棚貸し本屋BOOKSHOP TRAVELLERを開店してから来月には丸3年、スタート時の8店から徐々に増えていまは約100店のひと箱店主が出店してくれていますが、その中には作家や出版社といった作り手サイドの方もいれば、実店舗をお持ちの本屋のサテライトショップ的に借りてくれている人もおり、中には無店舗だけれども本屋活動をしてくれている方もいるわけです。
その中でもECサイト(ネットショップ)で本を販売する方はそれなりの数いるわけで、そういう方々に聴いてみるとどうやら古本だけでなく新刊も扱っているらしいのです。
僕はつい実店舗がなければ取引できないと思っていたので驚きました。さらに、BOOKSHOP TRAVELLERに借りている方だけでも、新刊取引をしている無店舗・ECサイトありの本屋がいるということは、もしかして、日本全体で見ると増えているのではないか?
そう思い、直接聴くことにしました。お相手は、内沼晋太郎さんの『これからの本屋講座』(NHK出版)にも出てきている取次「子どもの文化普及協会」さんです(メール取材。2021年3月5日に返事がありましたが、諸々ありまして遅れました……)。
子どもの文化普及協会は作家の落合恵子さんが1976年に開いた児童書専門店・クレヨンハウスが母体となって1984年に創立された本の卸業者(=取次)で、当初は子供の本がメインでしたが、いまでは約300社の商品が仕入れられるようになっています。特徴は買切・翌月払ということですね。まあ詳しくは内沼晋太郎さんのnoteをご覧ください。
在庫リスクは負いますが、これで実店舗を持たなくとも本屋活動の品揃えに大きな幅をもたせることができるようになりそうです。
さて、この子どもの文化普及協会のご担当者さんによると、ECサイトとの取引は2012、3年くらいからスタートしたようです。そして、取引件数についても確実に伸びているようですね。2020年だと関西、特に福岡が多いとのこと。取引先が本屋に限らない、というのも面白く。独立書店や異業種店の数が増えている感触はやはりあるようです。
以下、「ネット通販のみの本屋とのお取引は以前からございましたか?」「ネット通販のみの本屋がお取引を開始する方法」「独立書店が増えている感触があるが実際取引件数は増えているのか?」に対する返答を載せますね(2021年3月5日時点のものです。お気をつけください)。
Q1.ネット通販のみの本屋とのお取引は以前からございましたか?
- ECサイトの取引は2012、3年くらいからスタート。
- 子どもの文化普及協会との取引は、ネットショップなどの業種に関わらず、特に制約はありません。
Q2.ネット通販のみの本屋がお取引を開始する方法
上記、理由のため通常の取引開始と同様。以下URLから申し込めます。
独立書店が増えている感触があるが実際取引件数は増えているのか?
- 2021年3月5日時点で取引のあるECサイトは約70件。
- コロナウイルスの影響もあると思われ、この間、大きく売上を伸ばしました(前年比200%超えは当たり前くらいの伸びが続いている)。
- 新規での(ECサイトのみに限らない取引先)件数も大きく伸びています。
- 先方からの依頼で取引を始めたいという方がほとんどです。
- ECサイトの具体的な新規件数は、2017年 3件、2018年 3件、2019年 8件、2020年 19件(書店以外の業種も含む。独自でのサイト運営、また楽天などに出店するケースなど様々)
- 長年実店舗をやってきたが、閉鎖してWEBショップのみで継続しているという得意先もあります。
- コロナウイルスでお客様が来なくなったので通販で頑張る一方、お客様への送料負担で苦しいといった声もあります。
- 初回から当面は前払いですが、保証金など必要なく取引可能です。
- 独立書店については明確なカテゴリー分けをしているわけではありませんが、確実に増えている感触はあります。
- 2020年取引開始に限定すると傾向として西の地域、なかでも福岡が多いです。
- 最近は、弊社と取引を希望する出版社が増えてきました。
- 書店不況のなか、新たな販売ルートを懸命に探しているのだろうと思われます。
本屋活動をしている・したい方で新刊にご興味のある方はぜひ子どもの文化普及協会さんにご連絡してみてくださいね。