近藤康平(こんどうこうへい)
1975年生まれ。大学院農学科修士課程卒業。森林学を学ぶ。絵本専門書店員などを経て、2009年よりライブペインティングパフォーマーとして活動を開始、NakamuraEmi、コトリンゴ、坂本美雨、白井良明(ムーンすライダーズ)、Schroeder-Headz、中村佳穂、オオヤユウスケ(Polaris)、奇妙礼太郎、成山剛(sleepy.ab)ほか多数のミュージシャンと共演。CDジャケット、書籍装丁、舞台美術等、さまざまなジャンルを横断して絵を描く。
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3/5金18時半~【オンライン】「絵の旅 本の旅」 ~近藤康平1st作品集『ここは知らないけれど、知っている場所』原画展inBST 開催記念トークイベント~
衝撃を受けた出会い
近藤康平さんの絵に出合ったのはとある酒席のことだった。2020年の秋ごろのことだ。zoom飲み会で僕の独立直後からの知り合いであるひとり出版社・月とコンパスの西山雅子さんがついに本を出版するというのだ。
それがこの『ここは知らないけれど、知っている場所』だった。
始めて観たとき、僕は久方ぶりの衝撃を受けた。
僕はどちらかというとロートレックとかスタンランとかあれくらいの時代のポスターアートが好きで、風景画や抽象画はそこまで好きではないと思ったのだけれども、近藤さんの絵を観て、風景画とか抽象画とかそういうジャンルで考えることが無駄だということを痛感したのだった。
では何に衝撃を受けたのかというと、観たときの感覚である。
こう、何か圧倒的なものに出会ったときの感覚、のようなものを感じるのだ。海や山や森や空……自分の手には及ばないとにかく大きなものに出会ったとき、ポカンと、ボーっとしてしまう。吸い込まれるような感覚。
都会生まれ都会育ちであるがゆえに大きなものに惹かれてしまう性質を持っている僕としては、この感覚と街中で出会えることは本当に嬉しいことだ。
そういえば店を開く前、もし自分で店を持てたらこんな絵や写真を展示してもらいたいなと思った記憶がある。そのときは店を持てるだなんてまったく思っていなかったので「無理だろうなあ」と諦めていたのだけれど、今ならできる。この場所ならできる。
そう思って西山さんにラブコールをしたのだった。
結果は良好。代田橋 CHUBBYでの個展に西山さんに呼ばれたので行ってみると在廊されていた近藤さん。初対面だというのに歓迎してくてくださった。絵と同じように大きな人だ、というのが僕の感じた第一印象である。
無事2/26から3/14までの期間、展示をしてくださることになり、しかも描き下ろしの絵まで描いてくださるというのだから夢のようである。
そうして企画が進む中、西山さんから「オンライントークイベントをやりませんか?」とお誘いがかかった。せっかくのチャンスに飛び込まないわけがない。
他店での展示でご挨拶をし、設営時にも同席したが、実は近藤さんとしっかりお話したことはまだない。展示が始まりしばらく経つが、正直、どんな会になるのか分からないところもある。
でも、少しお話しただけでも音楽の趣味や本の趣味が結構似ていることに驚いた。設営の最中は近藤さんがライブペインティングをされた曲をプレイリストで聴いていたのだけれども、流れてきたのは知らないけれど好きな曲ばかり。まさに「知らないけれど、知っている」。僕にとってそんな音楽ばかりだった。
しかも、影響を受けたという本も『モモ』やタブッキの『インド夜想曲』、堀江敏幸『郊外へ』、長新太『ごろごろにゃーん』など読んだことのある/読みたかった本ばかり。
聞きたいことはたくさんある。
出版の経緯はもちろんのこと、「なぜ鹿なのか?」「寒い場所のイメージが多いのはなぜなのか?」「影響を受けた本のどういうところが絵に反映されているの(いないの)?」「台湾でのパフォ―マスについて」「絵の中の男性・女性は誰なの?」etc……
ミュージシャンとのライブペインティングパフォーマンスが有名な近藤さんだから、ファンは音楽好きアート好きな方が多いと思う。でも、3/5金では本好き本屋好きにこそ近藤康平さんの魅力を知って欲しい。
きっと『モモ』やタブッキ、堀江敏幸、長新太(あときっと荒井良二や吉田篤弘も!)などが好きな方は面白い話を聴けると思う。というか僕が聞きたい。本当に。
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ということで、オンライントークイベントの参加者を募集中です。18時半からと少し早いですが途中参加もOKですので、ぜひご参加下さい。
3/5金18時半~【オンライン】「絵の旅 本の旅」 ~近藤康平1st作品集『ここは知らないけれど、知っている場所』原画展inBST 開催記念トークイベント~