本屋探訪記vol.142:上品な空間で他にはない本との出会いを「忘日舎」

忘日舎01
昨年の秋頃、ちょうどこの西荻窪の本屋マップを公開した頃のことだ。入れ違いのように開店した本屋があると聞いた(正確には2015年9月末)。名前は忘日舎。印象的な名前だ(2016年5月13日の記録である)。

まとめ

時間のない方のためにまとめです。
  • 品揃え:文学・人文系が多い
  • 雰囲気:上品でありなgら敷居の高さを感じさせない
  • 立地:JR西荻窪駅 北口から徒歩5分程度
東京都杉並区西荻北3-4-2
営業日:水・木・日 13:00-20:00 金・土 13:00-21:00 月・火定休  *祝日は営業(臨時休業の場合あり)
MAIL:vojitsusha@gmail.com
URL:www.vojitsusha.com
Twitter:https://twitter.com/vojitsusha

西荻窪駅を降りて北口を左に曲がる。真っ直ぐ行ってはじめの曲がり角を左折。道なりに行くと小さな、でも、開放的な雰囲気の店が見えてくる。雑誌に出てきそうなオシャレな店内。小見出しを付けるとしたら「文学好きの書斎」とかそんな感じだろうか。店主の伊藤幸太さんは現在も編集者として他の仕事も行っているとのこと。そう言われてみると編集能力が活きた空間演出だ。

選書プロジェクト

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面白いのが棚の1段分だけだが、お客様に選書してもらっている場所があることだ。似たような試みとしては天狼院書店があるが、忘日舎のものはあそこよりももっと開かれているように感じる。ちなみに今回のテーマは「文化と社会と若者と」。よく見てみると尖った選書である。

本棚観察

レイアウトと本棚を紹介しよう。入り口すぐ右横にはレジ。左横には背が低い変わった形の本棚がある。ここは新刊コーナーのようだ。

そこから一番目立つ真ん中のテーブルはというと、その日の担当者によるオススメ本だそうだ。スタッフがいるということも驚きだが、古本屋でオススメ本コーナーをつくるというのも珍しい(本記事公開時ではこのコーナーには新刊が多い)。

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そのまま左辺の本棚はというと詩や文学、人文である。『民具のこころ』、『洞窟へ』、『まど・みちお全詩集』、『「女の子写真」の時代』、『カチンの森』、『人間・始皇帝』、保坂和志、橋本治、谷口ジロー、『ヘルタースケルター』といった品揃え。

突き当り正面がまた素敵な台の上にあえて少なめに本が置かれている。ただ売っているだけじゃなく「展示販売」といった趣である。ここには『よなかの散歩』、『街場の文体論』、『土門拳全集』、『鏡の中の鏡』、『うらしまたろう』などがある。

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右辺を見るとこちらも壁沿いにギッシリ本棚を詰め込むようなことはせず、細めの本棚が2つに壁に備付けるタイプの棚がいくつか。奥は、本の本。『誰がジョン・レノンを殺したか』、『本を読むときに何が起きているか』、『読書大全』、『死ぬまで編集者気分』、『コピーキャット』、『フェイスブック』、『戦場で書く』など。

手前は海外文学でコレクションズ、『器用な痛み』、『遊び人の肖像』、岩波文庫の赤、『悪童日記』などである。取材当時は硬めの本が多かったがこれからはもう少し読みやすいものを揃えるために新刊の仕入れにも力を入れるとのこと。

上品な空間で他にはない本との出会いを

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ほかの西荻窪の本屋と比べると正直、忘日舎にある本の量は少ない。しかし、物足りなさは感じなかった。それはきっと他の本屋であれば、大量の本の中に隠れている文学・人文系の本がセレクトして、展示販売されているからだ。もし同じ本が他のお店にあったとしても見つけることができなかっただろ硬そうな本たち。それを忘日舎で見るとなぜか読みたくなってしまう。きっとこの上品で静かな空間にあるからだろう。店主によるとまだまだこの空間は変わっていくそうだ。これからの忘日舎が楽しみである。