smoke books。こいつはカッコイイ名前だとツイッターで見つけて気になっていた。調べてみるとはじめは期間限定店舗eastend TOKYO BOOKSという名前だったようで、名前を千葉の本店と同じsmoke booksに変更。2010年から清澄白河店として営業している。清澄白河本屋地図に掲載した店の詳細紹介2店目である。
まとめ
時間の無い方のためにまとめを。
- 品揃え:アートやデザイン関係の書籍が多い。
- 雰囲気:本好きのためのおもちゃ箱みたい
- 立地:清澄白河駅を降りて、深川資料館通りを現代美術館方面に真っ直ぐ10分ほど。
TEL:047-705-0816
営業時間:12:00〜19:00
定休日:月曜日/木曜日
営業日以外のご来店予約も承ります。ご希望日時をご連絡ください。
URL:http://www.smokebooks.net/
Twitter:https://twitter.com/smokebooks
街中のライフスタイル提案型書店
smoke booksのメンバーはデザイン学校出身で書店員だった北澤孝裕と、えほんよみデリバリーチーム「おはなしpot」設立メンバーの北澤友子である。デザイン×本好きという意味では近頃、増えている若者による古本屋開業(nostos books、Snow Shovelingなど)の文脈に位置づけられるだろう。
おもしろいのが前回取り上げたしまぶっくと比べても違和感がないその雰囲気である。つまり、nostos booksやSnow Shovelingなどと同様にsmoke booksも街に溶け込んでいるということだ。
アート寄りの書店なのに街に溶け込んでいる。現代美術館が近くにあることと関係があるのだろうか。
以前、聞いたSHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSでのイベントでライフスタイル提案型の本屋が多いとあったが、まさにその通りの本屋。ただ、提案しているのはオシャレな生活ではない。「本のある生活」なのである。正確にいうと「本のある生活は上質である」という思想。これが街中にあるということに意味があると思う。
壁沿いと店舗中央に本棚
レイアウトは壁沿いのすべてと店舗中央に面陳棚。BGMは店主セレクトでカフェで流れているような癒し系ミュージック。店舗外に向かってガラスのショーケースもあり、嫌味にならない程度にオシャレな雰囲気である。
アート系の本を中心に
品揃えはというと、大判中心でハードカバーもそれなりに。文庫新書は外の均一箱以外はほぼない。レジ横に平凡社ライブラリーや岩波文庫、講談社学術文庫など高めの文庫があるくらいだ。安い本は置かないという潔い選択。その分、店主のコダワリが伝わるようなセンスの良い本ばかりである。
だから、品揃えはしまぶっくよりは尖がっているが代官山蔦屋書店よりは丸いようなイメージと考えていただければよい。オシャレではあるがスノッブでないのだ。街の本屋でもある絶妙なさじ加減が素晴らしい。
ジャンルはアート、写真、建築、デザイン、音楽、思想、文学
具体的に書名をつらつらと書いてみると、竹久夢二、つげ義春、宇野マサシ画集、チャイルドブックゴールド、アンディ・ウォーホール、ロジェ・グルニエ『写真の秘密』、シャガール、『チュビスム宣言』、森村泰昌、『25オンスの猫』、クレー、須田一政、アラーキー、石内郁、片岡義男、『アーキトラベル』、『時の冒険』、『デザイン原論』、『服飾の歴史』、『ガウディの宇宙』、大竹伸郎、ピカソ、『ベンヤミン著作集』、『音の文化誌』、グレン・グールド、『マン・レイ自伝』などなどなど。
新刊もあるよ
基本的には古本ばかりだが、真ん中の面陳棚には新刊もたくさんある。雑誌『POPEYE』や『美術手帖』、『BRUTUS』、『季刊サルビア』、『ANDO'S GLASS』や横尾忠則が特集されていたりなど。特に『美術手帖』の品揃えが良い。
街と本
清澄白河には本屋がたくさんある。それはまとめ記事でも言及した。ほかの本屋の街。例えば、下北沢などと同様に清澄白河もしっかり住み分けが出来ており、smoke booksはそのうちでアートやデザイン領域をカバーしてくれる店だ。かといってオシャレすぎたりせず、入りやすい雰囲気を保ったまま、品揃えは振り切っているこの感じ。
先にも書いたがsmoke booksはライフスタイル提案型書店である。だが、提案するライフスタイルを住民に届かせるためには街に寄り添わないといけない。smoke booksはそこがしっかりできている。ただのオシャレなライフスタイル提案型ではなく実効性の高い提案をしている書店だといえるだろう。
ぜひ行ってみることをオススメしたい。