もろもろ忙しくてひいひい言っていたらいつの間にかもう3週間も経っていたASIA BOOK MARKET 2018のレポートを書く。
ASIA BOOK MARKETは2017年にはじまったイベントで、中心人物は大阪のローカルカルチャーマガジン『IN/SECTS』松村貴樹さん、『本の未来を探す旅 ソウル』を2017年6月に出版したブックディレクターの内沼晋太郎さんと朝日出版社・編集の綾女欣伸さん、『LIP的台湾案内 こんにちは! 新しい台湾』を2016年6月に出版したLIPの田中佑典さんの3名。
それぞれが日本、韓国、台湾の出版社や本屋を招待して行うブックフェスである。
実は去年も行ったのだけれども、いろいろあってレポートは書けなかったのであった。ただ、去年のこのイベントがあまりにも最高だったので当然今年も行こう思って、原稿まみれの日々にもかかわらずどうにか都合をつけて訪れたのであった。
このフェスの良いところはいくつかある。すでに他のレポートブログなどで何度も触れられた点だとは思うが、あらためて自分としてもまとめておく。
- 空間
- 本だけじゃないところ
- ブースの並び
ひとつずつ説明していこう。
空間
これは一度この場所を訪れた方はお分かりかと思うが、とにかく広いのだ。さらに、造船所(名村造船所)の跡地なので水場が近く、夕方にもなると夕日が薄暗い室内を照らす。開け放した窓からは少し湿った風が空間内を通り抜け、周囲からは中国語や韓国語や英語や日本語が入り乱れる。彼らはすべて本を軸にして束の間繋がっている。なんてカオスで幸せな空間!!
一度でも行った方はリピートしてしまうのもうなづけることだと思う。
(ふだんは、クリエイティブセンター大阪(略称:C.C.O)としてアート複合スペースとなっている)
本だけじゃないところ
何せ造船所だっただけあってとにかく敷地も建物も広い。本のブースがあったのは3階だったが、1階では食のブースが、2階では食や雑貨、CDのブースが、4階では演劇が行われ、2階や3階のあちこちではトークイベントが散発的に繰り広げられている。東京でブックフェスというとスペースの関係上、本がメインで、ほかの飲食は1店ずつとかそんなものになることが多いと思うが、ここでは何店もの飲食店・雑貨屋がそれぞれの表現をしていて、それでいて変に商売な感じではなくて、その絶妙な塩梅が素晴らしかった。
ブースの並び
このイベントの最大の特徴と言っていいと思うのだけれども、各国のブースが混ぜ合わされて配置されているのだ。こういう何か国もが関わるイベントの場合、国ごとでブースを分けてしまいがちだと思うのだけれども、ASIA BOOK MARKETでは、日本⇒台湾⇒韓国⇒日本(正確な並びは覚えていない)みたいな感じで隣のブースが必ず違う国のブースになっていたのだ。
それもこれも、隣の国で似ているところも多いのに、意外と違うところもあって、こと出版業界に限ってはむしろ台湾・韓国の方が進んでいるのかもしれない現状だからこそ交流し合ってあたらしい何かを生んでいけたら……という主催者の願いがあるからだ。
実際、去年のフェスで出会った方々があらたな活動を始めた例もチラホラある。
爆発直前のワクワク感
で、なんでここに来るとこんなにもワクワクするのかなーと考えてみたら、おそらくそうやって今まで出会わなかった人と人が出会って、新しいことが生まれつつあって、それがしかもアジアという規模であることが僕が面白いと感じる理由なのだと思った。
まー今回は2回目ということと、体調が万全じゃないこともあり、前回と比べるとそこまでワクつきはしなかったけども、それでも僕は来年もここに来るだろうと思っている。
日本の将来と自分の将来を考えると、国内だけ、という選択肢はあり得ないと思うし、何よりぼくは知らないことを知ることが好きだ。そういう意味違う国というのは自分にとってこれからもっとも知りたいことであり、それは本だけじゃなく体感で知りたいことなのだ。とはいえ、旅なんてしたことがない僕は恐る恐るではあるのだけども。
余談だが、1日目も2日目も飲んだが1日目に飲み過ぎたせいで二日酔いになってしまったことも報告しておく。楽しいと飲み過ぎちゃうよね。
最後に、いろいろ写真を。