代々木上原は良い街だ。新宿や渋谷など繁華街までほど近く、それでいて騒がしいところがない。落ち着いた街並みは住宅だけでなく商店もしっかりある。小さいカフェやコーヒーショップも多く、駅ビルも過不足ないつくり。
今回紹介するロス・パペロテスはそんな良い街・代々木上原にぴったりの馴染みやすくオシャレな古本屋だ。
まとめ
時間のない方のためにまとめです。
- 品揃え:なんでも揃う。若干、文学が強めかも。
- 雰囲気:古民家。
- 立地:代々木上原駅から徒歩3分程度
営業時間:11:00 - 23:00 everyday
TEL:03-3467-9544
URL:http://lospapelotes.com/
Twitter:https://twitter.com/lospapelotes
Facebook:https://www.facebook.com/lospapelotes9544
犬のいる本屋
ロス・パペロテスには犬がいる。古い町家みたいな店舗に入ってすぐ右のレジ。ここのすぐそばに毛皮の塊があったので触ってみると暖かい。動いてる。生きている。
犬の名前はトロ。オスで13歳。訪問時は眠っていたが看板犬というやつだろう。以前、大阪中津のシカクという店には猫がいたがあのときはそのカワイさに感動した。はたしてトロはどうかというと……
感動である。
この際、本屋には必ず看板動物を置くのはどうだろう?
本を傷つける恐れはあるがその分、お客さんのハートをグッと掴んで離さないのは間違いないのではないだろうか。
一階と地階
さて、店舗レイアウトの紹介をしていこう。古い町家を改装しただろう趣のある店舗には入ってすぐ右にレジとトロ。
そのまま右回りに見ようとするとすぐ地階に行くことになる。
壁沿いに本棚が並んでおり、中央にも本棚が2列。視線より高い場所まで本である。
とはいえ一階との間に壁がないので圧迫感は感じられない。本をより多く見せようしながらも配慮が感じられるデザインだ。
ぐるりと地階を回って出てきた一階にも壁沿いに本棚と中央にも横並びに2本の本棚。こちらは視線より低い本棚である。
つまり、一階はより見やすく、地階はより多くのレイアウトなのだ。
ロス・パペロテスにあったのはこんな本
一階には?
では、一階の品揃えをトロくんの寝息と共にお送りしよう。
一階は入ってすぐのワゴンに300円均一。左辺から暮らし、現代文学・批評。真ん中の本棚の手前側がマンガや少年少女の本で、奥側が酒・食だ。順番に書名を挙げていこう。
300円均一には東野圭吾、津村記久子、山崎豊子など。
左辺の暮らしには絵本やペット、建築、美意識、生き方、ファッションなどが並び、『ぼくを探しに』、『こころのやさしいかいじゅうくん』、スヌーピー、『獅子座の女シャネル』、『紳士靴を嗜む』、『建築探偵神出鬼没』、ヘルマン・ヘッセ『庭仕事の愉しみ』、『美しさをつくる』、『旅するお菓子』、『一流シェフが手ほどきする人気のケーキ』などがある。
正面奥の本棚には左辺の続きで暮らしと現代文学・批評。
古川日出男や高村薫、村上春樹、吉田修一、『復興文化論』、東浩紀、池上彰など。
右辺は少しだけ。山口瞳や寺山修司などである。
真ん中の本棚の手前側にあるマンガや少年少の本では『宝石の国』、『鉄腕アトム』、『ヘルタースケルター』、宮澤賢治、谷内六郎、『星新一 1001話をつくった人』、『宇宙授業』、『わらべわうた』などが並び、
同じ本棚の奥側には酒・食だ。山口瞳、『味ごよみ』、『マザーグースのクッキングブック』、『もの食う人びと』、豆本の『洋酒天国』などである。
書名からしても一階には取っつきやすい本があるイメージが伝わっただろうか。
地階には?
一階を見終わったのでレジ横の階段を降りて地階に行く。地階ではさすがにトロくんの寝息は聞こえないのが残念だ。
左回りに見ていくと、詩、デザイン、自然・旅(オカルト含む)とあり、左辺には写真・デザイン・アート、奥の辺はサブカル・エログロ、本屋の本、海外文学、映画・音楽。
右辺は音楽とサブカル。
真ん中の本棚は左側から写真・デザイン・アート、文庫、マンガである。それぞれ具体的に見ていこう。
まず、はじめ。入り口側の辺にある詩、デザイン、自然、旅(オカルト含む)。谷川俊太郎やロシア構成主義の本、『エピステーメー』、『異民族へのまなざし』などである。
左辺と向かいの真ん中の本棚の一番左側には写真・デザイン・アートがあって、キャパ、森山大道、長谷川潔、会田誠、『現代デザインの水脈』などだ。
奥の辺はサブカル・エログロ、本屋の本、海外文学の名作、映画・音楽で、江戸川乱歩、コリン・ウィルソン、『シェイクスピア&カンパニー書店の麗しき日々』、ル・クレジオ、カズオ・イシグロ、四方田犬彦、三谷幸喜、『レコードコレクターズ』などが並ぶ。
右辺の音楽、サブカルと向かい合った棚(真ん中の本棚の一番右側)のマンガでは、『ローリングストーンズ大百科』、赤瀬川原平、『別冊宝島』、手塚治虫、つげ義春、『ワンピース』、『ジョジョリオン』など意外と有名どころで最近のマンガがあるのが素晴らしい。一部の本好きのための店というわけではないのだ。
真ん中の本棚2本に挟まった通路にはどちらも文庫である。ちくま文庫やちくま学芸文庫、講談社文芸文庫、岩波文庫などが半分で角川文庫など普通の文庫が半分だ。
地階は文庫やマンガもあるが、結構ディープな品揃えなのが分かっただろう。
今日は休みだ。ロス・パペロテスに行こう
ロス・パペロテスは街中の店である。お婆ちゃん家のような安心する空間にライトなものからマニアックなものまでなんでも揃っている。料理書もあればマンガもありアート関係本もあるしサブカルもある。文庫を含めると若干ながら文学が強いだろうか。
例えば、渋谷や新宿など繁華街に行くのも楽しいが今日は近所で落ち着いて過ごしたい。そんなときにロス・パペロテスは打ってつけの店なのだ。
さあ、今日は休みだ! ロス・パペロテスに行こう!