まとめ
時間のない方のためにまとめです。
- 品揃え:写真集をメインに海外出版社のアートブック。一ヶ月ごとに本棚が変わるので要注意(そんなものだから本棚の中身は明記しないこととする)。
- 雰囲気:アートが似合うナチュラル木製空間。適度な緊張感が本に対する集中力を上げてくれる。
- 値段:洋書で新刊のため高めのお値段。だが、アートブックを買うのに財布を気にするのはカッコ悪いことである。
- 立地:恵比寿駅から徒歩8分ほど。住宅街にあり分かりにくい場所なので以下の地図を参照して欲しい。
開店時間:12:00 - 20:00
休日:月曜日
展示替えにより臨時休館あり。
TEL: 03-3713-8670
FAX: 03-3713-8670
MAIL:nishiki@limart.net
URL:http://post-books.jp/
Twitter:https://twitter.com/POST_BOOKS
Facebook:https://www.facebook.com/pages/POST/345246728822001
世界には出版社がたくさんある
それは知っていた。知っていたがこんな素敵な本を作っている人がいるということに感動したのだ。恵比寿にある本屋「POST」でのことである。(以下は2014.7.12の記録である。)
見たことのない空の写真集
空の写真は素敵である。誰がなんと言おうとその事実は変わらない。SNSに空の写真をアップするような人はちょっと痛い系だとかそんなことは気にしない。素敵なものは素敵なのだ。問題はその文脈なのだ。写真を好きになっていろいろな人の写真集を少ないながらも読んできた。SNSでの写真でもカッコ良かったり可愛かったりハッとしたり好きな写真があればどうやって撮ったのかを気にしたりしていた。でも、空の写真は要注意だ。空は誰が撮っても素敵になる。そもそも被写体が良いのだから当たり前である。料理におけるハンバーグ。ドラゴンボールにおけるかめはめ波。ワンピースにおけるルフィなのである。良いことが分かりきっている鉄板なのだ。だからこそ、普通に撮っては凡庸になりSNSに上げすぎればクドくなるという訳だ。ところが、これが世界最高の出版社と写真家の手にかかればこうも素晴らしくなるとは。
世界一美しい本を作る出版社「シュタイデル」
POSTの奥。そこにはある出版社のコーナーがあった。Steidl(以下、シュタイデル)。そう映画『世界一美しい本を作る男〜シュタイデルとの旅〜』のあの世界最高の出版社シュタイデルだ。美しい装幀で有名な同社による写真家ウィリアム・エグルストンの写真集『At Zenith』。それがぼくが見たことのない写真集だった。
青を基調とした布製の本で真ん中に雲空が絶妙なバランスに写った写真が配されている。何よりも品が良い。一目惚れである。こんな空の写真集があるとは心底驚いた。
しかもである。POSTにはこのシュタイデルのコーナーがあるのだ。どれもこれも素晴らしい。ある意味、給料日前であったことを喜んだくらいだ。だって、買いすぎてしまうから。
出版社という切り口 一ヶ月ごとに変わる本棚
このシュタイデルコーナーは別だがPOSTは一ヶ月ごとに違う海外の出版社を本棚に入れて紹介するめずらしい本屋でもある。出版社という切り口で本を紹介しているのだ。これは斬新である。今まで5年間、ここには上げていない本屋も含めて100店以上を見てきた。フェアなどで日本の出版社の本をまとめて紹介していることはあるがこんな本屋は初めてだ。
しかし、よくよく考えてみれば本は出版社が出しているものだ。とうぜん出版社ごとに個性があるだろう小さい出版社であるほど特徴がなければ生きていけない)。しかし、出版社は星の数ほどある。対象が世界ともなればその数は途方も無い。そんな中からこれはと思う出版社を一ヶ月ごとに紹介しているのだ。普段は知る機会の少ない海外の出版社。しかも選りすぐりのものである。本好き、特にアートやデザイン系の本が好きな人には堪らない場所であることは言うまでもないだろう。とりあえずぼくはハマった。
無敵の写真集本屋POST
奥にはギャラリーもある。もちろん写真の展示だ。手前の本棚で素晴らしき造本の写真集に舌鼓を打ち、奥のギャラリーでは将来、本になるかもしれない原石を愛でる。POSTは「写真」という切り口においては無敵の本屋なのである。駅から若干の距離があるが涼しくなってきた今日このごろ。たまには恵比寿でアート散歩なんてどうだろうか。きっと満足できること請け合いである。