デザインを更新するにあたって本屋探訪記を中心にした本サイトの趣旨を改めて説明したほうが良いと考えこの文章を書くことにした。
本サイトは副題にあるように「本屋をもっと楽しむためのポータルサイト」である。「ポータルサイト」と言えるほどの情報量は正直まだないがこれからどんどん増やしていくことを目指すという意味であえて「ポータルサイト」と銘打たせて頂いた。
本屋が好き
さて、ぼくは本屋が好きだ。そりゃこんなサイトを運営しているのだから当たり前だが、あえてここにも書いておく。ぼくは本屋が好きだ。
もちろん本も好きだがそれよりも本屋という空間が好きなのである。本屋に行って本棚を眺めているとワクワクしてくる。未だ手を付けていない読まれることを待っている数々の本たち。短い人生の中で読むことが出来るものはその内ごく僅かだが手を伸ばせば知らない物事・物語をすぐに知ることができる。そういう未知の可能性たちに囲まれていることにワクワクするのだ。
本屋に行きますか?
ところで、読者の皆さまは本屋に行くだろうか?
というのももう何年もの間、日本全国における書店数が確実に減り続けているからだ(このことについては以下のサイトに詳しい。データ上では出版業界は相当厳しいことになっている)。
しかし、本屋に行くとそんなことはいざ知らず多くの人がいる。出版不況なんてものはデータのイタズラではないかと思えてしまう。もちろん現場の書店員からすればそんなことはないだろうし実際、出版業界から出てくる情報を見ていると状況は予断を許さないことは分かりすぎるほどによく分かる。店舗の大規模化に伴う中小書店の減少。街の本屋がなくなることによって将来世代の読書率はどうなるのか。いやそもそも少子高齢化で子供自体が少なくなるしそれどころではない。出版業界だけの話ではないぞ。どうなるんだ云々。
本屋ブーム
一方、こんな状況の中で開業する強者もいる。例えば「スノーショべリング」や「SUNNYBOY BOOKS」、「天狼院書店」は記憶に新しい。もちろんこれらの他にもたくさんの本屋が開業した(それ以上の本屋が閉店した)。それをけん引するかのように2013年は「本屋ブーム」が押し寄せた。多くの本屋本に本屋開業講座。縮小市場にこれだけの人が集まるのも面白い。実際、去年の「本屋ブーム」は「本屋に行くこと」のブームではなく「本屋について語ること」「本屋を夢見ること」のブームであったように思う(これは以下のイベント報告が詳しい)。
本屋を応援したい
こういった本屋ブームが始まる前、2011年に本サイトの前身となる「本と私の世界」は公開された。
当時、大阪にいたぼくは自分の好きな本屋を探していた。「本屋になりたい」という気持ちもあったので見つけた本屋を記録しておこうと思ってはじめたのが「本と私の世界」だったというわけだ(その後、2013年初めに「BOOKSHOP LOVER 〜本屋好き〜」として改名)。
そうやっていろんな本屋さんを回っていると大型書店もいいが店主の個性がにじみ出る小さい本屋さんのほうが好きなことに気がついた。ところが、そういう本屋は気づくと無くなっていることもある。せっかくの素敵な本屋が無くなっていくのは本当にもったいない。お気に入りの本屋さんは知のたまり場であり人のたまり場でもある。そんな場所が無くなっていくのは悲しいことだと思った。どうにかできないか。
BOOKSHOP LOVERは本屋をもっと楽しむためのポータルサイト
そう考えて本サイトでは本屋探訪記によるアーカイブだけでなく本屋を応援する情報を届けることにした。以前のデザインと比べるとより見やすくなっていると思う。イベント情報や地域ごとのまとめも配信していければと考えている。本を買うためだけで無くなんとなく知的で素敵な何かに出会うために本屋に行って欲しい。知や人との出会いが本屋には溢れているのだ。
もっと本屋を楽しむため。
本サイトが本屋を楽しむ一助となってくれればと願う。
BOOKSHOP LOVER運営人 wakkyhr