「リブートせよと雑誌はいう」トークショー@スタンダードブックストア心斎橋

再起動せよと雑誌はいう昨日、行ってきました。

このショーは「リブートせよと雑誌はいう」の刊行を記念して著者の仲俣暁生さんと出版業界に詳しいライター永江朗さんの対談です。イベントのページはこちらです。

2/13 MON 19:30 『再起動せよと雑誌はいう』刊行記念 仲俣暁生×永江 朗 スペシャル対



構成は前半1時間が対談。後半1時間がQ&A。テーマはずばり「雑誌の愛と金」。いやー楽しそうなテーマです。業界関係者ならではのお話がいろいろ面白かったので、以下にまとめていきます(本の感想は後日、書きます)。

若き日の金銭事情

まず、面白かったのがお二人の若き日の金銭事情です。ざっくりお二人の経歴を書きますと以下のようになります。
  • 仲俣さん:編プロでバイト→編集者に入社→フリー編集者(大学で非常勤講師も)
  • 永江さん:西武の洋書店で会社員→編集者・ライター→フリーライター(早稲田の講師も)
どちらも20代の頃は大変だったようで年収200万以下だったとか。「今で言うワーキングプア」と仰っていました。恐ろしい労働条件ですねー。ただ、お二人とも下積み時代と仰っていたように、ここで技術と人脈をつけて後々食べれるようになったので、全体とすれば良かったのでしょうか。

これは現在では通用しないでしょうね。若い時の時間投資が有効なのは、その後に続く精神的・経済的利益が大きい時だと思うので、現状の出版業界にそんな労働条件で入ってくる若者がいるのかどうか。技術をつけるためと割り切ってやるのはアリだと思いますが、今なら一人でも出来ることが多いですしどうなんでしょう。

雑誌のビジネスモデル

もう一つ。面白かったのが雑誌のビジネスモデルについての話です。

「既存の「広告+実売」モデルに捉われなければ、まだまだ面白いことが出来る」という話なのですが、その具体例が面白かったのです。「いきいき」「考える人」「MAISHA」「ソトコト」などを挙げていらしたのですが、オフレコもあったので書けるので印象的だったのを。

まず「いきいき」です。

これは店舗では売られていないそうですが、何と売上のほとんどが物販らしいのです。実売は15%くらいしかないとか。シニア世代向け雑誌という特殊性はあるのでしょうが、物販が85%って。通販カタログになっていないか。どういう誌面なのか。気になります。

もう一つが「MAISHA」です。

これはフランフランの親会社一社がお金を出している雑誌ですが、広報誌ではなく、かつ、ここに驚いたのですが値段が500円のところ、巻末にフランフランの500円分の商品券が付いているという。フランフランで買い物すれば実質タダです。

消費者としては、情報が実質タダで手に入る。売る側としては、フランフランの売上に貢献できる(商品分だけ購入という人は少ないでしょう)し、商品券を使わない人もいるでしょうから雑誌の売上も見込める。「スタバブック」と同じビジネスモデルですね。これは電子雑誌でも使えそう。楽天とかやらないかしら。

他にも色々話されていましたが僕にとって面白かったのはこの2点でした。

以下、Q&Aで面白かったことを書きます。

Q&A1 電子雑誌の可能性は?

「リブートせよと雑誌はいう」では、仲俣さんは電子書籍について特に言及しませんでしたが、このトークショーでも電子書籍自体にあまり興味はないようです。そのことも踏まえて、質問者は以下のように質問します。

「出版不況の中、経費削減ということもあり雑誌の電子化をすることが目立ってきた。この施策は実際問題どうなのか?何が狙いなのか?」

答えは、「「経費削減→電子化」という単純な構図ではなく、海外展開を視野に含めた施策だと思う」とのことでした。ネット上でのファンによる自発的翻訳やキンドルの辞書機能を挙げていましたので、確かに納得です。実際、大手出版社のいくつかでは海外で著作権ビジネスを展開できる人材を欲しがっているとのことです。クールジャパンとの絡みもありそうですが、webに載れば国境はほぼ意味がないのでどうやってマネタイズするのかは考えていそうです。

Q&A2 日本雑誌の輸出は?

これは僕の質問です。「リブートせよと雑誌はいう」で日本雑誌は欧米雑誌を翻訳したものがほとんどだということを受けて、以下のように質問しました。

「日本雑誌ブランドがアジアに輸出されることはありうるのか?現状ではどうか?」

答えは、「欧米の焼き直しがアジアに持っていけるだろうか。むしろ、欧米雑誌に直接触れていることが考えられるから、BRUTUSソウル版とかはないだろう。だが、日本の独自性を持った雑誌があって、それが優れていれば海外で翻訳されたり、ブランド化されることはあり得るかも」とのことでした。

また、日本の雑誌が海外で売れるかどうかといことへの答えですが「買っている留学生もいるが、それは一部の富裕層。しかも、別に日本の雑誌だけじゃなくて世界の雑誌を見れる環境なので、競合が欧米雑誌になる。そんな中、どうしていくかは課題。」というものでした。

日本の編集のやり方や日本文化。これらをうまく海外に発信することが出来るかどうかは大きな課題なのでしょう。webに国境はないですからね。電子書籍をやるならそこが大きなファクターとなりそうです。

全体の感想

全体として刺激的な会でした。自分でも色々やっていこうと思っているところですので、参考になりました。ただ、あせる気持ちと自分がまだ何も作れていないことがあって、色々と聞きたいことがあったのですが、言葉が出てこず、残念無念。なんでしょうかね。この劣等感みたいなものは。まー四の五の言わずに動けということでしょうか。何にせよまずは、ホームページからだー。頑張るぞー。

ちなみにスタンダードブックストアさんのレビューはこちらです。

『再起動せよと雑誌はいう』仲俣暁生×永江朗 トークショー  雨の中大盛況でした!

それでは~。
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