絶版書籍の電子化 ~漫画編~

古本市の画像昨日、絶版書籍について呟いたけど、一応、ブログの方でもまとめておく。電子書籍について語るときに、必ず出てくる話題が入手しにくい「絶版本」や絶版にはなっていないが流通していない、「品切重版未定本」とも言われる「孤児本」。

絶版本はなかなか電子化されない

絶版本や孤児本が発生する原因が、保管料やスペースコストの問題と考えると、電子書籍に一番して欲しい、しやすそうな本であると思える。ところがどっこい。コンテンツ業界とは切り離せない著作権の問題、マネタイズ(どうやって稼ぐか)の問題、精神的抵抗感などなどの問題からなかなか進んでいないのが現状なのです。

読者としては便利になってくれれば言うことないので、「早いとこ電子化して手に入りにくいあの本を読ませておくれ」ってなもんだけど、作り手側、出版社側、その他広告会社などなどの思惑によって進まない進まない。

そんな中でも、漫画家では結構積極的な人もいたりして(「ラブひな」の赤塚さんがやり始めたJコミとか「ブラックジャックによろしく」の佐藤さんがやっている漫画onwebとか永井豪のダイナミックプロがやってるダイナミックアークとか)、僕としては何はともあれ成功して欲しいわけなのだけど(赤松さんのJコミのことね)。

Jコミは成功するか

コメント欄の批判、アイデアから成功するかどうかのポイントをまとめると、大体以下の4つになると思う。
  • 広告会社がどの程度動いてくれるか(赤松さん以外のそんなに有名ではない作家の作品も含めて)
  • 挟んである広告を邪魔だと思う読者がどの程度いるか
  • 新人育成にどのような影響があるのか
  • 作家の許諾をどの程度得られるか
ただ、感情的な批判が一件しかなかったのが意外だったんだよな他のは批判するにしても応援の気持ちがあって批判と同時に代替案を提示していたし、そう考えると、ヤフーニュースでリリースはされていたけど、出版社とか印刷会社とか古本業界とかからはそこまで注目されていないのか、それとも中の人が既に話を関係諸氏にある程度しているのか、ていうか業界内の人含め傍観者が多いだけなのか(かくいう自分も残念ながら傍観者だけど)。とか斜に構えて考えてみたけど、こういう記事もあるみたいだし、期待されている向きが強いと見て良さそうだ。

絶版本電子化への期待

とは言え、やっぱり難しいみたいで、絶版堂サービスの中止の分析記事(その1その2)なんて見ていると、ハードルは高そうだ。図版や絵の権利は出版社が持っていたり製作者が持っていたりと複雑に過ぎるみたいだし、テキストにしたって権利者が不明なんて事もある。さらには現在出版している作家さんでも、電子書籍を出すためには契約している出版社と話をつけないといちゃもん付けられる可能性が高いようだ。(電子書籍に関する文書での契約は講談社のこれが出るまで基本的になされていなかった。勿論これにも賛否両論あり。これとかこれ

だから、漫画家が積極的になるのは割と良い事で、小説と比べてファンも多いし、新書や教養書、実用書のように図版を使用されていることは少ない(日本沈没など青年漫画では使われていることもある)。電子書籍事業に乗り出すには壁が比較的少ないんじゃないのかなあ、なんて思うのだけれど。

電子書籍のマネタイズ

さて、著作権や業界の話はともかく、電子書籍化に関しての問題はやはりマネタイズの問題だ。どうやってお金を稼いで事業(創作)を持続させるかが問題だ。Jコミは広告費で稼ごうとしているけれど、これはどうなんだろ。

広告をクリックした数で報酬が判断されるって考えは、なんだかweb拍手みたいで(でも実質web投げ銭)、結構好きだけど。ただ広告を入れるだけってことになると、それこそ有名作家しか広告が付かない気がするのだが・・・。

「単行本化されていない作品もできれば電子化したい」ってあるけど、広告はある程度の人数に訴求しなきゃいけない訳で、そう考えると、それぞれの漫画で読者が違っているから適した広告をつけることが難しく、適していない広告となった場合、広告の効果が限定されてしまって、広告をつける会社が少なくなっていく。

ところが、有名作家ならある程度効果が予想できるし、無料なら読もうって人も多いため、会社としても広告を出しやすい。そーゆーわけで、やはり有名作家しか稼ぐことはできないってモデルになりはしないだろうか。

だから、コメントに載っていた広告を載せる会社をファイル名なり何なりに目立つように見せて、文化事業的な社会貢献的な企業のイメージアップ的な(いわゆるCSRの一つなのかな)形で、広告を入れさせた方が良い気がする。そうすれば、マニアックな作品に広告載せた会社ほど、その漫画のファンを確実に顧客にできるってことになると思うんだけどなあ。

電子書籍に課金は有効か

ここまで、広告を載せるっていうモデルについて書いてきたけど、よくよく考えてみたら、絶版書籍なんて有名作家のからそうでもない作家のまで色々あるのだから、普通に課金して売ったほうが良くなね?ロングテールってことで、場所も取らないんだし、アマゾンとでも契約して、絶版してアマゾンで手に入らない場合は、このサイトがありますよって宣伝すればよいのでは?

あ、でもそうするとコピーの問題から逃げられないか。うーむ、現時点で絶版書籍でお金をもらうって考えたら広告で稼ぐってのは、やっぱり悪くないのかもな。ま、広告だけしかやっちゃいけないって訳でもないんだし、とりあえずβ版が成功して欲しいものです。

とりあえず漫画で成功して、早いとこ小説でもやって欲しい。そして北野勇作の本を電子でもいいから復刊して欲しい。

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