あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、2023年になって既に一週間以上経ちました。年末の疲れも少しずつ取れてきましたし去年の振り返りをしていこうかなと。
去年はとにかく後半、8月以降が大変でした。仕事上で大変なことがあり、そこから自分を回復させるのに手一杯な日々でした。しかしその甲斐あって移転という大きな決断ができましたし、結果としてあれは大きくジャンプするためにしゃがんでいた期間だったのかなとも、いまは思っています。
本屋ライターとしてのお仕事
さて、それはそれとして、仕事の方はというとやっぱりまあ楽しいわけでいろいろと実現できたり思わぬお声がけをいただいたりといった感じでなんだかんだと充実していました。ありがたい限りです。
具体的には、2021年12月から始まりました『本の雑誌』での連載「本屋の旅人」は当初は一年が目処だったところがお陰様で延長となり現在も続いておりますし、Bunkamuraドゥマゴ文学賞が発行する『ドゥマゴパリ リテレール LES DEUX MAGOTS PARIS Littéraire』での連載も7月からスタートしました。
スポットの寄稿では2月の『本の雑誌 2022年3月 葉わさび深呼吸号 No.465』掲載の「棚貸し本屋は本屋の福音たりうるか」と、5月 『週刊エコノミスト』に棚貸し本屋のビジネスモデルについて寄稿できたのは大きかったですね。2021年からはじまった棚貸し本屋ブームみたいなものを俯瞰するような原稿にできたかなと思います。
さらに年末に出版された『美しい本屋さんの間取り』(エクスナレッジ)に関われたことも大きかったですね。新刊書店/古書店の用語辞典をつくれと言われたときはそれはもう緊張しましたが、いろいろな方にご協力いただいてどうにか形に出来ました。失敗もありましたが、自分の知っていること/知らないことを知り、誰かと一緒に何かを作ることを意識的にできた仕事でした。
書き物以外ですと、ほぼ日さんによる企画、渋谷PARCOでのブックイベント「本屋さん、あつまる。~春~」で本屋のディレクションをさせていただいたのも得難い経験でしたし。BSLでも独立書店開業リストを四半期ごとに公開していますが全国各地に増えている独立書店を紹介できるような仕事は書き物以外でも今後もしていきたいなーと思った次第です。楽しかった。
そのほか「名古屋芸術大学 卒展ラジオ ア"ーッ!ラジオ2022」に登壇させていただいたり、石橋毅史×和氣正幸×内沼晋太郎「『韓国の本屋』を通して語る『日本の本屋』のこれから」『韓国の「街の本屋」の生存探究』(クオン)刊行記念に登壇させていただいたり、となんだかいろいろしていましたね。本当に感謝です。
BOOKSHOP TRAVELLERのこと
店については全体としてはぼちぼちというところかな、と。
本の売上も前年より上がりましたし「【踊る頭の中】2021年の抱負というか目標というか目安というか」にも書いた目標のひとつ「店の展示を増やす」も完全に、というわけではないですが達成できました。
開催したイベントを数えてみると、フェア・イベントは20回、展示は17回。まだまだな面と思ったよりできたなーという点と両方ありますが、ある程度以上は達成できたかなと思います。とはいえ、イベントについては今年も頑張りますよ、もちろん。
自分の中で大きかったのは昨年後半から毎月開催イベントを徐々に増やせたことで今の店の方向性みたいなものがぼんやり見えてきたな、と感じています。雑貨フェスや、アロマ書房さんの「文學アロマセラピー」であるだとか紙とゆびさきさんの「BOOKSHOP NIGHT」だとかOideさんの「Kimama読み聞かせ会」だとかですね。特にBOOKSHOP NIGHTは夜の店の利用方法としてこれ以上ない企画になりました。一緒に考えてくれた紙とゆびさきさんには本当に感謝です。
2023年について
そんなこんなで、回復に努めてきた去年後半からのワタワタした年末を乗り越えて仕事始めは久しぶりの長期休暇になっておりました。ここで休まないと、この後が走りきれないことになりかねないかな、という判断ですね。
で、その間に家の整理や掃除、こういう文章を書いたりなどしたわけで、そうしてようやく心の余裕が少しずつ戻ってくると、今年はどうするかなあ、なんてことも考えるわけでございます。
まずライター仕事についてですね。これはもう毎年書いていますが独立書店の取材をもっとしたいのです。いざ落ち着いて、なんで今の仕事をしているのかと考えてみると、とにかく本屋に行くのが好きで本屋の話を聞くのがおもしろいからなのだと思い至るわけです。自分に正直にやっていきたいのですね。
そう、自分に正直。すぐに疲れや苛立ちを見えない化する癖のあるワタクシでございますから、自分への感覚は、感情も体性感覚ももっと敏感にして適切な対処をできるようになっていきたい。
とはいえ、下北沢の店についても大きな変化がありますですし、それを進めながらどこまでライター仕事を進められるか。どちらも進めていると心の余裕がどこかにスコーンと飛んでいってしまうことも多々あるわけで、自分の心をワシッと掴みながら、拠点としての店と、外に出ていくライター仕事のバランスを取っていきたい。
生活面では、去年の夏に受けた健康診断でコレステロールがだいぶ大変なことになったので、脂質の抑制と運動をちゃんとしないとなあ……って書いていて、去年とか一昨年とかの振り返りの文章をと同じことを書いているワタクシですな。
なんだかなあ、なんて思うところもありますが、自分としては同じところをぐるぐると回っているようでいて外部環境はなんだかんだと変化していっているのできっと少しずつ前に進んでいるのでしょう。
今年も倦まず弛まず先の風景を見るために一歩ずつ歩いていければと思う年始めなのであります。