下北沢B&Bには「働くキュレーターLAB」に参加したりと行くことが多いのだが、そのB&Bオーナーの一人である内沼晋太郎さんが関わっている場所があると聞いて行ってみた。渋谷にある「SUNDAY ISSUE」である(以下は2013年5月3日の記録だ)。
まとめ
時間のない方のためにまとめです。
- 品揃え:冊数は少ないが趣味性の高い品揃え。
- 雰囲気:バー×ギャラリー×ブックカフェ。感度の高い人が集まりそうな感じ。
- 立地:渋谷駅から徒歩8分程度
Tel:03-6450-5371
Fax:03-6450-5372
EMAIL:info@sunday-issue.com
URL:http://www.sunday-issue.com/
twitter:https://twitter.com/sunday_issue
facebook:https://www.facebook.com/SUNDAYISSUE
渋谷駅13番出口近く
渋谷駅13番出口。明治通りから少し横道にそれた場所にある。一階には「ON THE CORNER」というカフェ。調べてみるとどうやらSUNDAY ISSUEと同じ人が関わっているようだ(ここに内沼晋太郎さんはここには入っていない。選書の部分の担当だけだからなのだろうか。)
- カフェ『ON THE CORNER』 とアートラウンジ『SUNDAY ISSUE』誕生 食とアート、仕事場をつくる5人のクリエイター特集 http://openers.jp/interior_exterior/ispecial/partycompany_archive.html
バーとギャラリーとラウンジと
入ってすぐはバーである。本はどこだろう。少し不安になりながら奥に進むとギャラリーだ。本当にここだろうか。だが、猫本としおりの展示であるし本に関わるところであることは間違いないなさそうだ。そこでギャラリーを良く見て回るとちょうどバーの裏手にあたる位置にラウンジへの入口があった。壁一面の本棚だ。良かった。安心である。
本を中心にクリエイターのコミュニティーをつくりたい
バーとギャラリーと本棚が同じ場所にあるということは、本を中心にクリエイターが集まるような場所をつくりたいということを推測させる。以前、紹介した「国立本店」もそうだし「B&B」も「スノーショベリング」もそうだろう。
本に関わる人は今、「コミュニティ作り」に関心があるようだ。確かに本好きは一定数いるが本好きと出会うことは案外少なく、そういった出会いの場が欲しいと考えることは多い。SUNDAY ISSUEでは販売もしているが「売り物」という観点以外でも本はもっといろんな使い道があるのではないだろうか。
少なくともぼくは本がある場所はそれだけでリラックスできるし話も弾むと思う。もっとこういう場所ができれば良いのにと思う。
- 国立本店 http://kunitachihonten.info/
- スノーショベリング http://snow-shoveling.jp/
- B&B http://bookandbeer.com/
本棚コーナーの紹介
それでは本棚コーナーの紹介に入ろう。
平台とテリングカード
まず、本棚コーナーに入る場所には平台がありそのとき展示されていた猫本が紹介・販売されている。ギャラリーと販売を繋げるのは常套手段だが見せ方が上手い。
平台のすぐそばには「テリングカード」というものがある。本選びに迷ったら使うらしい。
本選びに迷ったら、上から1枚だけ、カードをめくってください。して、カードの指示に従って本を選んでみてください。カードが今日のあなたにぴったりの運命の本に導いてくれるはず。指示がピンとこない場合は、もう1枚だけどうぞ。手にとったカードは横の箱に戻してください。 book pick orchestraより
だそうだ。不思議な試みである。
平台の目の前に壁一面の本棚がありその目の前にソファやテーブルである。細長い空間なのであまり人は入れないがその分、落ち着いて本を読むことができそうだ。
本棚の選書
本棚は全部で5本だ。6段で面陳は3段。最上段と最下段と真ん中の段が面陳である。最下段は大判本か雑誌で洋書もある。
手前から見てみよう。
まず一本目はヴォネガットのハードカバーほか海外文学である。面陳は猫本で『空飛び猫』や『猫とともに去りぬ』など。サンリオSF文庫もあり、さすがのマニアックな品揃えである。
二本目は、アート系とミステリーがちょっとだ。『アールヌーボーの世界』や『日本の文様』、『芸術論集』、『刑事コロンボ』、『ベストミステリー10年』など。
三本目は音楽である。『ぼく自身のための音楽』、『たたかう音楽』などで下段はミステリーとかエッセイとなっている。こちらは『オヨヨ島のぼうけん』、『ロートレック荘事件』、『鞍馬天狗』などだ。
四本目は映画となっている。『映画だけしか頭になかった』、『映画狂人日記』など。下段はエッセイで『アジアの不思議な町』、『オールマイトゥモロウズ』4巻までなど。最下段は映画雑誌がズラリとある。
最後の五本目は思想と絵本のコーナーである。『カントの批判哲学』、『性と文化の革命』、『月の輪グマ』、『星の王子さま』など。下段は映画関係のエッセイであり『寺山修司メルヘン全集 8』、『カルト映画館 ホラー』など。
ところどころ植草甚一があるのがぼくとしては嬉しかった。
SUNDAY ISSUEは覚えておいて損はない本好きが一休みできるお店
如何だっただろうか。本棚に充てるスペースが少なかったのが玉にきずだが、この店の狙いは上述したように分かったし一階のカフェと連動していると考えれば面白い試みであると言えるだろう。一階のカフェでは気軽に交流を楽しみ2階のSUNDAY ISSUEではもっと深い話を落ち着いて話せる。本を読みながらでも展示を見ながらでも本の世界に浸りながら話せるのである。SUNDAY ISSUEは覚えておいて損はない本好きが一休みできるお店だった。