3/5金の近藤康平さんとのトークイベント向け読書その3。
3/5金18時半~【オンライン】「絵の旅 本の旅」 ~近藤康平1st作品集『ここは知らないけれど、知っている場所』原画展inBST 開催記念トークイベント~ https://peatix.com/event/1823167
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平松洋子さんや木村衣有子さんなど食の本がが僕は結構好きなのだけれど、そうやって色々な本屋をまわっていると吉田健一さんの名前を何度か見つけることになる。特に古本屋を巡っている場合だ。結構前の本なのに値段も下がらず好きな人が手に取るのをじっと待っているような本。
たしかウチの本棚にも一冊くらいあった気がするけれどまだ読んではいなかった。それがこういう機会があると読めるのだから楽しい仕事なのである。
収録作は2篇で『金沢』と『酒宴』とタイトル通りであるが、まず『金沢』の冒頭である。
"これは加賀の金沢である。尤もそれがこの話の舞台になると決める必要もないので、ただ何となく思いがこの町を廻って展開することになるようなので初めにそのことを断って置かなければならない。"
これである。終始、このような調子で進む。舞台は金沢ではあるけれども主人公の内山が金沢でのことを任せている骨董屋(作中によると当時の金沢では身の回りのことをほとんど任されるらしい)に連れられて、何人かの人に会い、目を楽しませ、酔い、器に狂い、会話に興ずる。
時間の流れが一定でなく、場所がいつの間にか移動する。夢と現実の区別がつかない、『インド夜想曲』に近い浮遊感だ。
違いがあるとしたら、日本的な美徳や、東洋的な美的感覚と教養で、その点、『インド夜想曲』と比べるとインナーサークル的な要素があるように感じた。
正直、会話で表現されていることの半分も理解していないのだけれども、日本美術を学んでいけばもっと分かるようになるのだろうか。なれたらいいな。
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ということで、今まで近藤康平さんの選書を3冊読んできたわけだが、共通するのは、夢と現実、旅、浮遊感な気がする。たしかに近藤さんの絵を前にすると、現実と遊離するようなそんな感覚を覚えるがそういうことなのかな。
明日はそんなことについても話していきたい。
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さて、まだまだ席ありますし、参加者は14日までアーカイブ動画が視聴できますので、ぜひご参加ください〜
3/5金18時半~【オンライン】「絵の旅 本の旅」 ~近藤康平1st作品集『ここは知らないけれど、知っている場所』原画展inBST 開催記念トークイベント~ https://peatix.com/event/1823167