偶然見つけた、東京芸術学舎での全5回の講義「いつか自分だけの本屋を持つのもいい」。BRUTUS副編集長であり現在はフリーランス編集者/美術ジャーナリストである鈴木芳雄さん鈴木芳雄さんを司会として毎回続きますワタクシの好みど真ん中の講義でございます。
東京芸術学舎
http://gakusha.jp/tokyo/
鈴木芳雄
http://fukuhen.lammfromm.jp/
体中を駆け抜ける衝撃と共に「これはもう行くしかないでしょう!」といつのまにか申し込んでおりました。
ということなので、第一回のレポートを覚書としてまとめさせて頂きます。
概要
まず、第一回目の講師はブックディレクターとしてBACHを運営し本棚づくりをして生きておられる幅允孝さんでございました。
幅允孝
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%85%E5%85%81%E5%AD%9D
BACH
http://www.bach-inc.com/top.html
幅さんのこれまで
- 幅さんがどうやって仕事してきたか(青山ブックセンター→ライター兼業→石川次郎さんのJIで編集業→BACH)
- アマゾンの影響
- ツタヤ六本木店が最初の本棚づくり
幅さんの仕事の紹介
- ブルックリンパーラー
- リハビリ施設での本棚づくり
- 東京ミッドタウンのGWでのイベント(広場を図書館にするみたいな。でも本棚じゃなくてバスケットの中にセットで本を用意する)
- Tokyo's Tokyo(あえて冊数を少なくする強さ)
- ギャル向けの本棚
気になった点
お客さんと共犯関係にあること、など
- 本を買ってもらうことではなく、本を手に取ってもらうことを仕事のゴールとしていること。だから、本があるいみ販促物的な扱いでも構わないと考えていること。
- 本を手に取ってもらうための環境づくりが仕事。なので、本の読み方まで決めてしまうようなつくり込みはしない。ツッコミ甲斐のある本棚。余白・余裕のある本棚。
- 考現的マーケティング。現場の近くの店で何時間も人や車をタダチェックすることだったり、その場の空気感を把握すること。
- 主語のある主張。「自分が」面白いと思ったことをどうやって伝えるか。情熱と技術。
- 「好き」と「お客さんに手に取ってもらう・売る」のバランス。主観を軸にしながらも、どうやってニーズとバランスさせるかが大事なようですね(本屋さんは皆そうかもしれませんが)。
- お客さんを信用すること。お客さんと共犯関係になること。ツタヤ六本木店でやったカフェスペース以外でもコーヒーが飲めるようにしたときは、多少汚れていても雑誌を買ってくれたりした。
- お客さんの体が気持ちいい状態にすること。そういう余裕があってはじめて今までにない新しいものを手にする気持ちになる=本を手に取るようになる。
本の伝道師 幅允孝
概して、「本の伝道師」であるかのような印象を受けました。
書評家ではなく、あくまで本の面白さをどうやって伝えるか。自分が面白いと思うことをどうやって伝えるか。
「アマゾンが台頭しているからこそのネットにないものをどうやって見せるか」を実践している人でございました。
内沼さんがプロダクトとして本を考える人(でも、そんな人が街の本屋さんをやっているのでそこは興味深いです)だとしましたら、幅さんは本を「読むもの」として捉えているのかなーと感じました。ブックディレクターというとカッコイイですが要は「本を勧める人」とも言い換えられそうでございます。あまり上手く言えていませんが(苦笑)
授業のあとは1時間半くらいの飲み会となりまして、まだまだ初めてなので緊張していたのと、幅さんがもう一人のフクヘンさんとよく話されていたので、他の人と話す感じにはなりませんでしたが、今はこんなところでしょう。次回も既に講義は受講しておりますので近日中にアップいたします。