どむかで知り合ったサーカスプロデューサーなる安田尚央さんにご自身プロデュースということで教えてもらったジャグリング公演「MONOLITH」。
「ジャグリング」というと何を思い浮かべるだろうか。
ぼくのイメージでは「棒やボールを空中に次々に放り上げてカッコ良く取るパフォーマンス」である。
おそらくこの文章を読んでいるほとんどの人がそうだと思うが、MONOLITHはまったく違う。
それもそうだ。
安田さんからMONOLITHはいままでのジャグリングの概念を覆すようなものだと伺っていたのでその言葉に嘘はなかったということである。
MONOLITHは渡邉尚と山村佑理それぞれの独演からなる舞台で、前情報は以下のサイトにある言葉と渡邉尚の前公演動画のみ。
この動画が凄い。何が凄いということを言葉にするのはとても難しいがとにかく凄い。
MONOLITH鑑賞直前に観たので、俄然、本番が楽しみになる。どんなものを観せてくれるだろうか。
……凄かった。
ジャグリングのこともダンスのこともほとんど知らないし、知っていたとしてもやっぱり言葉にすることはとても難しいと思うけれど、とにかく凄かった。
そうはいってもライターの端くれとして精一杯、感想を書いてみることにする。
短く表現すると「異世界にいるボールがないと生きていけない(ボールとの交流によってエネルギーを得ているみたいな)生物の生態を観てしまった」という印象だった。
現実世界の人間であるぼくには分からないけれども、異世界の生物である彼らには彼らなりの理由があっていろいろな行動(ジャグリング)をしているみたいな……いやはや、こんな言葉でぼくのこの驚きと感動は伝わっているだろうか。
とはいえ、ジャグリングの技がきっとたくさん使われていてそれが凄いとか魅せ方が凄いとかいろいろと知っている人から見れば、表現のしようがあるのかもしれない。でも、何も知らない門外漢のぼくからするとこう見えたのだ。
彼らのダンスは床を大事にすることから「フロアジャグリング」と自称している。そもそもジャグリングの公演が初めてなのに、宙に放り投げるいわゆるジャグリングのイメージからかけ離れすぎていたものだったせいで、情報処理が追いついていなかっただけかもしれないけれど。
それにしても、テレビや大道芸で遠目に見たことはあるが舞台で観るはじめての「ジャグリング」がまったくのイレギュラーなもので良かったのだろうか(笑)
なんにせよぼくはこの公演を観て良かったと心から思えるし教えてくれた安田さんには感謝したい。
だって、山村佑理さんの舞台がはじまったとき、なぜか訳も分からず涙が出そうになったからね!
(もちろん渡邉尚さんも凄かったです。渡邉尚さんの方が異世界感が強かった。)
ぼくはこの体感を大事にしたい。