BOOKSHOP TRAVELLERで間借りをしてくださっている屋号「BOOKS TBD」の山本さんによる、2020年実店舗オープンまでの連載 「ビルトングがくずれても」 第3回です。
1回目は自己紹介と本屋開業の理由について、2回目はブックスモブロとの出会い和氣との出会いに続いて3回目はBOOKSHOP TRAVELLERでの話です。
それではどうぞ~。
***
第3回:間借り店主をしながら考えた
あけましておめでとうございます。正式オープンの日取りを1/11(Sat)にきめました。店舗名はワグテイルブックストア/WAGTAIL BOOK STOREです。昨年末からFBに様子を少しづつアップしているので、よかったら覗いてみてください(アカウントは “@wagtailbookstore”です)
さて、第3回は間借り店主をして感じたことと、店舗物件を探している合間にやっていたことについてです。
BOOK SHOP TRAVELLERで(一棚)書店主デビューを果たすことになりましたが、棚に入れる本についてはどうしようかと少し思案しました。すでに棚を借りているのが個人出版社だったり、考え抜かれたセレクトの本だったり、他のアイテムと組み合わせ(タロット、ブックカバー、アロマ、音楽などなど)たりした個性的な棚主が多いなか、20冊程度、ただ自分の好きな本を並べるだけでは目立たなさそうです。また、先々自分で店舗を持つのにつながる工夫をしたいなと考えました。
というわけで、なるべく毎月テーマを決めて、お客さんの反応を見ることにしてみました。特定の作家を特集したり、分野を限定したり、期間限定でセールを売ってみたり。海外企業の創業者関連の本が思いのほか反応がよかったり、映画関連の本特集はセレクトが悪かったのか全く動かなかったり。xx%オフはやはり効果が大きかったり(笑)
一箱古本市のようなイベントと違い、一定期間店に並べての結果なので、同じお客さんが毎回来ているわけではないにしても、反応の違いにはそれなりに意味があると考えられます。この辺は同じところで商品を並べられるメリットだと思いました。
一日店主も何度か挑戦して、店番をしながらお客さんの様子も観察してみました。もっともこちらは、主に店番に入ったのが平日なうえ、あまり自分の宣伝やフェア台を使った工夫もできず、うまく活用できたとは言い難いですが・・・それでも店番をしていると、個人でZINEやリトルプレス等の活動されている、きちんとファンの付いている方の棚は強いな、手に取ってもなかなか購入して頂けないな、雨の日は本当に客足が遠のくな、などなど、頭ではわかっていたつもりのことを実体験として得られたことは貴重な経験でした。
イベントも自分では企画できずじまいでしたが、何度かお手伝いしたり、お客さんとして参加したりして、小さな企画も、よいアイディアときちんと宣伝をすればそれなりに人が集まるというのを実地で知ることができました。
並行して、店舗開業にあたり足りない部分の勉強をあれこれ進めました。創業セミナーに参加して事業計画の立て方を学んだり、WEBプログラミングの初歩の勉強をしたり。アマゾンのマーケットプレイスも自分の持っている本を出品してみて、本の値付けと売れ方、配送方法と価格、梱包作業などに少しづつ慣れるようにしました。
さらに、新古書系のチェーン店でのアルバイトも始めました。接客業になれること、とにかく沢山本に触れること、どんなお客さんがどんな本を売り、どんな本を買っていくのか。お客さんとして訪れているのではわからない、気づきや発見が沢山ありました。特に、色々な世代の方が、まだまだ本をきちんと買って読んでいる、と実感できたのは励みになりました。
店舗物件探しも進めないといけません。実店舗は立地がとにかく重要と、会う人会う人皆に言われました。日々、合間をぬって、横浜の桜木町~関内~元町あたりを自転車で走りまわりながら、町の雰囲気や、行き交う人々、近隣の様子、新刊書店・古書店の数や客層などを観察しつつ、空きテナントの状況や相場観を調べるところからはじめました。
(続く)