下北沢の中心部
下北沢一番街を抜けて線路を超えたあと「これぞ下北沢!」とでも言いたくなる劇場「スズナリ」が見える。中に入りたくなる気持ちを必死に堪えながら道なりに行くと何やら仰々しい文句が書いてある。下北沢の中心部。ここが今日の目的地「古書ビビビ」である(以下は2014.5.4の記録)。
まとめ
時間のない方のためにまとめです。
- 品揃え:幅広い品揃え。カルチャー系多め。古書・リトルプレスも若干あり。
- 雰囲気:下北沢カルチャー系古本屋の総本山みたいな。
- 立地:下北沢駅から徒歩8分程度
TEL:03-3467-0085
営業時間:12時~21時 定休日:毎週火曜/第一・第三水曜日
URL:http://www6.kiwi-us.com/~cutbaba/
Twitter:https://twitter.com/binbinstory
Facebook:https://www.facebook.com/pages/%E5%8F%A4%E6%9B%B8%E3%83%93%E3%83%93%E3%83%93/139701306101517
広い店内
中に入ると意外と広いことに驚く。下北沢でこんなに広い場所を借りれるとはそんなに儲かっているのだろうか。
下北沢的古本屋
その秘訣は品揃えにあった。古本屋だから当たり前だろうと言われればそうなのだがそれにしても古書ビビビの品揃えは凄いのだ。
マニアックかと思いきやメジャーな本もあり、エロも忘れないがいやらしいわけではない。ガラスケースに置かれたフィギュアがまたマニア心をくすぐるがすぐ横に料理本があったりする。入り口から入ってすぐの平台は必見だ。zineという自費出版物を多めに、戦前の教科書なんてものも置かれている。
マニアックでありながらポップ。そう古書ビビビはまさにサブカルの街でありながら観光地でもある下北沢のようなお店なのだ。
古本屋はメディアを目指す
そんな古書ビビビであるが実は出版もしている。古本屋で出版事業も行っているなんて珍しい。その経緯についてはこちらの「古書ビビビびんびん物語 伝説のブログ」に詳しい。
ちなみに店主はトシちゃんのファンらしい。だから「びんびん物語」なのだ(笑)
レイアウト
細かく見ていこう。店内は左右に広い長方形の形をしている。目の前に大きな平台があり壁沿いはレジを除いてすべて本棚。正面の辺の右寄りの場所にレジがあり目の前にも本棚が3本。レジ奥に見える川島小鳥の写真に目を奪われる。
品揃え
平台
広いので大まかに棚ごとのジャンルと書名を紹介していこう。
店内中央の大平台にはzineや本の本、古書ビビビ発行の『TOKYO-BAY』、新刊、オススメ本、アート・デザイン、マンガ、戦前のものらしき古書である。
会田誠『天才でごめんなさい』、『本屋図鑑』、『古本探偵追跡簿』、『冬の本』、『誠壱のタモリ論』、『自虐の詩』、ジョージ秋山、戦前のものらしき古書『小学正本』、甘辛社発行『あまから』、澁澤龍彦、『家紋大全』など。
平台に隣接して写真の棚が一本。あったのは森山大道、佐内正史、アラーキー、『決闘写真論』、カメラの本などだ。
入り口から左回りでレジまで
壁沿いに見ていこう。
絵本、雑誌、文化っぽい本
まず、絵本で3本、雑誌で1本、文化っぽい本で2本の棚が使われている。
絵本は『別冊太陽「絵本Ⅱ」』、『そばやのまねきねこ』など。
雑誌は『東京人』、『BRUTUS』、『STUDIO VOICE』など。
文化っぽい本は、『現代の千家百職』、『別冊太陽』、『ヨーロッパのSL』など。ジャンル分けのテキトーさから滲み出てるようにここはよくわからない。なんとなく文化っぽい匂いのする本棚である。
文庫棚
店舗左辺には文庫ばかりの棚が8本だ。
岩波文庫、講談社文芸文庫、講談社学術文庫、ちくま文庫、河出文庫、平凡社ライブラリー、光文社古典新訳文庫、文庫クセジュ、岩波新書などなどなど。主に文学でハードな品揃えである。
軽めの社会批評
次が正面の辺だ。
ここには軽めの社会批評が棚3本分。『ワーク・シフト』、『パブリック』、『創造的破壊』など。読みたかったけど読んでない本がたくさんある。
女性向け
この隣に女性向けハンドクラフトや暮らしの本で棚1本。『きもの熱』、吉屋信子など。
面陳棚でデザイン・アート
さらに隣に面陳棚でデザイン・アート関係の本が棚1本。
『国芳妖怪百景』、川内倫子写真集『種を蒔く』などだ。
フィギュアと稀覯本
ここで棚2本分のガラスケースが登場だ。フィギュアと稀覯本という組合せが謎過ぎる。
『村上隆展図録』洋書、『アンディ・ウォーホルカタログ・レゾネ』などの横にコブラのフィギュアがあるのである。サイコガン欲しいよサイコガン。
入荷ちやほや本コーナーとDVD
レジ隣に位置する棚は入荷ちやほや本コーナーとDVD。『はじめての人のためのタロット入門』、『復興文化論』など。いやーどこの人も新人はちやほやしないといけませんね。
これで入り口から左回りぐるりと回ってレジまでたどり着いた。
レジから入り口までの壁棚
レジの向こう側にはガラスケース。稀覯本の写真集である。森山大道『狩人』、佐内正史『わからない』などちょっと欲しくなってしまったのは内緒だ。
壁一面の本棚
店舗の右辺。
ここには写真集とデザインの大判本、図録で本棚5本分ある。(洋書多数)。
長倉洋海『きみが微笑む時』、『写神』、アンリ・カルティエ=ブレッソン『知られざる全貌』、『ピカソと20世紀美術の巨匠たち』、横尾忠則、『旅するデザイン』などである。壁一面の本棚はやはり素晴らしい。
文学の棚
再び入口の辺である。
幻想文学・海外文学(SF含む)で本棚4本。
江戸川乱歩や小栗虫太郎、ブラッドベリ、『ニューロマンサー』、冲方丁、チェーホフ、ボルヘス、ケルアックなど。
さらに日本文学で3本の本棚。
丸山健二、安岡章太郎、吉田健一、種村季弘、有川浩、小池真理子、畠中恵など。
建築とデザイン
入り口直前の本棚には建築・デザインだ。
安藤忠雄、『建築の歴史』、フランク・ロイド・ライト、『アールデコの鉄工芸』など。割とオーソドックスな品揃えだった。
これで店を一周したことになる。次はレジ前にある3列の本棚を見ていこう。
レジカウンターの前 3列の本棚
入口側から見ると手前から落語、エロ、サブカル、マンガ、アート・デザイン、編集、音楽、映画、社会・思想といったジャンルの本が並ぶ。例外はあるが基本的に1列の片面につき1ジャンルと考えて頂ければ良い。
目についた書名をまとめて挙げていくと立川談志、『変態ペット図鑑』、『ポスト活字の考古学』、水木しげる、根本敬、『芸術家闘争論』、『誰のためのデザイン?』、『僕たちは編集しながら生きている』、『セックス・ピストルズ・ファイル』、内田裕也『俺は最低な奴さ』、『黒澤明vs.ハリウッド』、『イタリア映画を読む』、『オードリー・ヘプバーン』、『野性の実践』、『ナポレオンの戦役』、『存在と無』、『「知」の欺瞞』といった感じである。
下北沢で遊んだら必ず行く店
如何だったろうか? この店。実は下北沢で遊ぶときには必ず寄る店でもある。ここまで読んで頂けた読者ならその理由がわかるだろう。サブカル的でもありながらポップでもありかゆいところに手が届く品揃えなのだ。オススメは特に最後に紹介したレジカウンター前の棚だったりする。編集の棚は必見だ。ぜひ下北沢にお寄りの際は訪ねてみて欲しい。