いやー歳を越しましたね。ピースオブケイクの炎上もあり、noteではなくこちらにちゃんと書いていこうと決めた年始から早1週間。ようやくアップです。
まずは全体感を
今年を振り返るとやはり新型コロナウイルスのことを抜いては語り得ないだろうと思うわけでございますが、そうなると大状況から話すことになるわけで、そこで思い出すのがどこかで見た文章で「疫病は社会の速度を速める」といった趣旨の言葉がありまして、つまりいまの日本社会(あえて世界のことは語りません)のグダグダは遅かれ早かれどこかで直面していた事態なのだと最近は思うようにしています。
権力者が自身の権力に自覚的でないことも、差別を差別として認識できない社会であることも、市民が社会の構成員であることに自覚的でないことも、全体最適よりも仲間内の最適化を優先してしまう忖度社会であることも、きっとすべて今の日本社会の仕組みというか構造というかそういうものにプリセットされていたものなのではないかと今の僕は疑っていて。
でも、それなら何をやっても無駄だと言いたいわけではまったくなくて、だからこそその根本というかボトルネックというかそういった部分を変化させるためにはどうしたら良いのかという認識を持てるとも期待していて。
きっとそういう感覚の人は表に出なくてもまだまだ少ないながらも割とたくさんいるんじゃないかとも思っています。
と同時に自分も日本社会の中に生きる1人でもあるので、きっと先述の構造の中に事実として取り込まれているわけで、ぜんぜんまだまだダメダメな部分もおおいにあるかと思います。ですが、僕が海外在住などをいまのところ考えていない以上、構造の内部で改善を考える、ということしか引き受けられないのではないかとも思っているのです。
ここまでは僕なりに勉強して感じているただの独りよがりの仮説というか妄想というか見立てです。
和氣個人のお話
さて、そんなこんなを前提にしつつも、和氣個人として大きかったのは、秋冬のEテレへの出演と朝日新聞夕刊の一面に店が掲載されたことでした。
インターネットの世界ではオールドメディアと言われて久しいテレビと新聞ですが、実際自分が出てみて思うのは、やはりリーチ力がまったく違うということで、インターネットの世界とは違う層に確実に届くということ。
リアルな場を持つ店を運営し、また他の独立書店を紹介して行ってもらうという僕の仕事からすると、テレビも新聞もとても大きい影響力を持っているなと実感できたのは自分としても大きいことでした。
加えて『続 日本の小さな本屋さん』の取材執筆出版も無事終え、今年一年は去年から暖めていたり育てていたことが芽吹いた年だったなあとあらためて思っています。
独立書店の2020年
さてさて、独立書店の2020年についても少し触れたいと思います。
去年の独立書店を取り巻く状況は、まあこれは「独立」とある通り一店一店にそれぞれの事情がありその事情や物語を鑑みてこその独立書店ではあるので「一概には言えない」というのが本当だとは思いますが、それでは締まらないのであくまで全体感として書くとすれば「数が増え」「棚貸し本屋が盛り上がった」というところでしょうか。
長くなるので、細かくは後日書こうと思いますが、コロナ禍もあり一店一店を見れば厳しい状況の店も多々ある中で、全体としては「独立書店を目指すこと」「独立書店という形を選ぶこと」がより一般化されたのかな、と。
その上で僕はどうしようかなー、ということでようやく2021年の抱負になるのですが、良い加減、長いのでこれは次回に。