本屋探訪記vol.110:敷居の低い幻想文学古本屋「古書ドリス」

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清澄白河本屋地図で取り上げた店の中で、詳しく紹介したい本屋。最後の一店が古書ドリスだ。幻想美術/文学の本を中心に、と言うと急に怪しい雰囲気を感じとるかもしれないが、そんなことはない。アートやデザイン、映画・音楽など幅広い品揃えで、店内も明るく、説明されなければ江戸川乱歩や澁澤龍彦のオドロオドロしいものを扱う店だなんて気づかないほどである。

まとめ

時間の無い方のためにまとめを。
  • 品揃え:幻想文学中心だが、それ以外のアートや映画・音楽、文学、人文なども幅広く揃える
  • 雰囲気:明るい。入りやすい。幻想文学中心の本屋とは思えない。
  • 立地:森下駅を降りて南に少し行く。脇道に逸れて公園が見えたらすぐそばだ。
東京都江東区森下2丁目10-2パークロダン101
TEL / FAX : 03-6666-9865
MAIL : info@kosyo-doris.com
営業時間:12:00~20:00 定休日:水曜日
URL:http://www.kosyo-doris.com/
Facebook:https://www.facebook.com/kosyodoriscom
Twitter:https://twitter.com/info_doris

森下駅近く公園のすぐそば

行き方を紹介しよう。
先に清澄白河と書いたが、最寄駅は都営新宿線の森下駅である。駅から徒歩5分というところだろうか。大通りから一本脇に入った住宅街の中にさりげなく佇んでいる店が古書ドリスだ。

明るく入りやすい雰囲気

古書ドリス02

店内の雰囲気はというと、特徴はない。特徴はないのだがそこが良いのである。肩肘張って入らなくて済む普段づかいの店なのだ。
レイアウトを挙げると、若干奥に広い長方形で左斜め前の部分にレジ兼作業場。そのほかの壁沿いにはもちろん全て本棚。中央部分には平台用の棚、狭く見えないように胸くらいまでの高さの棚がある。

本の本が充実!

右周りに店内を周ろう。
入り口すぐ右手の本棚は本の本が充実している。『編集者の食と酒と』、『本の雑誌』、『二手書店的旅行』、『古書の聖地』など好きなジャンルがしっかり揃っているのは嬉しい。これからの本棚探索に期待がもてるというものだ。

店舗右辺は店内でもっとも長く本棚が並んでいる。本棚の種類を変えてメリハリを持たせているようだ。

文庫とレトロ女子

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右辺で一番初めに目に入るのは文庫である。これが丸々一本。
次が、2,3本目は女子コーナーだ。竹久夢二、金井美恵子、寺山修司、中原淳一ほかレトロ女子が好きな面々には堪らない品揃え。

やっぱりメインは幻想文学

女子棚の次から突き当りまではすべて幻想文学だ。
澁澤龍彦、種村季弘、唐十郎、中井英夫、荒俣宏、ラヴクラフト、ベスター『ゴーレム』、ケルト、バロウズ、ナボコフ、サド、プルトン、コクトーなどなどなど。下段には大判本。ここは古書ドリスがまさに幻想文学の店だということを表している。うーん、オドロオドロしい。

レジと右辺の間には4段本棚が並んでいる。右辺側には幻想文学。ただし、マンガや雑誌系である。『パノラマ島奇譚』など丸尾末広、つげ義春、雑誌『幻想文学』、『夜想』、『TH』、スチームパンク東方研究所、サンリオSFなど。サンリオSFが紛れているのがおもしろい。確かに雰囲気似ているよなあ。
古書ドリスにはガラスケースもある。飾られているのは球体関節人形や希少本だ。

球体関節人形!!

噂には聞いたことがあるけどはじめてこんなに間近で見たかもしれない。独特の雰囲気…キレイだなあ。好きになるひとがいるのが分かった気がする。
一緒に入っていた本の書名は『少女館』、『森の眠り姫』、『謎のラピスパワー』など。

映画と音楽。ソフトもあるよ

レジ前の棚は両側に入れられるので、レジ側には何があるかというと、映画と音楽だ。本だけでなくDVDやCDもある。四方田犬彦や園子温、ゴタール、タルコフスキー日記、ジョニー・B・グッド、音楽の心理学、武満徹著作集、レッド・ツェッペリンなど。こちらはサブカルチャーな匂いがプンプンしている。嫌いではない。

人文書もしっかり

店舗奥の辺にも多くはないが本棚が。人文書である。
『科学と芸術の対話』、『寺山修司論』、『形式の法則』、『ベンヤミン著作集』、サルトルなどだ。趣味に傾いているかと思いきやこういった硬めの本もあるのは素晴らしい。

ビジュアル本コーナー

店舗の左辺に向かおう。ここは大判本中心である。シュールレアリズム系の本や図録、写真集などで、ビジュアルが素敵な本はここのコーナーなんだろう。
アート、デザイン、写真である。アラーキー、ヤン・サウデック、『アイウェイウェイ主義』、篠山紀信、ラルティーグ写真集などなど。ここもぼくの好物である。楽しいなあ。

街に開かれている

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店舗入ってすぐ目の前。一番目立つ真ん中の平台の上にはフライヤーなどである。店のもっとも良い場所にフライヤーを置くとは。街に開かれている姿勢が伺われる。
しかし、もちろんこの平台。ただの平台ではく下部が本棚になっている。絵本や人権関係、海外関係の本など少ないながらもおもしろい品揃えだ。

最後はSFやら評論やらいろいろ

店舗最後の辺は入り口から入ってすぐ左にある本棚だ。
文庫と少しハードカバーでSFが多いがそのほかの小説や評論、ノンフィクションも多い。
平凡社ライブラリー、ハヤカワSF、ちくま学芸文庫、岩波文庫、ちくま文庫など良い品揃え。
村上春樹、『オリエンタリズム』、『荷風文学』、『日本SF全集』、『伊藤計画記録』、『SFマガジン』、『宇宙戦争』、サンリオSF文庫など。
実はここも好みの棚である。SF! もっといろいろ読んでみたいなあ。買っちゃおうかなあ。

敷居の低い幻想文学古本屋

いままで書いてきたように、古書ドリスは幻想文学/美術の店であるといいながらもほかの品揃えも強く、幻想文学特有の怪しげな雰囲気もしない。それでいて球体関節人形や希少本の扱いなどマニアックなものもある。
古書ドリスは敷居の低い幻想文学古本屋だ。その敷居の低さに油断して入り込むといつの間にか長居してしまう。気付いたら幻想文学の世界にどっぷり浸かっていたなんてお客さんがいはしないだろうか。
ライトな入り口でディープな内容。こういうやり方、ぼくは好きである。

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