最近は『映像研には手を出すな!』をハマっている。アニメから入って、漫画、ドラマと観てきて残りは映画版だけである。
アニメ版もめちゃくちゃ良かったけど何が一番すごいって思ったかって漫画、アニメ、ドラマのすべてで見せ方が違うことである。作品の核である「ものを作ることの楽しさ・難しさ」みたいな部分だけは変えずに、それぞれがそれぞれのメディアに適した形である意味ブラッシュアップされていると言ってもいいくらいの変更をしている。
例えば、アニメ版は、近頃は原作にいかに忠実にアニメ化するかみたいな流れがある中で、むしろ漫画の豪華版みたいな見せ方をしている。浅草氏の妄想もそうだし制作されたアニメもそうだ。そりゃアニメをつくる少女たちが主人公なのだ。アニメにしたときに真価を発揮するのは当然かも知れないけれど静止画(漫画)では(それこそ読者が)妄想するしかなかった浅草氏の最強の世界のひとつの答えをすばらしいクオリティに実現している。
例えば、ドラマ版は作品の面白さのひとつである芝浜高校の入り組んだ地形はあまり描写されない。制作されたアニメや妄想部分もアニメ版と比べるとそこまでクローズアップされない。それよりも俳優ひとりひとりの演技や、学園ドラマのわちゃわちゃを見せるように構成されている。特に最後の浅草氏の叫びは漫画版でもアニメ版でも数ある中のワンシーンくらいに扱いだったのがドラマ版では見せ場になっていたことに感動した。すげえよ、齋藤飛鳥!
(ドラマ版を観る前に前情報を調べたら乃木坂46が主役とあって大丈夫か? とリアタイ勢とおそらく同様の反応をしたがそれは杞憂だった、というのも良かった。特に浅草氏と金森氏は「えー!?」って感じだったけど最終話を観たら浅草氏、金森氏にしか見えなくなった。)
原作の漫画版は漫画版でテンポが良いのもいいし、浅草氏の設定ノートがじっくり読めるのも良い。
本当に関わった人たちが『映像研には手を出すな!』の世界を好きなんだなーと感じられて、その愛に震えたのだった。
そんなわけでNetflixで観られますので、未見の方はぜひ!(特にアニメ!!)