独立書店論というか独立書店考というかそういうのを考えるにあたって、周辺のカルチャーも気になるわけで、それが論の役に立つかどうかは置いておいてとにかく気になるカルチャーのことを体系的に知っていこうということで、五里霧中にこの本も入るのだ。入るったら入るのだ(たぶん本屋とは関係なさそうだけれど)。
そもそも香りが気になったのはBSTにアロマ書房さんが参加してくれているからで、だから香水というよりはアロマオイルがはじめではあるのだけれども、ともすればオンオフの切り替えのないのっぺりとした日常になってしまいがちなフリーランスとしては、気持ちの切り替えに香りはピッタリだなあと思うのである。
(それに考えてみれば香りとファッションは密接に絡み合っているし。)
さらには香りで覚えたりなんてした日にはそりゃオシャレで良いじゃないですか。そんな下心もありつつも何はともあれ香りの世界って気になるよなあと思っていたところにこの展示である。
連れ添いに教えてもらってそりゃ行かざるを得ないでしょうと思って行ってみたら、これがまあ良くて、まんまと図録を買ってメモまでしてしまったと。そういう塩梅なのである。
で、あるからして、香りはまだまだ分からないことだらけなので今回は箇条書きで気になったことを書いていく形式でいこうと思う。メモレベルである。
香水メーカー
- マイセン
- チェルシー
- ウェッジウッド
- サムソン
- ロイヤルコペンハーゲン
- 日本陶器(森村組)=オールドノリタケ
- セーブル
- ロイヤルクラウンダービー
- ロイヤルウースター
- 藤田喬平の飾筥シリーズがかわいい
- 富本憲吉の白磁の香炉がかっこいい
- ボヘミアンガラス
- ビーダーマイヤー様式 単純で控えめな装飾が特徴(ナポレオン戦争終結時から19世紀半ばまで)
- エミール・ガレ アール・ヌーヴォーにおけるガラス工芸の第一人者
- ドーム兄弟 上に同じく
- カール・パルダ ボヘミアのガラス作家 1888年にノヴィー・ボルで工房を開いて1920年代〜1930年代にかけて幾何学文様デザインによる一連の作品を制作
- オーストリアのレッツ・ヴィットヴェ工房 アールデコ時代へはうまく適応できず
- ルネラリック(1860-1945)はアール・ヌーヴォー全盛期にジュエリーデザイナーとして才能を開花、最初の香水瓶は「レフルール」(コティ社)ガラス製のプレート、オリジナル香水瓶の代表作「シダ」「ユーカリ」
- 1830年創業のドルセー社
- 1775年創業の香水店ウビガン社、ラリックに注文してアントワネットやナポレオンも愛好したという「美しい季節」
- 南フランスの香水の町ダラースとそこで創業したモリナール社
- イギリス人の服飾デザイナー、シャルル・フレデリック・ウォルトが1858年に創業したウォルト社はラリックに28種類もの香水瓶のデザインを依頼
- マルク・ラリックはルネラリックの息子、1926年に父とラリック社を設立、ニナ・リッチ社からの依頼でハート型の穴で「喜びの心」
- ポール・ポワレは自身の香水をオートクチュール店で発売したはじめてのデザイナー「ロジーヌ社」から「道化」
- クリスタルガラスメーカーのサンルイ社による「ラムセス2世」
- 1764年創業のクリスタルガラス・メーカーのバカラ社は19世紀末から20世紀初頭に各社から続々と香水瓶を受注、
- 1904年に調香師フランソワ・コティの創業したコティ社
- ゲラン社は1828年に調香師ピエール・フランソワ・パスカル・ゲランがそうぎきた香水商で「ロシアの皮」は1875年に作られた
- クリスチャン・ディオールは1946年に創立。
- エルザ・スキャパレリは独創的なデザインで1930年代のモードをリード、「太陽王」はダリがデザインした
- 香水瓶の「パリの宵(ブルジョワ社)」がめちゃかわいい!
- 香水=香料をエチルアルコールに溶かした液体。これが登場するのはアルコール蒸留技術が確立した13世紀ごろ。
- 名の知られている最も古い香水は「ハンガリア女王の香水」は14世紀後半に生まれたと言われている
- 香水の濃度ごとの差は覚えておきたいなあ。パルファム、オードパルファム、オードトワレ……。
- 天然香料と合成香料を用いて様々な原料を混ぜ合わせた調合香料が市販されている香水のほとんどで使用されている。1880年代以降。
- 1920年代以降に出たものが近代香水の原型で、その後、事情が変わりながら20世紀には欧米を中心に急速に香水産業が発展した。
- 日本へは仏教伝来の6世紀以降に持ち込まれた香りの文化。薫香の風習。平安時代の「薫物合わせ」この頃には上層階級には根付いていた。『源氏物語』の梅枝帖を参照のこと。室町時代には「香道」になる。鎌倉時代、室町時代どは組香の遊びが普及。
- 香木を入れる香箱・香を焚く香炉・焚き殻を入れる焚殻入が香盆を用いた香道具の標準的なセット。
- 桐に鳳凰、松に鶴、竹に虎といったおめでたい植物と動物の取り合わせを瑞禽嘉木という。
- 衣服を上に懸けて香を焚きしめるのに用いる伏籠
- 寝ている間に髪に香を焚きしめる枕が伽羅枕
- 鶴岡八幡宮の国宝「籬菊螺鈿蒔絵硯箱」
- 香木の種類は伽羅、羅国、真那賀、真南蛮、寸門、多羅、佐曾羅の6種類
- そもそもアクイラリア属またはゴニスティルス属の植物が何らかの理由で樹脂化したもので水に沈むことから沈水香というが沈香と呼ばれることが多い