本屋探訪記vol.27:京都一乗寺にある独立系書店の最高峰「恵文社一乗寺店」

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これで来るのは3回目。河原町からのアクセスが悪いこともあって、なかなか足が伸びないんだよなー。本当に近所にないことが残念。というわけで、本屋探訪第27弾は京都左京区一乗寺にある有名書店「恵文社 一乗寺店」(2011.8の記録)。

まとめ

まず、時間の無い方のために手短にまとめたものを書いておく。
  • 品揃え:新刊はそこまで多くないが、ここでしか出会えない本、出会えない本棚がある。一度は行ってみるべき!
  • 雰囲気:上品。什器も全て木製でモダンな感じ。お洒落な大学生を意識しているのだと思う。
  • 立地:河原町駅からバスと徒歩で30分ほど。正直あまりアクセスは良くない。
京都市左京区一乗寺払殿町10
営業時間:10時~22時
定休日:元日をのぞき無休
URL:http://www.keibunsha-books.com/
Leader Blog:http://keibunsha.jpn.org/
Staff Blog:http://keibunsha2.hatenablog.com/
Facebook:https://www.facebook.com/cottage.keibunsha.3
Twitter:https://twitter.com/keibunshabooks

アクセスが悪いのが玉にキズ

アクセスが悪いと述べたが実際、車を持っていない人間からするとかなり悪い。阪急河原町駅前のバスも1時間に3本くらいしか来ないし、来てから30分くらいは乗る。電車の場合は、京阪祇園四条駅から出町柳駅まで行き、叡山電鉄に乗り換えて一乗寺駅まで行かなければならない。しかも、着いたら着いたで、広いわ品揃えは良いわで、店から出てくるのは当然日が落ちた頃という…。そして、市バスは19時代にはもう終わりになるので、電車で帰るしかないことになる。

本当に良い本屋なのに、京都に遊びに行くついでにという行動が中々取りにくい場所にあるのだ。あぁ、車を持っていないことが本当に悔しい! 立地に対する恨み言はさておき、店内を紹介しよう。

店内は大きく「書籍」と「雑貨」、「文具」、そして「ギャラリー」の4つに分けられる

店舗はまるで「魔女の宅急便」に出てきそうな洋館の外観(といっても一階建てだが)をしている。
入り口が左右に二つ。向かって右側が雑貨がメインの販売スペース、向かって左側が書籍がメインの販売スペースに入れるようになっている。大体40畳くらいになるだろう店内は広く、大きく4つに分けることができる。

「書籍」と「雑貨」、「文具」、そして「ギャラリー」である。

書籍は、店舗に向かって左側の入り口から入った横長の部屋に置かれており、左奥に「文具」スペース、さらにその奥に「ギャラリー」、そして、右奥には「雑貨」のスペースとなっている。

入ってすぐの平台

広いので書籍スペースを大まかに示していくと、入り口から入ってすぐ左手にレジカウンター、正面に新刊用の平台があり、平台の向こう側には、海外漫画の特集が組まれた平台と棚、さらにその奥には、音楽関連の書籍とCD、試聴機がある。

レジカウンター正面にも平台が2つあるが、ここは建築関連の書籍が中心だ。新書文庫ハードカバー雑誌など形に囚われない陳列となっている。また、平台の横には天井まで届く面見せ用の棚があり、平台側には建築関係の写真集や雑誌など表紙が美しい書籍が並んでいた。

この面陳用の棚の裏側はどうなっているかというと、主に女性誌が面見せで並べられており、暮らしや食に関する書籍もこの流れで並べられ、絵本もたくさんある。

奥には文具コーナーだ。

「新潮文庫の百冊よんだ?」特集

さて、入り口前まで戻って右横を見ていく。すると、フライヤー置き場があり、隣に平台と面出しで「新潮文庫の百冊よんだ?」特集が組まれていた(星新一の『未来いそっぷ』や『赤毛のアン』が河出書房の世界文学全集シリーズのような装丁になっていたのはびっくりした)。
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そこから、手ぬぐいのコーナーやカメラのコーナーが少し。振り返ると丁度向こうが見えないくらいの高さの本棚があり、正面の平台と共に『あらくれ』や雑誌『ユリイカ』の宮沢賢治特集、原発関係の本、『利他的な遺伝子』、『日本脱出論』など新刊を中心に話題書が並べられている。

中心ではない位置にこういった書籍を置くあたり、大学生が多く美大生もいるという特殊な立地条件を考えざるを得ない。

リトルプレスと特装本、幻想文学、アート

エンド台にはこれはリトルプレスなのだろうか。 『タゲレオタイピスト』やユカワアツコの『小鳥ならば』、鳩山郁子の『白い金平糖の島』といった冊子形式の本だ(違っていたようです)。
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さて、窓沿いに戻ると書斎に置かれているような貫禄のある机が二つ現れる。

手前には、ヘンリーダーガーの画集やジョゼフコーネルについての本などアウトサイダーアート関連が、奥の机には澁澤龍彦や穂村季弘など幻想文学関連とアンドレプルトンやジョゼフシマなどシュールレアリスム関連が置かれていた。なにやら怪しい雰囲気になってきたぞと思ったらここはもう突き当たり。雑貨コーナーとの仕切りにあたる壁だ。

もちろん本棚になっており机までの流れを汲んで『ヨーロッパ不思議博物館』、『四谷シモン人形日記』、穂村季弘、稲垣足穂、澁澤龍彦、バタイユなど幻想文学関係が棚二つ分、
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さらにアンドレプルトンや『ダダ大全』などシュールレアリスム系がすこし、
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そして、そのすぐ近くになぜか『完訳グリム童話集』や『ノヴァリース作品集』などダークファンタジー系などだ。この棚は所々、上半分がガラス戸になっており、中に高価な本や雑貨が置かれている。

『散歩者の扉』の特装板や『偽眼のマドンナ』、『夜灯集』、『citrus press2008フランス装版』、『sound from a study in green』など、僕は全く分からないがなぜかロマンを感じる装丁の本ばかりだ。

幻想文学→シュールレアリズム→ダークファンタジーと続いて、ここから雑貨スペースへの入り口までは、面出しの洋書アート本を挟んで、海外文学が多くある。

海外文学

ポオやカフカ、ロレンス、『マンデラメア幻想短編集』など幻想文学系を皮切りに、そこから先は大体国ごとに分かれている。

ボードレールやジャンジュネ、ヘンリミラー、マルグリットユルスナール、ランボオ、アナイスニン、などフランス文学系(文芸誌『アビエ』)から、隣がカズオイシグロやアントン・チェーホフ、ル・クレジオ、ジェイムスジョイス、ナボコフ、ボルヘス、トマスピンチョン、ハインライン、ヴォネガット、スティーヴキング、ポールオースターなどと流れていく。
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イメージ的にはフランス、イギリス、ロシアやイタリアが少しで最後にアメリカ文学という流れだ。

ここで、壁棚が終わり雑貨スペースとなるのだが、今は書籍について紹介したい。

店舗右奥 雑貨スペースの手前 4つの平台 怪しさとPOPの間

振り返ると壁棚の正面にあるアンティークのテーブルを利用した平台が4つある。これを見ていこう。入り口側から順番に見ていくと、一つ目はアンドレプルトンの『至高の愛』や『屋上庭園』、アトリエ空中線十周年記念展のフライヤー、エディションイレーヌというとこの小冊子が何冊か。幻想文学やシュールレアリズムなど壁棚の雰囲気をそのまま受け継いだ品揃えだ。先ほどの壁の棚も含めて、ここら辺はもう「怪しい」の一言に尽きる品揃えといえるだろう。

二つ目のテーブルには『素数の音楽』や『目で見る数学』、『世界で一番美しい元素図鑑』、創元社『幾何学の不思議』などビジュアルで楽しめる科学の本が、
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三つ目のテーブルは、アガサクリスティーや江戸川乱歩、ポオ、『虚無への供物』、『黒死館殺人事件』など古いミステリーがあり、最後のテーブルには、絵本と『散歩』がテーマの書籍があった。ここは、後述する日本文学の棚と先ほどの海外文学、幻想文学の棚の境界にあることを考えると、『怪しさとPOPの間』というイメージを感じる。大雑把だが、僕はそう感じた。

4つの平台前の本棚 見たことのない文学本たち サブカル・コミック 本の本 文系女子

さて、振り返るとある棚を紹介する。そこには目の高さくらいの棚が奥に2つある。一番奥の棚の向こう側が、試聴機などがあるコーナーだ。

手前から見ていくと、一番手前は、芥川龍之介や安部公房、坪内祐三など明治~平成の日本文学・思想のコーナーとなっているのだが、今までがそうだった様にここもただの棚ではない。見たことの無い本がいくつも置いてあるのだ

パロル舎のハードカバーや自由国民社の『日本の名作おさらい』という冊子などがそれだ。また、エンド台には「シリーズ この人に会いたかった」という冊子が七冊と鶴見俊輔が多くあったりと新たな発見が多い。文学や思想といった正統派と見られがちなジャンルにも色々な本があることを改めて知ることができた。
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翻って、今の棚の裏側はサブカルとコミックのコーナーとなる。上の段には文章がメインの本、下の段にはコミックがあり、もちろん少女マンガも揃えてある。ここはビレバンに近い品揃えといえば雰囲気が伝わるだろう。

振り返ると二つ目の本棚。ここには多くのジャンルがある。僕の大好きな本についての本やアウトドアや転じて生物に関する本、日本語についての本、植草甚一な度旅に関する本からなぜか落語の本などである。

気になったのは、やはり「本についての本」で、『花形装飾の博物誌』や『豆本つくりのいろは』、『幅書店の88冊』には図らずもときめいてしまった(しかし、ここにも『焚書 ワールドオブワンダー』があった。ホントに良く見るなあ)。
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外さないぜ。古本コーナー

そこから、裏側に回ろうとするとエンド台に古本コーナーがあった。古い『美術手帖』や『冒険ダン吉 大遠征』、『アールポップの時代』など聞いたことも無いような本が結構ある。

恵文社では新刊もそうだが、本当に出会いが、『驚きと発見』が多い。

そして、古本に混ざって『女子の古本屋』や『せどり男爵数奇譚』なども置かれている・・・外さないねえ(店員さんに聞いてみると、東京の古本屋と契約して、そこの本を置かせてもらっているらしいのだが、新刊だけかと思いきや…本当にうまく驚かせてくれる)。
せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫) せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫) 梶山 季之
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さて、先ほどの棚の裏側だ。ここには、先ほどの『女子の古本屋』からの流れだろうか。文系女子が好みそうな本が置かれている。角田光代やよしもとばなななど女流作家の本や『不思議の国のアリス』(ヤン・シュヴァンクマイエル版)、『恋の絵本』、『森本千絵のうたう作品集』、恋愛小説集』や藤田ミラノの本とか『かわいいの帝国』、竹久夢二やムーミンコミックスなどがそれだ。
不思議の国のアリス 不思議の国のアリス ヤン・シュヴァンクマイエル画 ルイス・キャロル著 久美 里美
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『BRUTUS』「本屋好き特集」にあった恵文社一乗寺店の店長さんへのインタビューで出てきた棚はここのことだろう。食や暮らし、恋愛といった単純な括りではなく、内田百閒や安藤忠雄も内容がそうであれば棚に入れるという点に店主のセンスを垣間見た気がした。

視聴器コーナー 音楽本と本作りの本と 海外コミック

ここで振り返ると試聴機のある音楽本のコーナーがコの字型の什器の内側にあるのだが、その外側にはジンの特集が組まれていた。『インセクツ』や『まちの日々』などがあり、もちろん『リトルプレスの楽しみ』も忘れない。一緒にポスターやハンコが置かれているのは、女子本コーナーからの流れで買う女性が多いという狙いだろう。さすがである。

ジンを眺めながら振り返ってみると、そこには海外のコミック本がある(ジンが置いてある平台は折れ曲がっており、このときは背中を入り口側に向けている(「文型女子の棚」ではない))。

『フロムヘル』やアレハンドロ・ホドロフスキーの『アンカル』、『コミック文体練習』、『アランの戦争』、星の王子さまの海外コミック、アート・スピーゲルマンの『マウス』などだ。『フロムヘル』は聞いたことがあるが、他は全く知らない。『国際マンガミュージアム』でも展示されていたが、今やマンガ文化は世界的なものなのだと改めて感じた。
フロム・ヘル 上 フロム・ヘル 上 アラン・ムーア エディ・キャンベル
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雑誌コーナー 建築本 絵本、食や暮らし

そしてその横には建築関係の本が平積みされていた。これで、ちょうどレジカウンター前の奥の平台に戻ってきたことになる。よって、平台の横には天井まで届く面見せの棚が一列ある。品揃えは『奇界遺産』や『セルフビルド』、『すまいの手帖』で、雑誌・大判本がほとんどだが、文庫や新書も混じっている。
奇界遺産 奇界遺産 佐藤 健寿
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その裏には、始めに書いたように女性誌や絵本、食や暮らしの本がある。

店舗正面奥の壁棚 デザイン・アート、思想、科学、詩→文化の棚

さて、これで「書籍」コーナーは全て見て回ったかな…と思ったら、奥の壁棚を見忘れていた。店に入って正面突き当りの壁にある棚のことだ。

「文具」コーナーの手前から「雑貨」コーナーの中まで続いているこの棚には、左側からデザイン・アート、思想・社会、科学、詩と続き、「雑貨」コーナーに至る。

どんな品揃えかと言えば、デザイン・アート系では、『レイアウト基礎講座』、『世界のカタログパンフレット事例集』、『空気の研究所』、『戦時グラフ雑誌の宣伝戦』、ウンベルト・エーコ『芸術の蒐集』、岡本太郎の本、『ロバートキャパ 最期の日』、『プロジェクト写楽』、『茶の文化史』、『北斎漫画』、『クレーの日記』など。

デザインから美術、写真、映画、マンガ、果ては茶まで、ここは「文化的なものを網羅している棚」である。
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次に思想・社会では、『デリダ論』、『アメリカ哲学』、『反哲学入門書』、『幼児化するひと』、『フロイト先生のウソ』、『百人の哲学者 百人の哲学』、エーリッヒ・フロムの『悪について』、『仮想戦争』、『日本の路地を旅する』、『クローゼットの認識論』など。
百人の哲学者 百人の哲学 百人の哲学者 百人の哲学 ジャン=クレ・マルタン 杉村 昌昭
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科学では、『動的平衡』、『ホーキング宇宙を語る』などそんなに多くない。

ここまでで既に『雑貨』コーナーのすぐ手前、海外文学の棚の手前、「散歩」特集の平台の横に来ている。そして、最後にほんの少しだけ詩の本がある。谷川俊太郎や茨木のり子などだ。
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店員さんの愛が詰まった店

さて、随分長く書いてしまったが、今度こそ「書籍」コーナーは全て見て回った。

ここまで見てきて思うのが、学生のお客を意識しているのか『サブカル傾向が強い』ことだ。定番もほどほどに抑えつつ、ここにしかない本をここでしかできない並びで魅せている。これは知識と愛がなければできないことだ。

しかも、始めに書いたように、まだ「文具」、「雑貨」、「ギャラリー」が残っており、相当に広い店である。これだけ広い店でそんなことが可能なのは、店員さんが本当にこの仕事が好きなんだろう。

近くにこんな店があれば入り浸るのだが、なかなかそうはうまくいかないものだ。そんなことを思いながら『雑貨』コーナーに向かうのであった。

店舗右の雑貨コーナー

店に入って正面突き当たりの壁棚はそのまま「雑貨」コーナーに続いている。詩のコーナーから先のことだ。

雑貨コーナーの本 暮らしと食

正面突き当たりの壁棚は「雑貨」コーナーに入ると、「暮らしと食の本」コーナーになる。前回見た建築の面見せ棚の裏側と同じと思われるかもしれないが違う。ここはもっと生活に密着した棚である。すぐ側の雑貨を意識してのことだろう。ここら辺、ふたば書房系列の「Anger(アンジェ)」を思い起こさずにはいられない。

さて、肝心の品揃えはと言うと、『戦争中の暮らしの記録』や『ブタとおっちゃん』、『働かない』、『おやつですよ』、『ムーミンママのお料理の本』、『極道飯』、『孤独のグルメ』、『旅する自転車の本』、『ダイエットの歴史』、『妊娠の本』、『暮らしのヒント集』などである。『ダイエットの歴史』がレシピ本のすぐ近く置いてあるのも凄いが、僕は何より『孤独のグルメ』を勧めたい。

友人に勧められて読んだ本書であるが、谷口シローさんの渋い絵とそこはかとなく匂い立つ哀愁。そして何より登場するご飯がおいしそう! グルメ本として是非とも勧めたいのである!!
孤独のグルメ 【新装版】 孤独のグルメ 【新装版】 久住 昌之 谷口 ジロー
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これで、店の右端に着き、壁棚が終わる。振り返ると「雑貨」コーナー用のレジカウンターだ。

雑貨コーナーの本 女子のアウトドア

レジカウンターの前にも一つ棚がある。面見せと棚さし、平台が混在している棚で、ここにも暮らしの本が並べられている。『いつものアウトドア』や雑誌の『クーネル』、『日々のお弁当図鑑』などがそうで、どちらかというと先ほどの壁棚よりもアウトドアに近いかもしれない。

裏側(壁棚正面)も同じで『サイエンス道具ガイド』、『みどりのアイデア』が置かれている。「女子のアウトドア」とでも言うべき棚だろう。
いつものアウトドア  白男川清美の山でも、街でも、着たい服 いつものアウトドア  白男川清美の山でも、街でも、着たい服 白男川清美
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この棚の横「雑貨」コーナーと「書籍」コーナーを分ける壁には一つ棚があり、ここには「旅の本」が置かれている。『野宿入門』や『明日は貴族だ!』、『旅する哲学』などだ。
旅する哲学 ―大人のための旅行術 旅する哲学 ―大人のための旅行術 アラン・ド・ボトン 安引 宏
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ようやく本丸 雑貨コーナーの雑貨

さて、「雑貨」コーナーにある書籍はこれで終わりで、他は全て雑貨となる。

今の「旅の本」の棚の隣には腰の高さほどの棚があり、一段一段でそれぞれ別の場所が作ってている雑貨が置かれている。雑貨はあまり知らないのでどれも聞いたことが無いが面白い。

風土倶楽部のりんご、北陸製菓のおかし、pijama、Iigoshi yumiko productstonbi coffeeのコーヒーと手軽に楽しむコーヒー入門、吉行良平と仕事などなど。特にtonbi coffeeはかなり気になった。胃が弱くコーヒーが飲めないので、買わなかったが、本当は欲しかった…悔しい!
知識ゼロからのコーヒー入門 知識ゼロからのコーヒー入門 河野 雅信
幻冬舎 2009-08
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レジカウンターの右横側ではチアブ家具展が行われており、ちゃぶ台などアンティークな様子の家具が売られていた。
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これで、「雑貨」コーナーは終わりだ。

「雑貨」コーナーを見ていると、以前行ったふたば書房の『ANGER(アンジェ)』を思い出す。雑貨と本の好ましい融合。しかも、ここでも展示会を行っていたりと、精力的な活動を行っている。んー、素晴らしい!!…と、感嘆の息を漏らしながら「文具」コーナーに向かうのであった。

店舗左奥の文具コーナーとギャラリー

「文具」コーナーと「ギャラリー」は店内には行って左奥、建築の面見せ棚のすぐ横から「書籍」コーナーの奥に行けるようになっている。

ギャラリー含めて20畳ほどの空間は、右の壁沿いにポストカードなど紙の商品が並び、突き当りには紙に関する本、その隣には革製品があり、ギャラリーとの境界線として置かれたテーブルに突き当たるとそこにはガラスペンやインク、切手などが、ギャラリーの入口を通り過ぎると、そこにはガラスケースがあり、中にはアクセサリーが、隣がレジカウンターとなっている。

空間の真ん中にはテーブルが二台あり、それぞれ紙や本と縁の深い雑貨が置かれている。と言っても、本に書いていないことなど無いと言っても過言ではないので、関連の無いものなど無いのだが、ここでは主に文科系女子が好みそうなものが置かれている。包装紙やハンコ、シーリングペーパー、ポストカード、ブックカバーなどなどだ。

文具コーナーの本

本の品揃えは、『ポップアップクラフト』、『紙と活版印刷とデザインのこと』、『紙モノカタログ』などで、他に雑貨と一緒に置かれていたものに『机の上の航空史』、『水晶の本』などがある。
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さて、雑貨で気になったものを挙げていこう。

なぜシャボン玉?

  • 野中光正の手刷り木版画シリーズ
  • 二月空の活版ポストカードセット
  • 月光荘画材店のユーモアカード、スケッチブック
  • 水縞の「ハトメパンチ」、「ハト目鋲」、
  • glycine blanceのアロマ
  • coetのシリーズ
  • すずらんのシリーズ
  • 森田千晶のレースの和紙
  • あと実験道具がいくつか
以上である。

この中では月光荘画材店や二月空も気になるが、やはり「恵文社オリジナルシャボン玉」が最も印象的だった。だって、オリジナル商品があるのは分かるけれどシャボン玉だよ? 森ガール狙い? ブックカバーとかじゃなくてあえての『シャボン玉』というところに独特のセンスを感じた。すげえな。

ギャラリー レザーで作る夢の時間

さて、先ほどのガラスペンが置いてあるテーブルの奥が「ギャラリー」となっている。

今回は展示されていたのは「レザーで作る夢の時間」(訪問したのが7月初めなので、もう違う展示をしているようです)。家などのミニチュアを全て革で作ったものの展示だ。ありそうでなかった視点だ。作っているミニチュア自体によるのだろうが、独特のノスタルジックな雰囲気があって僕は結構好きだった。なぜか『アルプスの少女ハイジ』を思い起こすようなイメージだ。

文化の発信源

こうやって見ていくと、恵文社一乗寺店は単なる本屋ではない。もはや文化の発信源になっていることがわかる。これでカフェもあれば、「本」を中心としたサロンのようになりそうなそんな本屋なのだ。

店に置いてあるフライヤーも多いし、きっと学生以外にも文化的な活動をしている人はよく立ち寄るのだろう。もちろん学生街で教徒であるという立地条件も大きいだろうが、こういう本屋さんがもっと増えてくれると僕としては本当に嬉しいのである。

3時間以上も滞在!

これで、恵文社一乗寺店をようやく全て見終えた。

長かった…恵文社一乗寺店に着いたのが16時過ぎで出たのが19時半くらい。3時間以上店内にいるなんて…怪しまれなかったろか。でも、それもこれも広いくせに面白いのがいけないんだ! そうだっ! がぜんその通りだっ!! えー、すいません。ちゃんと『女子の古本屋』を買ったので許して下さい。
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京都に寄った際には是非とも覗いて欲しい本屋です。京都の本屋では間違いなく最高のうちの一つでしょう!

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