旅が好きですか?
ぼくは旅をしない。漠然とした憧れはあるのだけど不安とか面倒とかお金がないとかいろいろも理由をつけて行動に移したことはない。でも、いつかはしてみたい。異国の地に立って違う言葉を話す人や観たことのない景色を観てみたい。
そう考える時間があったらすぐにでも行動すれば良いものの結局は液晶画面の前で想いを馳せるだけのぼくはただ憧れるだけのワナビーに過ぎないのかもしれないが。
そんなビビリなぼくが旅気分に浸れるのが読書である。時間も場所も気にせずいつだって好きな場所に行ける読書は最高の娯楽であり、その中でも特に旅の本は異国情緒をそのまま味あわせてくれる。疲れたとき。ほっと一息つきたいときにぼくは旅の本を読む。気分は別世界。本を閉じて現実に戻ってきたら明日からも頑張ろうという気持ちになれるのだ。
まさかの失態
そんな旅の本専門店「BOOK246」が閉店すると聞いて急いで駆けつけた。行こう行こうと思いながらも行けていなかった自分が悔しい。駆けつけたは良いものも在庫処分ということで棚はスカスカになってしまっていた。店員さんによると普段はもっとたくさんの本があったようなのだ。ああ、なんたる失態。BOOKSHOP LOVERの風上にも置けないことをやってしまった。穴があったら入りたい気持ちを押し殺して取材する。
BOOK246とは
ちなみにBOOK246のことを知らない方のために以下公式サイトより引用する。
BOOK246は「旅」をキーワードに書籍・雑貨を集めた「旅の本屋」です。ガイドブックから文芸書や写真集、様々なタイプの個性豊かな地図、オリジナルラゲッジタグからアンティークグッズまで、旅にまつわる多様なアイテムを販売しています。実際に役立つだけでなく、店内に一歩足を踏み入れるだけで旅の気分を味わえる、どこか旅に出たくなる、そんな本屋です。
まとめ
時間のない方のためにまとめです。
- 品揃え:旅の本。
- 雰囲気:専門店って雰囲気。オシャレさを演出しながらもガチな旅をしたい人向けって感じ。
- 立地:青山一丁目駅から徒歩3分程度
営業時間:平日11時~22時 土日祝11時~21時
TEL:03-5771-6899
URL:http://book246.com/
Twitter:https://twitter.com/book246aoyama
Facebook:https://www.facebook.com/pages/BOOK246_aoyama/119149908205408?rf=117278208356541
レイアウト
まずレイアウトから紹介しよう(上記写真は店舗右辺から撮ったもの)。
正方形に近い形の店舗である。左辺にはダークブラウンの本棚。そのまま正面まで続いて、正面の辺の真ん中がレジコーナーだ。レジコーナーの右横は壁。普段はどんなカタチで使われていたか不明だがこのときはBOOK246への愛があふれた展示となっていた。
右辺はビニール製の覆い(屋台によくあるようなアレだ)で簡単に店舗外に出れる。とはいってもビルの中ではある。そのまま進むとカフェコーナーである。旅の本を買い込んでそのままカフェで読むだなんて最高の贅沢ではないか。
入口側の辺は面陳棚でセール品。隣が雑貨が置かれた棚で、これで店舗を一周したことになる。店舗中央には平台が2つ。左のは完全に平積みでフェア。右のは立体的なディスプレイで雑誌やzineである。
品揃え
今回は本も少なくなっているしということで、ざっと概観だけお伝えする。ここから在りし日のBOOK246を思い浮かべていただけたら幸いだ…と言いつつ自分は普段のBOOK246を知らないのだが。ああ。悔しい。やはり悔しいものは悔しいのだ。
それはそうと品揃えである。癒し系ガールズBGMを聞きながら見ていく。
左辺には写真家さんから贈られた写真が上部をドーンと占めている。空いている分に展示しているのだ。写真を寄贈される本屋。素敵である。ちなみにこのときの左辺の本棚は3段だったが本来は5段あったらしい。壁一面の本棚。見てみたかった。
さて、主だった書名のみ挙げていく。雑誌だと『IMA』、『BIRD』、『POPEYE』、『TRANSIT』、『SKYWARD』、『暮らしの手帖』、『KINFOLK』などだ。『POPEYE』があるのはさすがである。zineもたくさんある。『new balance』、『SWISS』などである。さらに、旅といえばこの人! 石川直樹の写真集。ぼくの心を鷲掴み! 『世界の夢の本屋さん2』。『地球の歩き方』など実用的な本もしっかりある。
写真に文章に、実用書。様々な切り口の「旅本」を置いてある。やはりもっと早くに来ておけば良かった……。
専門書店の素晴らしさ
専門書店はひとつの切り口に色んな本を引き寄せられる。自分では考えもつかない本がその専門書店にあることがあるのだ。これは正直言ってかなり楽しい。旅が好きだったら旅に一見関係なさそうな本で大型書店だったら手に取りもしないだろう本でも旅の本専門店にあるからこそ手に取るという出会いがある。
あえてひとつのジャンルに特化することは可能性を狭めるようにも思えるが実は違うのではないか。「〜の本専門店」に置いてあるからこその出会いを演出していたのではないか。ぼくは食の本が好きだから「COOK COOP BOOK」は好きだしそこで紹介されていたら思わず買ってしまう。なんでもある大型書店でもなく通い詰めないと分からない個性を押し出したセレクトショップより「〜の本専門店」というジャンルセレクト型本屋がもっとあっても良いのでは、と思うのだ。
(神保町の古書店街はほぼ全て専門が決まっているがそれは「〜の本専門店」には含めない。また、屋号にはないが実は「〜につよい」という本屋も含めない。もっと「〜の本専門店」と銘打ったカジュアルな本屋が欲しいという意味だ。)
GOODBYE BOOK246
何はともあれ2014年4月15日で BOOK246は大勢のお客さんの名残惜しさを背に閉店してしまった。閉店の理由は話によると契約が切れたからとのことだがやはり売上が厳しかったのだろうか。
ラストの贈本市には多くのお客さんが来ていたようだし、もしかしたらBOOK246に影響を受けた本屋が今後どこかに生まれるかもしれない。ぼくはそのお店に是非行ってみたいと思う。もちろん閉店間際ではないときに。