梅雨も明けて気持ちが良い日が来るかと思いきやいきなりの猛暑が襲ってきた中、我々は本屋巡りをしていた。
メンバーは地元に本屋を開きたいというK男と本屋を卒論のテーマとしている学生K子である。ある会でご一緒したことでこの本屋巡りをすることとなった。
目的地は都立大学駅にあるzine専門店「MOUNT ZINE」と今回取り上げるのは学芸大学駅にある「SUNNYBOY BOOKS」だ。時間が余ったのでその後、代々木公園近くの古本屋「リズムアンドブックス」にも寄ったが、「MOUNT ZINE」と同様に次回以降に紹介したい(以下は2013年6月23日の記録である)。
まとめ
時間のない方のためにまとめです。
- 品揃え:全体の冊数は少ないがデザイン・アート系を中心に、思想・哲学、文学もあり、コミックも素晴らしい。
- 雰囲気:街中にあるカフェや雑貨屋のような雰囲気。
- 立地:学芸大学駅から徒歩5分程度
営業時間:平日 13:00-23:00 / 水・木 15:00-22:00 土日祝 12:00-21:00 / 不定休
(おやすみはサイト内のnewsまたはTwitterでお知らせしています)
お問い合わせ:info@sunnyboybooks.com
URL:http://www.sunnyboybooks.com/
Twitter:https://twitter.com/sunnyboybooks
Facebook:https://www.facebook.com/pages/SUNNYBOYBOOKS/238355419555377
オシャレカフェのような外観
さて、本題に入ろう。SUNNY BOY BOOKSは都立大学駅から徒歩5分ほど。住宅街の中にあるこの店の外観は白い外壁に大きな窓。外に置かれた均一棚でそれと分かるが一見オシャレなカフェのようでもある。
レイアウトと雰囲気
入ってみると店内の涼しさに救われる。この日は暑かった。2リットルペットボトルを一気飲みできそうな程だ。
ほぼ正方形の形の店舗には真正面奥のレジを除いて壁沿いに手作りと思しきスチールの骨組みと木板の本棚がある。こういう本棚が欲しいよなあ。ひとしきり感心したあと店の真ん中に目をやると平台があり本はもちろん雑貨なども置かれている。
雑貨といえば店内には本だけでなくバッグや文房具なども置かれており棚にアクセントを添えているのが面白い。
流れているのはアメリカンポップス。若い店主が工夫を凝らしてやっているのだろう。
この取材について話したら快くOKしてくれた。それなりに多くの本屋さんをまわってきたがやはり若い店主の方が撮影やメモについて快諾してくれることが多い。しかも今回はご縁で参加することになったUstream番組「最初のブックエンド」で取り上げることも許可して下さった。ありがたい限りである。
SUNNYBOY BOOKSの品揃え
入口入ってすぐ左の本棚は女性向け
さて、品揃えについて書いていこう。まずは外の均一棚からと思ったのだが、あいにくとメモを忘れてしまったので値段だけ。50〜200円。
左回りに見ていくことにしたのでまずは入口すぐ横の本棚である。ライフスタイルや児童というラベルが本棚についていて『おやつストーリー』、『かんさい絵ことば辞典』、『ハックルベリイフィンの冒険』などである。ご近所の奥さんがとりあえず手を伸ばせるような品揃え。子どもに買って帰るもよし。自分のためにも買えばいい。
入口側の辺と店舗左辺との角の棚はコミック
次の棚は女性向け棚のすぐ隣にあり店舗の角でもある場所にある。ここはすべてコミックに割かれている。なかなかにマニアックな品揃えでメモを取るぼくの心を静かに鷲掴みしたことはここだけの秘密だ。市川春子の『25時のバカンス』を買ってしまった。
店舗左辺の本棚は文学
コミック棚の次は文学棚である。ストーリーつながりである。数は2本。
ここにも棚にジャンルが書かれており1本目は英米文学5段にフランス文学1段、ロシア文学とドイツ文学とイタリア文学で1段。
『世界のすべての7月』、『アンドレ・プルトン』、『ロリータ』、『魔の山』、『美しい夏』など。
2本目は詩集3段、日本文学4段、日本文化で1段。谷川俊太郎、小野十三郎、保坂和志、池澤夏樹、『源氏物語』などてある。
店舗正面。しかし奥の作業スペースのために壁沿いではない棚
ここは社会派コーナーである。全部で3本。
1本目は角にある斜めの本棚。哲学7段、自然1段で『多言語主義再考』、『街場の中国論』、『海獣の子供』など。
2本目が人類学・民俗学3段、宗教・ミステリー2段。『日本奥地紀行』、宮沢賢治、岡本太郎、レヴィ・ストロース、『ユダヤ教とは何か』、『キリストの言葉』、『ゾンビ伝説』など。
次の3本目は細いのでレジのすぐ横である。ジャンルはSFで『交響するコスモス』、『火星のタイムスリップ』、『ダール・グレン』などだった。
店舗右辺の本棚 アート・デザイン
ここには3本の本棚がある。
レジ側から見てくと建築1段、デザイン3段。『思考都市』、『デザインのデザイン』、『装丁の中の絵』、雑誌『スタジオボイス』など。
2本目はアートで3段に面陳1段、写真1段、最下段にアート1段。『クレーの絵画』、『無限の網』、『日本写真史を歩く』、『ゴッホ』などなど。
最後の本棚である3本目はバッグがぶち抜きで3段分に映画・演劇3段だ。『いい映画を見に行こう』、『黒澤明』、『あぁ荒野』、『バルトークの言葉』など。
平台は店のスターダム
だとぼくは思う。狭い店なら尚更だ。ここには主に文具と小出版社の新刊本である。
noteBook(PORT俳句からTwitterまで)、美篶堂コトノハノート、ファーストユニバーサルプレスの原稿用紙が文具で、本は『本の島々』、四月と十月文庫、夏葉社、『朗読劇 銀河鉄道の夜』となっていた。
好物ど真ん中の品揃え
SUNNYBOY BOOKSの品揃えはこんなところだ。もちろん古本屋だから中身は頻繁に入れ替わるだろう。ここで取り上げた数少ない本も次行ったときにはなくなっているかもしれない。
だがしかし、それでもぼくはこの本屋さんが近くに欲しい。通勤帰りに寄れるような場所に会って欲しい。なぜなら好みど真ん中の品揃えだからである。
ぼくが好きな石川直樹さんの写真集やアートやデザイン関係の品揃え。サブカル好きが好みそうなマニアックコミック(知ってはいるが読んだことないものばかり)に夏葉社さんや四月と十二月文庫。もちろん本屋の本もけっこうある。その上、値段はお手頃とくればこれはもう…!!
本好きなら誰もが一度は願ったことがあるはずだ。自分の好みの本屋さんが近くにあれば…と。ぼくにとってはそんな本屋さんがSUNNYBOY BOOKSなのだ。新刊書店でそう思ったことは他にもあるが古本屋さんでは少ない。
デザイン、写真、本の本などと言ったキーワードにピンとくる人はぜひ寄った方が良いと言いたい。
もっと写真が見たい方はFBページ「本屋好き」の写真アルバム「SUNNYBOY BOOKS」まで