この横にはオシャレ本棚の代名詞。縦置き本棚である。コミックが積まれているが、これ、いつも思うけど書店が横になっちゃうし使いにくくないのかな。まあ良いけど(笑)。 オシャレ本棚の次に来るのがエクスリブリスで一番大きな作り付けの本棚である。
下部には面陳用の本棚もあり。作り付け本棚にはハードカバーばかりである。旅や町歩きの本を中心に、なぜか須藤元気『幸福論』があるのが面白い。
横の柱にも作り付け本棚だ。次のデザイン・アートの本と今までの旅・町歩き本が混ざっている。
柱の奥にはデザイン・アートと音楽の本。『アート・ディーラー』、『すみれ強迫』、『もうひとつのJAZZ名曲名盤』、山下洋輔などの品揃え。

最後の最後。左辺も終わり店舗正面のレジ隣には食器棚と…これはなんだろう。謎の木製オブジェが天井から吊り下がっている。どいうことだろうか。とにかく素敵なこの佇まい。ファンタジーの中から出てきたような造形。正直、本よりも何よりもこのオブジェが一番印象的だった。欲しかったなあ。

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古いものは惹かれ合う

エクスリブリスに来て気づいたことがある。先にも挙げた谷根千のツバメブックスに行った際にも僅かながらに感じたがそのときは気づかなかった。
それが何かというと古いものは惹かれ合うということだ。アンティークと古本。よくよく考えてみれば同じ古いもの同士、なぜ一緒に売る店が少ないのか不思議である。
そこにはあるものは時代を経てきたからこそ獲得できる特別な雰囲気である。この雰囲気が心地良いと感じる人は多いのではないだろうか。
ウェブや電子書籍の議論の際に紙書籍について語る場合、その優位性のひとつにモノであることが必ず語られる。
「モノとしての本」。
同じモノ性を持つアンティーク家具に囲まれながら考えるとあたらしいアイデアが生まれそうだ。
エクスリブリス。一度は寄って欲しい店である。

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コメント

  1. 大西信之 より:

    「よるのひるね」でお会いした大西です。
    カッコイイサイトですねえ。
    神保町に住んでいるので、古本屋は好きです。

  2. wakkyhr より:

    大西さん
    コメントありがとうございます!
    実は土曜日に神保町の古書店に取材に行きます。今からとても楽しみです。

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