今日夜の近藤康平さんとのトークイベント向け読書その4。
3/5金18時半~【オンライン】「絵の旅 本の旅」 ~近藤康平1st作品集『ここは知らないけれど、知っている場所』原画展inBST 開催記念トークイベント~ https://peatix.com/event/1823167
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ここにきてまさかの児童文学である。とある疲れた男性の元にとても小さな王様が来て男性と話したりちょっとした冒険をしたりするお話。
幼い頃に置き忘れた妄想や空想や自由を思い出して、というようなメッセージを感じる作品ではあるのだけれども、僕はそんなことよりもこのクダリがとても気になった。
「現実ではな」
p.37
と王様は行った。
「俺のような王様の類など存在しない」
きっと男性は小さな王様こそが妄想であることを分かっている。でもその妄想を楽しんで受け入れることで自分を保っているように見える。
場合によっては現実の厳しさで頭がおかしくなって見えないはずのものが見え出した、とかそんなことを思うかもしれない。
だが男性はそうは思わない。小さな王様が現実に侵食してきても気にしない。妄想と現実を曖昧なままにする。
これまで読んできた近藤康平さん選書3冊を経て、夢と現実、浮遊感、旅が共通すると前回書いたが、この浮遊感や旅は、夢と現実の境を意図的に曖昧にすることによって感じられるのかもしれない。
こう、夢と現実、空想と現実、彼岸と此岸の境を明確に区別しないこと。そのことによって染み出してくるものが近藤さんの絵には描かれているのかもしれない。
なんてことを思った。
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さて、いよいよ本日18時半開催です。
まだまだ席ありますしお申し込みは本日17時までです。参加者は14日までアーカイブ動画が視聴できますので、ぜひご参加ください〜
3/5金18時半~【オンライン】「絵の旅 本の旅」 ~近藤康平1st作品集『ここは知らないけれど、知っている場所』原画展inBST 開催記念トークイベント~ https://peatix.com/event/1823167