【連載】失われた「本屋」を求めて(2)

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白山にある双子のライオン堂書店店主は「なぜ本屋になり、これからどんな本屋を目指すのか」。連載第二回目です。前回は双子のライオン堂書店を開くまでの経緯でしたが、今回は双子のライオン堂書店について語ってくれるようです。

双子のライオン堂は、どうして選書専門店というスタイルを選んだのか。

双子のライオン堂は、主戦場をインターネット古書店からリアル書店へと移行する際に、本屋として何か特徴を持とうと、選書専門店を名乗ることにしました。
お店の特徴を「選書」に決めたのは、「人はどのようにして良い本に出会うのか」ということがネット本屋をはじめたときからのテーマだったからです。

良い本との出会い方

良い本と出会う方法で大切なことは大きく2つあると考えています。
ひとつは、ジャンルを越える出会いです。
前回、大学では文芸を志していたと書きましたが、同じジャンルの小説や批評ばかり読んでいると考えが偏ってきて、マンネリ化してうまく表現できなくなったり、アイディアが浮かばなくなったりと壁にぶつかります。そんな時は、まったく別の分野の本―数学とか生物とか―を読んでリフレッシュしたりすると、いままで固まっていた頭が少し動くようになった気がします。また、意外なことに、まったく関係のないはずの本に、創作や批評のヒントが載っていたりして、課題が解決することもありました。
それは、大学だけでなく、社会人になっても同じです。自分はサービス業の営業職でしたが、ビジネスに関係のない本を読んで「これは仕事に活かせるぞ」なんていう経験は何度もありました。どちらかと言うと関係ない本からの発見が多かったような気もします。

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もうひとつの出会い方に、属人的な方法があります。
好きな作家さんが紹介した本って、不思議とだいたい自分も好きだったと言った経験は誰にでもあると思います。本の中に登場した本を読み繋いでいくことも、とても有意義な読書方法のひとつです。
また、他人の本棚で出会う方法も有効的です。僕の場合は、大学の教授室の本棚がそうでした。憧れの先生が読んできた本たちを見ては圧倒されつつも、それに立ち向かう。授業や著書以外に、本棚からもいろんなことを教えていただいたような貴重な経験です。
あと、これはジャンルを越えるにも近いですが、友人の本棚から世界が広がることありました。自分じゃ絶対に手にしない分野の本があり、友人にその感想が聞ける。友人が熱く語れば読みますし、そういう本はだいたい面白いものです。

いずれにしても、「良い本に出会う」そのお手伝いが出来れば嬉しいですし、どんな方法でも、本に近づく機会を増やし、読書する楽しみを知って頂ければ、それ以上に本屋として嬉しいことはありません。

双子のライオン堂としては、ジャンルの壁を取っ払い、好きな人の好きな本を手に取る。このふたつをうまく取り入れる方法が「選書」だったのです。

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